一件の着信
2023/11/9〜2023/11/10
なんでこの街に来たの?
コンヤに来て7日目。
街人に何度か聞かれた言葉だ。
ルームメイトと話すと、周りも大体同じ事を聞かれているようで
「そうそう、それ聞かれるよね!」
と話題になる程だった。
コンヤの住民からすると意外なのだろう。
たしかに地味な街ではある。
実際、私もアンカラとエスキシェヒルを共にしたダイキ君から聞くまでは知らなかった。
だが観光に染まっていない街だからこそ、現地に住む人の暮らしが見えてくる。
それは時に、いや往々にして観光スポットの魅力を超えるのだ。
この日はスーパーへ買い出し、洗濯。
外を眺め、コーヒーを飲みつつnote執筆。
一見、わざわざ海外でする事ではない様に思えるが、そんな日常を通して現地の空気を感じる。
私にとっては、それが楽しいのである。
翌日。時刻11:00過ぎ。
路線バスに乗り、郊外にある公園へ。
走ること約40分、目的地に到着。
市民の憩いの場だ。
中年の男女が数人、商店の軒先で椅子に座り、紅茶を飲み談笑している。
私はその50円の紅茶を渋り、少し離れた先のベンチで佇む。
とても静かだ。
チュンチュンと小鳥のさえずりが少し寂れた公園に響き、そこに身を置くことで地元に溶け込んだ気になれる。
はずだったのだが、ミツバチがやたらと私の周りを飛んで落ち着かないので、早々に場所を離れた。
歩くこと20分強。
ここは世界各地の遺跡やキャラクターなどをミニチュアサイズで展示している。
どうやら子供向けのテーマパークみたいだ。
園内は本当にミニチュアサイズの建物が、軽く100以上は展示されている。
節操の無さは多少あるが、非常に贅沢だ。
もっと賑わっても良いものだが、この日は客がほとんどいなかった。
あまりメンテナンスされていない施設の様子が現状を表している。
開園から時が経ち、今は役目を終えかけているのかも知れない。
皮肉になってしまうが、そのおかげでゆっくりと楽しむ事ができた。
時刻15:00。
バスで宿に戻り、コーヒーで一息ついた頃、一件の着信が。
一昨日まで部屋を共にしたスペイン人男性からだ。
ヒッチハイクでトルコを周っている彼とは少し話し、連絡先を交換していた。
そのメッセージを開くと
一緒にヒッチハイクしない?
行き先は何処だって良い
もしかしたら
無料で泊めてくれる人だって見つかるかも
驚いた。
まさか、こんな展開が起きるなんて。
彼と私の日程には少しズレがあったが
「良い経験になるので」
と、私に合わせてくれるとの事。
急な話に一瞬戸惑ったが、私はその提案に乗ることにした。
もちろん、どうなるかはわからない。
自信があるわけでもない。
ただ、自分の勘を信じたのである。
かくして
私とスペイン人の彼はヒッチハイクで
次の目的地
カッパドキアを目指す事になった
出発は明後日
11月12日だ
2023年3月から世界中を旅して周り、その時の出来事や感じた事を極力リアルタイムで綴っています。 なので今後どうなるかは私にもわかりません。 その様子を楽しんで頂けましたら幸いです。 サポートは旅の活動費にありがたく使用させて頂きます。 もし良ければ、宜しくお願いいたします。