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その鎧、重たくない?武装解除のすゝめ。

年齢を重ねると、着ている鎧が重たくなってくる。
そして、そもそもこの鎧は何のために着ているのか?という疑問にたどり着くかもしれない。

鎧を付けたまま眠っていませんか?

特に更年期を迎える女性の患者さんに多いのだけれど、交感神経が過剰に興奮していて、力を抜くことができない。呼吸することすら忘れている。
たぶん、眠っているときも、こんな感じなんだろうなぁ…

良い眠りのためには、交感神経と副交感神経のスイッチが上手く切り替わることが大切。スイッチが副交感神経に切り替わることによって、寝ている間に身体や心の疲労の回復やダメージの修復が行われる。
…のだけれど、交感神経が興奮したまま眠りについてしまっている人が多いように感じる。

鎧を付けたまま眠ってしまっている。
それじゃ、回復も修復も望めない。
鎧はいつだって重たくて、息苦しい。

武装して駆け抜けてきたら、その鎧に押しつぶされそうになる。

自分も近い世代として思うのは…
就職するときは、前の世代の先輩たちのおかげで、女性の社会進出基盤がある程度でき上っていて、特に自分で何か頑張るでもなく、当たり前にその建設途中の道を歩いた。
でも、その道は今ほど整理されていなくて、受け入れる方も受け入れられる方も、まだまだ手探り。
テレビドラマを見れば、バリバリ会社で働いて、キャリアを積んで、うっとりするような恋愛をして…社会の中でこれでもか?というくらいにかっこよくキラキラしている女優さんの姿が映っているけれど、身近にはまだそんなに多くはなく、どちらかというと何となく空回りしている。
子供が生まれた時は、今ほど育児休暇などの待遇も厚くないし、制度があっても上手な使い方がわからない。長期間休んでいる間に自分のポストが奪われてしまうんじゃないかという恐怖もある。しかも、まだそんなに育メン文化も育っていないから、家事も育児も比重が重かったりする。

そんな中、とりあえず舐められちゃいけない、負けちゃいけない、とどんどん鎧や武器を集めて、それを身に着けてながら駆け抜けてきた。

そして、年を重ねて、気力も体力も穏やかになってきたとき、自分が身に着けている、too muchな鎧や武器に押しつぶされそうになる。

そろそろ武装解除してみてはいかがでしょうか?

これは、もちろん男女問わず。
「舐められたくない」「負けたくない」って、何に?
「舐められちゃダメ」「負けちゃダメ」って、何が?
本当はその答えに気づいているのに、認められず突き進んでいる方々へ。

そろそろ武装解除してみてはいかがでしょうか?

もう、あなたを攻撃してくるものも少なくなったし、もし攻撃を受けたとしても、それをしなやかに対応できる柔軟さと知恵を長いキャリアの中で身に着けてきた。
それに、誰だって、目の前に武装した人間(特に上司や先輩)が現れたら、自分も攻撃態勢に入るか逃げるかのどちらかになってしまうことにも気づいているはず。

あなたを守って助けてくれた鎧や武器もだいぶ傷だらけになってきている。そろそろ「お疲れ様」と言って、土に返してあげてもいいのでは?

「あなたは会社員としてのキャリアを放棄しまっているから、そんなのんきなことを言えるんだ」と言われればその通りかもしれない。
でも、仕事柄、身体の声も心の声も、他の仕事をしている人よりたくさん聞いていると自負している。
そんな私の独り言として。

もう、この鎧は重たいよ、と身体と心が言っている。
鎧が重くて力が抜けないよ、呼吸ができないよ。
どうか、その声を聴いてあげてください。

あなたが鎧を脱いだら、あなただけでなく、周りも力が抜けて、呼吸が楽になるかもしれない。

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