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【6】「あなたがいなくてもチームは勝つ」という事実を前にサポーターはどうすべきか

今埼スタに僕はいません。

2017年まで浦和を無心に追いかけていた現在休学中の23歳大学生です。

とても悩んでいるし、迷走中です。

僕より一足早く就職し、そこで直面した悩みをnoteに切実に記した浦和サポの友人に触発され、書くことにしました。

◾️浦和サポとしての生活

日韓W杯の前後のベッカムフィーバーに乗りマンチェスターユナイテッド好きのサッカー少年であった僕は、当時浦和ファンであった父に連れられ埼玉スタジアムに行くようになり、中学生になる頃には単独や友達を連れゴール裏に通うまでになります。大学生になると時間や金銭的余裕もでき、バイト代で中国やUAEへ海外遠征もしました。

浦和ゴール裏での野太い声に参加し選手をサポートしているという高揚感、海外では圧倒的アウェイでの「俺たちしか浦和の選手を後押しする者がいない」という半ば擬似的な責任感から来る楽しさを一心不乱に堪能してきました。

しかし2017年、自分にとっては一つの転機となるような出来事がありました。

クラブW杯の第1戦、ホスト国枠で出場のアルジャジーラ戦です。

ACL優勝に向けて自分事のように声援を送り、優勝の喜びもそこそこにさあレアルマドリーと戦うぞとサポーター仲間と共にUAEに乗り込んだ日々はついこの前のように鮮明に思い出すことができます。

意気揚々と臨んだ先は必ずしも望ましい結果ではありませんでした。

レアルマドリーとの対戦に進めず世界5位にとどまったアルアインでの浦和の姿。それを目にした僕の脳の奥深くまで刻み込まれたのはサポーターとして声やビジュアルに参加することでしかアクションを起こせない自分の無力さです。

その頃大学では就職活動の話が出始め、将来への身の振り方を考える時期と重なっていました。前述の無力感と相まってこの頃から浦和を追いかける自分の生活に対して疑問を感じるようになりました。

サポーターとしての生活を僕の何倍も過ごして来られた方には、何をたった1敗で大げさなと思われる方もいらっしゃると思います。しかし若い自分にとっては生き方までも揺さぶられるそれはそれはあまりにも大きな衝撃として感じてしまったのです。

◾️浦和サポを辞めてみたら

そして年を跨ぎ2018年、僕は大学を休学し同時に浦和の試合に足を運ぶこともやめます。楽しいことを仕事にするという茨の道を選択するとした時に、自分にとって一番楽しいことであるサッカーに対する自分の向き合い方を浦和以外からの視点から0から見つめ直すことが必要だと感じたためです。

元からバイトとして働いていた出版社で岩政氏、中村憲剛氏、清水英斗氏のようにサッカーを仕事になさっている方々にお話を伺う機会を頂いたり(自慢)、箕輪編集室で編集者としての生き方を垣間見てみたり、他Jチームのサポーターに混じってみたり。夏にはロシアW杯で代表サポーターというコミュニティを現地で初体験しました。

僕がフラフラしているその間、浦和は前半戦こそ苦戦したものの監督交代などにより天皇杯優勝、リーグ5位と持ち返していました。当たり前ですが僕がいなくても浦和は勝ちます。

今思い返してみると、以前の僕の浦和に対する姿勢は年を重ねていくうちに雰囲気に周りに流され週末になったらスタジアムに行くものだという半ば惰性的なものになっていたかもしれないと思うのです。

僕は浦和を応援することが楽しい人間ではなく、浦和を勝たせることが楽しい人間なのではないかと思い始めています。もしそうであるならサポーターとしてではなく現場の人間として働いたほうが理想的です。実現の可能性はここでは一旦置いておいて。

◾️浦和以外の世界

ここまで漠然と僕の浦和歴を語ってきましたが、ここで提言したいことは、あなたは流れでサポーター活動に邁進していないかということです。

特に若い間は様々な経験をしようと思えばできる世代と言われています。様々なアクティビティを経験した上で、やっぱり浦和レッズを応援してるのが一番楽しいと言えるのが理想的ではないかと思うのです。年長者の浦和サポーター方を見渡すと浦和以外の他の趣味を持っている人が多いという印象を僕は持っています。たまたま最初に触れた趣味だから身近だったから浦和が好きというのは紛れもない一つの事実だと思うのですが、その事実に対して人生のどこかの段階で一度挑戦してみてはどうかと思うのです。他の趣味に本気で飛び込んでみたら、浦和より楽しくて埼スタに行く回数が減ってしまったでもいいと思うのです。

人生は一度きりですし、あなたがいなくてもチームはなんだかんだ回っていくのですから。

あなたにとっての“浦和レッズ”とは何ですか?「人生そのもの」「生きがい」「生活の一部」そのように思う人もいれば、「ただの趣味」「ただのサッカーチーム」と言った考えの方もいるでしょう。

先述の友人「たく。」のnoteにある言葉ですが、僕はこれに対して今だに答えを見つけることができていません。好きであるのは確かですが、人生を捧げるほどのことであるかは僕にはまだ分かりません。

ただ一つ確かに言えるのは、僕のように流れに任せて惰性的にやっていた浦和サポーター全員が自分にとって”浦和レッズ”とは何かを明確に持ったとき、今以上に強固な集団になるだろうなということです。

リヴァプールの『You'll Never Walk Alone』に代表されるようにサポーターはチームにどこまでもついていくぞというような意味を持つチャントは世界に数多ありますが、そのようなメッセージを心から本気で歌える人間が多いサポーターが最強の集団と言えるのではないでしょうか。

私達は浦和レッズである。そう、浦和レッズです私達は浦和レッズのすべてを愛しています。 赤い少年達、私達はどんな時でも永久にあなた達のそばにいます。そう、最高のレッドダイアモンズ私達は、浦和レッズである。そう、浦和レッズです。どんな時も一緒に戦いましょう。私達はあなた達のために歌い続けますそう、最高のレッドダイアモンズ (下記のブログより引用)

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