雑念は湧いてもいい、マインドフルネスを理解する (わかりやすく解説💡)
こんばんは、Upmind代表の箕浦です。
(心に余白をもつことを習慣化するマインドフルネスアプリUpmindを開発・運営しています)
”マインドフルネス”という言葉を耳にする機会も多くなったかと思います。
この記事を読んでくださっている方は、少しでも”マインドフルネス”という言葉を聞いたことがあって記事を開いてくれているのではないでしょうか。
分かりやすく解説していければと思います。
例えば、マインドフルネス瞑想って、無心になる事だと思ってませんか?違うんです。いくら雑念が湧いてもいいんです。
仏教における瞑想とは異なり、現代の脳のトレーニング法として生み出されたのがマインドフルネス瞑想となります。宗教の要素を一切廃して、誰でも実践できやすいものとなっています、特別な修行は必要ありません。
習慣に取り入れることのできる気がしてきませんか?一緒にこの記事で学んでいきましょう😌
マインドフルネスとは
今日、幸せだったことは何ですか?
少し考えてみてください。パッと出てくるでしょうか。
”朝飲んだコーヒーが美味しかった”、”晴れていて太陽が気持ちよかった”、など
ちゃんと心に余白をもって、今この瞬間に意識を向けていれば気づくことも
過去のことを考えていたり、未来に追われていると、気づかなくなってしまいます。
毎朝、コーヒーを買っているにもかかわらず、仕事のことを考えていて、
結局、味を覚えていない、ただカフェインを摂取しただけ、ということにはなっていないでしょうか。
同じコーヒーでも、味わい深さを感じたり、温かさにほっとする。飲んでいるときに、意識を向けれるかだけで、感じ方が全く異なります。
普段の何気ないことでも、意味があって行動しているはずです。ここに気づけるかどうか、これがマインドフルネスなのです。
マインドフルネスとは、”今この瞬間に意識を向けることによって得られる気づき”、と定義されます。
私たちは、過去に起きたことの後悔や、未来に起きることの心配を(実際に起きることはほとんどない)よくしていて、現在起きていることが人生の全てであるにもかかわらず、”今この瞬間”に生きていない、当たり前のことが出来ていないのです。
現在をマインドフルに(”意識をもって”)観察することで、ささいな幸せや変化に気づくことができるようになります。
この気づきを得られている状態のことをマインドフルネスと表現するのです(ネスは、英語で”〜の状態”という意味ですよね)。
マインドフルネスと瞑想は同じものとしてよく紹介されますが、
マインドフルネスとは考えで、瞑想は実践するための方法であって、実は違います💡
瞑想には色々種類があるのですが、”今この瞬間に意識を向ける”ことに重きをおいたものを、マインドフルネス瞑想と呼んでいます。
瞑想は、2600年前に仏教からはじまったものですが、”今この瞬間に意識を向ける”ことを目的として、マインドフルネス瞑想は、宗教の要素を一切廃して、仏教の瞑想とは異なるものとして、生み出されました。どう生み出されたのかは、次の章で解説していきますね。
マインドフルネス瞑想の歴史
どう生まれたのか
歴史を辿ると、瞑想は約5000年も前から実践されていたという記録が残っていますが(インダス文明のモヘンジョダロ遺跡の出土品で瞑想の像が発見)、広めたのは仏教の開祖であるブッダだと言われています(2600年前)。
ブッダは悟りを開く(世の中のあらゆる苦しみ・煩悩から囚われない心をもつ)ために瞑想をし、悟りを開くための重要な8つの要素の一つとしてマインドフルネス(正念、あるがままに今の心に気づくこと)を提唱しました。
時代が経ち、1965年頃からマインドフルネスの考えが西洋に伝わりはじめ、1970年代後半には、アメリカの研究者がマインドフルネスの研究を開始しまし、宗教の要素を一切廃して、上記のマインドフルネスの要素のみを誰でも実践できるよう、マインドフルネス瞑想を体系化。その後、脳科学的なさまざまな効果も認められ、NBAのチームで実践されたり、Google・Facebookなどアメリカの大手企業にも研修として導入されるなど、世の中に広まっていきました。
禅との違い
座禅もマインドフルネス瞑想と同じだと認識されることが多いですが異なります。
座禅は、大乗仏教(仏教は大きく上座部仏教と大乗仏教で分かれる。上座部仏教が修行で悟りを開いたものだけ救われるという考えに対して、大乗仏教は出家しなくても仏教の教えを守れば誰でも救われるという考え)の一宗派の禅宗で、実践されている瞑想法です。
座禅は、集中して無心になり、自身の存在を捨て去る感覚が求められます。
対して、マインドフルネス瞑想は、仏教が起源であるものの、宗教の要素はなく(例えば、修行や神に祈る必要もない)、無心になる必要はありません。
大切なのは、今この瞬間起きていることを、ありのままに良い悪いの判断をすることなく観察して、気づくことです。
マインドフルネス瞑想は、座禅や悟りを開くことと混同され難しいとのイメージが持たれやすいのですが、そんなことはないのです。
マインドフルネスがどうして今着目されているのか
科学的な効果
大きい理由としては、1970年代後半から、アメリカの研究者がマインドフルネスの研究を開始し、脳科学的な効果が認められてきたことにあります。
マサチューセッツ工科大学医学部の名誉教授であるジョン・カバットジン(Jon Kabat-Zinn)博士がストレス低減(慢性的な痛みも軽減される)にマインドフルネス瞑想が有効であると実証したことが大きな契機となり、より多くの研究者が効果について研究するようになりました。
今では、下記のような研究機関も設立され、研究されています。
スタンフォード大学;The Center for Compassion and Altruism Research and Education
カリフォルニア大学:UCLA Mindful Awareness Research Center
ブラウン大学;Mindfulness Center など
様々な効果が実証されていますが、Upmindとしては大きな効果は下記の2つだと考えています。
主な効果1 : 脳を休める(心の休息)
瞑想を実践すると、デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)が休まる。
意識が今ここにない状態、無意識にあれこれ考えている状態でも、脳のデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)という部分が働き、脳のエネルギーの60~80%が消費されています。マインドフルネス瞑想によってDMNを静めることができます。マインドフルネス瞑想のあとに、頭がスッキリした感覚がするのは、DMNを静めて、脳が休まっているからです😌
主な効果2 : 脳の機能を強める(心のトレーニング)
瞑想を実践すると、扁桃体や海馬など脳の構造が変わり、ストレス環境にも対応できる心に。
不安、緊張、恐怖を感じる際に、ストレス反応を起こす司令塔となる扁桃体が、活性化が抑制されるようになります。また、感情を調節する機能を持つ、海馬の灰白質の密度が上がり、ストレスや感情が抑制されやすく、感情が安定しやすくなるなど、定期的な瞑想の実践で脳の構造が変わることが近年の研究で分かってきました(ハーバード大学の研究結果)🧠
その他にも、集中力・EQや睡眠の質の向上などいろいろあるようですが、具体的な実際の研究結果などについてはまた別のnoteでご紹介していきますね。
科学的にも研究されていて、宗教色も一才廃している。ここまででマインドフルネスのイメージが変わってきましたでしょうか?
マインドフルネスは人類を前進させる
産業革命以降の資本主義や、デジタル化による情報過多で、物質的な豊さと引き換えに、お金や情報の誘惑が多く、人生で大切にしたいことに時間を費やすのが困難になってきています。
そのような時代の中で、心に余白をもつことのできるマインドフルネスは、人類を前進させる考えであるとして、米国や欧州では、今ブームとなっています。
(アメリカでは、影響力のある雑誌「TIME」が、2014年にマインドフルネス特集を組み、大きな話題となりました)
今後、多くの先進国で人口増加が止まり、高齢化が進んでいきます。それとともに労働人口減少が進み、経済成長はなかなか難しい時代がくると予期されます。
(日本ではすでに、この30年間の平均の年間GDP成長率は1%未満と低成長、2008年をピークに人口も減少し続けていますよね)
世界全体としても遠い話に聞こえるかもしれませんが、2100年をピークに人口は減少していくと予測されています。
世界的に、経済成長が過去と同様に見込めなくなる中で、限られた資源をめぐって争わず、物質的な豊かさではなく、どうやって幸せを感じて生きていくのか。
マインドフルネスは、そんな未来でも、幸せを感じて、国境や人種間での争いなく平和に生きていくために大切な、”人類を前進させる”考えなのです。
日本では、米国や欧州と比べて、瞑想そのものに対する宗教的なイメージ・抵抗感が強く、マインドフルネス瞑想はまだ普及していないですが、サウナが近年ブームとなっているように、瞑想ではない形で、マインドフルネスは浸透してきているかと考えています(スマホを脱衣所に置き、サウナ・水風呂での時間は、強制的にマインドフルネスになる時間だとも言えます)。
日本は、現在、GDPが世界3位の経済大国で、平均寿命も男女ともに世界3位以内で、健康に長生きできるにもかかわらず、国連が発表の世界幸福度ランキングでは54位(2022年)。経済的に将来を悲観するだけでなく、今ある環境への幸せにもより気づけるといいのかなと思います。
日本でも、マインドフルネス瞑想に対する抵抗感をなくし、マインドフルネスがかっこいい現代のライフスタイルとして浸透するようになればいいなと思います。
どうやって実践するのか
基本的なやり方
安心してください。自身が呼吸をしやすく、心地の良い姿勢であればなんでも大丈夫です。
無心になる必要はありません。雑念が湧いても大丈夫。呼吸の感覚に意識を向けていても、考えが湧いてきたら、良い悪いの判断をすることなく考えをありのままに観察していきましょう。考えが落ち着いてきたら、また呼吸に感覚を戻す。その繰り返しで、次第に考えも落ち着いてきます。
最初は難しいと思いますので、瞑想の音声ガイドなどを聞いて練習していきましょう。
こちらの瞑想の音声ガイドをもし宜しければお試しにどうぞ。
Upmindアプリでは、声の質やトーン、間にこだわりをもって実践しやすい瞑想の音声ガイドを多数搭載しております。”マインドフルネス瞑想をはじめるならUpmind”と自負しているくらい初心者の方でも取り組みやすいよう、こだわりをもって作っていますので、もし宜しければ、毎日の実践にお試しください😌 25万ダウンロード超、国内最大のマインドフルネスアプリとなります。
おすすめの頻度
筋トレも継続していかないと効果が出ないのと同様に、マインドフルネス瞑想も継続していくことが大切です。
15分以上のマインドフルネス瞑想を週に4回以上おこなうことがおすすめですが、まずは自身が続くペースではじめてみましょう。一日に1分からはじめても大丈夫。
何か習慣化する時には、最初から大きな目標を立てるのではなく、小さなゴールを決めて、段々と習慣化していくのがおすすめです。
Upmindアプリでは、1分から30分まで様々な長さの瞑想の音声ガイドを搭載していますので、自身のペースに合わせて習慣化してみてください。
どうすれば深めることができるのか
どうすれば今この瞬間に集中している感覚が深まるのか。
マインドフルネス瞑想では、集中できない時でも、集中できていないなと気づくこともマインドフルネスな状態であるので、集中できるかによって良い悪いはないのですが、より集中が深まる方法を最後に伝えますね。
二つあるかと考えています。
まずは、今生きているこの瞬間をかけがえのない時間だと感じること。3年後には亡くなっているかもしれない、明日亡くなっているかもしれない、と想像してみてください。今この瞬間が尊い時間だと感じ、より今この瞬間に集中できるようになります。
もう一つは、先人たちへの感謝を感じること。今こうして生きていることができているのは、先人たちが築き上げてきた文明、繋いできた命のおかげで、私たちが生きています。その感謝を感じながら呼吸することで、より今この瞬間への感謝が深まり、集中できるようになります。
最後に
マインドフルネスは、実践していくことに意味があります。毎日1,2分でもいいので、心に余白をもつ習慣をはじめていきませんか?心に余白をもつことができると、きっと人生がより豊かに感じるはずです😌
今回も少し長くなってしまいましたが、ご一読いただき有難うございました。
この記事を楽しんでくれた方、あるいは今後の発信が楽しみ、応援したいという方がいれば是非このnoteをシェアもしくはLike&フォローいただけると励みとなります🌿
皆さんで一緒に、日本でもマインドフルネスをかっこいいライフスタイルとして広めていけますと大変嬉しいです。
また、このような方々は、ぜひお声がけいただけますと大変嬉しいです👇
今後とも引き続きUpmindをどうぞ宜しくお願い致します。
P.S. 余談
今日、幸せだなと思ったことをシェアすると、自宅付近のコンビニで、ネパール人の店員さんと話していたら、彼がブッダの故郷出身だと分かり、ちょうど今回のnoteを書いていたので、偶然にしあわせな気持ちになりました。
他にも久しぶりに会った友達が元気そうだっととか、ささいな幸せって日常の中で色々転がっていますよね。色んな幸せ見つけていきましょうね😌
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代表取締役(箕浦 慶)
2015年に東京大学工学部を卒業、チームラボに入社。2016年までスマートフォンアプリのエンジニアとして開発業務に従事。2017年に米Bain&Company(戦略コンサルティングファーム、東京支社)に転職し、経営戦略の立案に従事。2021年にUpmind株式会社を設立。瞑想歴はゴア(インド)で体験してから10年以上。
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