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運動失調は小脳病変以外でも生じるのか?①~脳卒中後の障害部位との関連~

こんにちは、URA太郎です。
リハビリテーションの専門職として勤務をしています。
私達のリハビリテーションの対象となる疾患は、
脳卒中、大腿骨頸部骨折術後、廃用症候群等様々でその症状も様々です。
その中で、我々が対象とする疾患の中で【運動失調】という症状があります。
神経難病である脊髄小脳変性症のイメージもあるかと思いますが、
脳卒中後の後遺症の1つとしても生じます。

私は現在、大学院修士課程に在籍しながら
【脳卒中後の運動失調】をテーマに研究を行っています。
その中で、
論文を通して学んだ知識臨床場面との関連を整理したいと思い
noteにてアウトプットさせていただきたいと思います。
よろしくお願い致します。

まず始めに、
Bastian AJ(1997)運動失調について下記のように述べています。
「運動失調はギリシャ語で「無秩序」を意味する。
もともと失調という言葉は多くの異なる医療に適用された一般的な用語であったが、歩行、運動の障害である「運動失調」が現在使用されています。
より具体的には、感覚または小脳系の損傷による動きの協調不全を意味する。」

前庭性、感覚性等様々な種類の運動失調が生じますが、
その理由として前述の論文では、
Bastianは「末梢神経 , 脊髄背側神経根、脳幹、感覚受容部、視床の領域、
時には大脳皮質である頭頂部の領域、
これらの構造のいずれかが損傷すると運動失調が病変の位置に限らず出現する」
と述べています。

臨床の場面に関しても、実際に小脳病変ではなく、
麻痺や感覚障害があるわけでもないが、
なんとなく歩行が不安定で転倒の危険性が高い。
歩行を自立へと変更して良いのか迷う。
という場面を経験することがあります。

その際には、運動失調に伴うバランス・歩行障害の可能も視野に入れることで理学療法評価や治療の内容が変わってくるかと思います。

今回もご覧いただきありがとうございました。
次回は病変部位に関する比較を行った論文の内容を参考にシェアさせていただきたいと思います。
よろしくお願い致します。

それでは、良い週末を。

参考文献
1) Bastian AJ: Mechanisms of ataxia. Phys Ther. 1997(77):672-675

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