つながり活動 〜緊急事態でつながる〜
コロナウイルス感染者数の急激な増加により、
介護の現場が、今まで以上にひっ迫し続けている。
この2年以上の間、感染予防を徹底しながら、
感染者が、利用者もしくは職員に1人でもでたら、
事業所を休業して、その度に保健所とやりとりを行い、
条件が満たされれば、再び開業するということを繰り返してきた。
私が所属する会社のデイサービスは、
この2年で3回、保健所とのやり取りのため、毎回2〜3日休業をすることがあった。
奇跡的に感染拡大はせず、早めの再開を進めることが出来たが、
今は、それとは確実に違うレベルで、感染拡大の影響を再び受け出している。
全国的に感染者数がトップクラスの地域だからというのもあるかもしれない。
この7月から、会社のある市の保健所の対応方針が、
変更になった。
通いの場であるデイサービスに関してだが(入所施設サービスは今まで通り)、
今までは1人でも感染者が出たら、保健所とやり取りをしていたが、
5人以上のクラスターの状況でなければ、
保健所とのやり取りは必要無くなったのだ(もちろん相談はできる)。
理由は、国の対応の基準が変更(緩和)されたことに伴う、
対応の一部変更とのことで、市から書面で通知が送られてきた。
おそらく、今回の感染拡大の勢いの違いから、保健所が機能しなくなる
ことへの対応(対応の範囲を減らす)であることと、この2年の経験から
各介護サービス事業所のコロナ感染予防対策についての対応力・判断力等
の向上も見込んでのことだろうと思う。
1人感染者が出ると、全員のサービスを止めないといけないということで、
利用する高齢者に必要なサービスが行き届かなくなることはもちろん、
開所できないことで事業所も経営面で大きな減収となり、
今回の基準の緩和により、
休まず営業できる可能性が高まったことは嬉しいことではあるが、
それ以上に、
職員、利用者が感染するスピードが早くなり、
例えば1日に職員が3人以上休む日が出てきたりして、
元々人手不足の業界なのに、
更に人手不足になる状況を毎日感じ、
その中でも営業を続けることになり、
結局、介護職員の疲労が益々積み重なったり、
サービスの質が低下したり、
サービスを縮小しなければいけない状況になったり、
感染者の急激な増加などで、結局休業に追い込まれたりと、
基準が緩和されたことによるデメリットの方が、
大きくなってしまうことが個人的には想像できる。
会社の判断が、より一層大事になる。
個人的には、今までで一番の緊急事態であると感じる。
医療現場は、もっとひっ迫していると想像するとゾッとしてしまう。
他の介護事業所の知り合いに数件、電話をしてみた。
やはり、どこも同じ状況になってきているとのこと。
職員が全員感染してしまい、
今、まさに休業の判断をした事業所も実際にある。
こういう時こそ助け合いの精神で、
応援しあう事業所同士の横の関係ができていたとしても、
それぞれの事業所が人員不足の深刻化で、
応援どころではなくなっている。
派遣会社に連絡しても、
「 どこからも同じ問い合わせがあり、もう人がいません 」との返事。
連絡を入れたすべての人が、同じ状況で苦しんでいた。
「 感染予防を再徹底しながら、閉めたり開けたりを繰り返していくしかないな 」
と、数ヶ月は続くであろう落ち着かない状況に落胆しながら、
お互いを励まし合い、電話を終えるしかなかった。
「 緊急事態でつながる 」。
苦しんでいる中でも、
「 一人暮らしの高齢者がサービスを受けられないことになるのは
絶対に避けないといけない 」
と、
たとえ休業したとしても、
感染していない職員を集めて、
食事や水分、排泄処理などに絞って、
サポートしていくことを続けると、
みんなが電話で言っていた。
どの事業所の長たちも、利用者の命を守ることを第一に考えている。
ここで挫けるわけにはいかない。
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