行く末
2024/1/13〜2024/1/14
時刻8:30。
私達は宿が手配するプチツアーに参加。
翌日。
ナスジャと私が宿で朝食を取っていると、またも感じる視線。
振り向くと、そこには同部屋の、あの中国人の若者だ。なんと18歳だという。
中国語と共に英語も話す。
タイのインターナショナルスクールに通う学生だそうだ。
台湾と中国の言語は共通部分が多いので、お互いに母国語で意思疎通できるらしい。
会話が弾みだしたので、内容を聞き取れない私は席を離れた。
ケンドラと別れ、再び席に戻った私にナスジャが問いかける。
「今日、この子と一緒に街を巡ろうと思うんだけど、どう?」
「彼、スマートフォンが壊れてインターネットが出来ないみたいだから…」
「うん、いいよ。もちろん」
ドミトリーの宿では珍しくない話だ。
彼はハキハキとした態度と英語で私達に御礼を伝え、それから3人でルクソールの街を歩くことに。
いやぁ、すごいなぁ
でもそろそろ
全部同じに見えてきたぞ…
そして、チケットを買って入場した敷地内にも鬱陶しい輩がウヨウヨ。
頼んでもいないのに勝手に案内し始め、チップを要求する者。
また、チップを渡さないと嫌がらせをする者。
これが施設職員だったりするから余計にタチが悪い。
人はともかく、神殿は確かに見応え十分。
満足した私達は、陽の沈みかけたルクソールの街をナイル川に沿って宿へと戻る。
「いやぁ~今日は良い日だった!ありがとう!」
ハリーと名乗る中国人の彼に私も
「こちらこそ、ありがとう」
と応える。
私とナスジャは明日、ルクソールからアスワンという街に移る。
なのでハリーとも今日でお別れだ。
「それでさ…」
ナスジャが少し戸惑った様子で私に声をかける。
「この子も一緒にアスワンに行きたいって言ってるんだけど…どう?」
えっ?
あぁ、なるほど…
そういう展開ですか
ナスジャは自分の子供ほどの年齢のハリーを放っておけない様だった。
若く見えるが、彼女は私よりも年上なのだ。
確かに、スマートフォンが壊れてインターネットもできず、おまけに中国系のクレジットカードも使えないとなれば、不便どころか危険もあり得る。
うん、いいよ
そう答えた私だが正直
『これは面倒な事になりそうだな』
そんな予感がした
単なる思い過ごしであれば良いのだが…
2023年3月から世界中を旅して周り、その時の出来事や感じた事を極力リアルタイムで綴っています。 なので今後どうなるかは私にもわかりません。 その様子を楽しんで頂けましたら幸いです。 サポートは旅の活動費にありがたく使用させて頂きます。 もし良ければ、宜しくお願いいたします。