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「ロミオの青い空」全33話こそっと感想⑪

今更綴る、テレビアニメ『ロミオの青い空』全33話の感想です。もし今までご覧になったことのない方がいらっしゃいましたら、ぜひ騙されたと思って視聴してみてください、機会があれば。何故ならたいへんな名作だからです。世界名作劇場としては後期の作品にあたるため、オタク以外にはあまり知名度がない気がするのですが、それはあまりにももったいないです!

てなわけで、各話ごとのざっくりした感想文を綴っています。手加減しながら書きますけどかなり思いっ切りネタバレになってしまいますので、これから視聴される予定の方は以下の内容についてはご覧にならない方がいいかもです。
以前にも一度大雑把な思い出を語ったことがあるので、よろしければこちらもどうぞ。→

毎回3話ごとに感想を載せており、今回がいよいよ最終回です。よろしければ最後までお付き合いいただければ嬉しいです。

ではでは、本日は第31話から第33話までの感想を。

31話『本当の宝物』

黒い兄弟のリーダーになったロミオがロミオらしく活躍する回。サーカスを見に行こうと空き家の掃除を頑張るロミオ。ああでもミカエル、君は最後までそういう役回りなのね…。でもこれ、いちばん大事なのはロミオの決断を誰も責めなかったことだと思う。ロミオを信頼してるということも大きいだろうけど、黒い兄弟の面々も皆気持ちのいい少年たちなんですよね。
「ロンバルディア」って聞くと「ロンバルディアトロフィー」を思い出してしまう私はそうですスケートファンですー!!!イタリアもスイスもフィギュアスケートファンにはお馴染みの国ですね。ロミオ見てた当時はスケートファンになるとは夢にも思ってなかったんですけどね(笑)。
お皿みたいなのに入ってるピッコロ可愛い超可愛い…←今日のピッコロ

32話『素敵なクリスマスイブ』

個人的にはぜひ見ていただきたい回です。作品中でずっと静かに語られていたテーマが、この回に集約されていると思うので。
カセラ教授が案内してくれた部屋、大人の私が見てもウキウキする。地球儀、黄道十二宮、望遠鏡、化石…。人の人生は、時に思いもよらぬことが思いもかけない扉を開くことがある。ミラノに来た理由も、ミラノでの生活も厳しいものだったけど、カセラ教授やアルフレドとの出会いが、ロミオに知識と、将来の道と夢とを与えてくれた。何事もなくソノーニョ村に居続けていたら、おそらく辿ることのなかった道を。人間の人生はいつだって「誰と出会ったか」によって決まるのかもしれない。人は自分の力で何でもできる、何でもしなければならないと思いがちだけど、おそらくそれは正しいとは言えないのではないでしょうか。

人形劇のシーンには毎回毎回泣いてしまう…。そういや『白鯨』読んだことなかったな私。ところでマウリッツォとグラゼーラはたいしたお咎めもなかったんでしょうか。グラゼーラお手紙書いてるし。でも実際、跡取りはもうビアンカしかいないんだよねえ。
「何笑ってんのお前ら?」って感じで首傾げてるピッコロとか、さりげなく起こしてくれるピッコロとか、勉強中もついてきてるピッコロとか、窓カリカリしてるピッコロとか、ずーっとロミオのそばにちょこんといてくれるピッコロが可愛くて可愛くて今日も私は満足です←ピッコロの下僕←何度目だこれ

33話『空へ!自由の翼にのって』

クリスマスから一気に時がたち、季節は春へ。ロミオの契約が切れ、故郷に戻る日。ミラノの街を眺めるロミオの表情に万感の思いがこもっていて胸がギュッとなります。
最終回らしく、これまでに登場したほとんどの主要なキャラクターが顔を見せます。アンジェレッタとイザベラはきっとパリね。アニタは…。出てくると話がややこしくなるからでしょうか(笑)。
この回の注目はおかみさんでしょう。がめつくて意地悪なおかみさんが目に涙を浮かべてロミオを見送り、がっくりと椅子に座り込む姿は、物語を最初から見ていなければきっとその意味を本当に解することはできないんじゃないだろうか。それに引き換えアンゼルモ…。この作品の本当の悪役はお前だったのかい?最後までぶれない嫌な奴ぶりである意味感心(笑)。ロミオの部屋での親方とのやり取りは毎回泣いちゃいます…。

アルフレドが生きていたら、さぞテレビの前の視聴者の心も奪うようなセリフでニキータを褒めてくれたんだろうなあ。狼団と黒い兄弟の平和同盟にも感激してしまう。ジョバンニや狼団も、アルフレドやロミオとぶつかり合って生まれた絆を大切にしてくれた。これもまたアルフレドとロミオの夢の小さな一歩なんじゃないだろうか。狼団に意地悪されないだけでも、煙突掃除の子供たちは少しは楽になるだろうから。リオ泣いちゃってる、意外にいい奴だったのかリオ。本当に…アンゼルモって(汗)。
そういえばロミオは結局ジョバンニのところに行ったのかな。アルフレドの死を知ったらさすがのジョバンニも野暮なことは言わなかったんだろうなと思いますが。

ミカエルとアントニオ、そしてダンテとの別れ。ダンテは別れ際に子供らしからぬ大事なことを言ってますが、それを「また会おう」と返せるロミオ、だから皆が信頼したんだな、とわかるようなシーンだと思います。馬車に乗せてくれたからだけど、カセラ教授とビアンカが別れる人々の中で最後になるとは。二人とはこの先もきっと何度も会っていたんでしょうね。
そして時は流れ、ソノーニョ村で教鞭をとっているのであろうロミオ。その指導でひとりの子供が書いた名前は「ジョルジョ」。原作を読んだ人ならピンと来るはず。これは原作でのロミオの名前なのです。憎いですね。
そして、いつかロミオが教会で空想した、ロミオとビアンカ、アルフレドの3人の光景が現実となる。ただしアルフレドは、ロミオとビアンカの息子という形で…。ピッコロは茶色くなってましたが夏毛でしょうか。

主題歌の流れる中、池田昌子さんの声が語る内容は心に刺さります。この語りが最後の最後に入っていることで、「ロミオの青い空」は完全たる名作となったのだと個人的には思います。「子供が好き」と言う人は多いけど、その中の何人がこの語りの内容を掬い取ることができるでしょうか。「子供=自分にとって都合のいい、可愛いマスコット」くらいにしか思っていない人間が実際には多いだろうと、ほとんどの大人に助けてもらえなかった子供時代を過ごした私は考えてしまいます。
主題歌の『空へ…』はとてもとても好きな曲で、時々家でも口ずさんだり、カラオケでもよく歌います。爽やかで少し切なく、空の青さが体中に染み込んでくるような名曲ですね。

全33話を見終えて、いい加減大人になってからまた見直す機会を設けることができて本当に良かったと思っています。子供の頃とも、少し大人になってから見た時ともまた違う視点や感覚を持って視聴することができました。大人が見ても、むしろ大人にこそ見て欲しい作品かもしれません。
実家に当時のアニメ雑誌の切り抜きがまだ置いてあるはずなので、救出してこようかと思っております。子供の頃に読んでもわからなかったスタッフの方のお話や演出の意味などが今ならよく理解できそうで…。
期間限定とは言え、無料で公開してくださって本当にありがとうございました。ノンストップで見ることができるので、物語の流れを味わいながら鑑賞できてますます作品の良さを感じることができたと思います。中だるみが全然ない作品でしたね。

もしこの長い長い感想文に最初から最後までお付き合いくださった方がいらしたら、心からありがとうございました。また機会がありましたら、この世界の片隅でこっそり開いているノートをめくってみていただければ嬉しいです。

前回の記事はこちら→

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主にフィギュアスケートの話題を熱く語り続けるブログ「うさぎパイナップル」をはてなブログにて更新しております。2016年9月より1000日間毎日更新しておりましたが、現在は週5、6回ペースで更新中。体験記やイベントレポート、マニアな趣味の話などは基本的にこちらに掲載する予定です。お気軽に遊びに来てくださいね。

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