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2020年5月の記事一覧

「レ・ミゼラブル」を見て

「レ・ミゼラブル」を見て

ああ、無情。ようやく「レ・ミゼラブル」を最終回まで見終わったものの、ずっと重苦しい気分が続いていた。人間とは、とてもちっぽけな存在である。そして、とても不可思議だ。一般的にミニシリーズと呼ばれているBBC版だが、全部で約六時間という堂々たるヴォリュームがあり、それでいて全くダレるところがない丁寧な作りで相当に密度が濃い。逆に、これだけのスケールで様々な人々が入り乱れる物語を、よくぞこれまで一本の映

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「マルクス・ガブリエル NY思索ドキュメント」を見て

「マルクス・ガブリエル NY思索ドキュメント」を見て

19年初冬、ニューヨーク。おしゃべりしたり散策しているうちに図らずもなのか思索が深まりあらためて日本という摩訶不思議な存在(前近代性をあちこちに残存させている日本型(偽)近代システム/翻訳大国)にぶち当たるガブリエル。ほんの少し前まで慢性的な交通渋滞を起こし地下鉄の駅にも溢れかえりタイムズスクエアを埋め尽くしていた群衆(畜群)は、今はもう影も形もない。時代は変わった(のか)。あたかも時限爆弾のよう

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手洗いの話

手洗いの話

たぶん、みなさんもそうだと思われます。今やどこを探してもマスクもアルコール消毒液も売っているところがない。それならば、とりあえずうがいと手洗いぐらいは(効果を信じて)いつも以上にしておこうかなという気分にはなっていないだろうか。それで、毎日のように手を洗う際に心の中で自分に対してハッピーバースデイの歌をきっちり二回繰り返して歌っていたりする。で、それが毎日毎日続いて何回も何回も繰り返されているうち

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「都市を耕す」を見て

「都市を耕す」を見て

現在、このフィルムは期間限定でユーチューブにて無料公開されている。いまこのときになぜそのような試みがなされているかは、各人がそれぞれに考えなくてはならないところであろう。風向きは大きく変わってきているのではないか。これは15年に発表された作品である(もちろん、撮影されたのはそれよりももっと前だ)。本来、アメリカ人というのはこういった人たちのことではなかっただろうか。子供の頃そして学生の頃、再放送も

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