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第29回「音が見える、音を感じる競技会場の実現」

UPGRADE with TOKYO 第29回(テーマ「音が見える、音を感じる競技会場の実現」)を開催しました

東京都が抱えるさまざまな課題の解決に向け、これまでにない製品・サービスをスタートアップ企業が紹介するピッチイベント「UPGRADE with TOKYO」が開催されました。第29回目となる今回のテーマは「音が見える、音を感じる競技会場の実現」。音声認識による文字変換や音の振動を体に直接伝える技術を有した企業など5社がピッチに臨み、会場内のセンサーから取得した競技や声援などの音をオノマトペに変換してディスプレイ等へ表示するシステムを開発する、株式会社方角が優勝しました。

2025年に開催されるデフリンピック東京大会に向けて

国内外から多くのデフアスリートや関係者、観客が参加する国際的なスポーツイベントであるデフリンピックが、2025年に東京で開催されることを契機に、都は、いつでも、どこでも、誰とでもつながるユニバーサルコミュニケーションを促進し、「全ての人が輝くインクルーシブな街・東京」の実現に貢献していきます。そのためには、この大会で、ユニバーサルコミュニケーションを多くの人が体感、共生社会を実感できるようにすることが重要です。
そこで、本ピッチにおいては、競技会場内のビジョン、デジタルサイネージや、観客等のスマートフォンなどを活用し、聴覚障害者や耳の聞こえにくい方も含め、あらゆる人が音を感じ、スポーツ観戦をより楽しむことができる製品・サービスを募集しました。

■優勝社:エントリーNo.4 株式会社方角
試合中のその場の雰囲気・応援をリアルタイムに可視化するオノマトペ表示システム

優勝した方角の雰囲気・応援可視化システムは、会場内の卓球台等に設置したセンサーから取得した音声情報と、カメラで撮影した映像情報を組み合わせて分析し、競技中に発生するボールやシューズ、拍手・歓声等に応じたオノマトペをスクリーンやスマホなどの画面に表示します。
これにより、従来耳の聞こえづらい人には伝わりづらかった競技の迫力や臨場感、試合展開等を可視化し、誰もが観戦・応援を楽しむことができる競技会場を実現するのが目的です。
会場の観客だけでなく、ウェブ配信等で観戦している会場外の視聴者に対しても、白熱した試合模様や現地の盛り上がりをよりリアルな形で伝えるという側面もあります。

本ピッチにおいては、2025年のデフリンピック会場において実装できるか、大会運営や我が国のユニバーサルコミュニケーションの推進においてインパクトがあるか、という点が特に重視され、方角社の提案は技術的に優れ、日本のアニメ文化を広く世界に発信できることに加え、大会における活用シーンが明確であり、高い実現性を有しているという点が、優勝の決め手となりました。

■審査委員特別賞:エントリーNo.2 Hapbeat合同会社
観客が装着したネックレス型デバイスから会場内の音を振動として伝える

また、本ピッチではHapbeat合同会社が審査委員特別賞に選ばれました。
社名にもなっているネックレス型振動デバイス「Hapbeat」は、競技の音や衝撃、歓声・拍手をマイクとセンサーから取得し、観客の首元で振動としてそれらを再現することで、耳の聞こえづらい人にも競技ならではの体験を提供することを目指した製品です。
音声をテキストで表示する場合、耳の聞こえづらい人はそれに気づいたうえで、競技シーンから一度スクリーン等へと視線を移す必要がありますが、「Hapbeat」を通じて音を「触覚」で感じることで、あくまで受動的に情報を取得できるうえ、視線を動かさずとも会場の競技を集中して観戦することができる、という利点があります。

■エントリーNo.1 株式会社m-Lab
会場の盛り上がりをメタバース空間にアニメーションで表現し、声援を視覚化する

株式会社m-Labが提案したのは、会場のカメラで撮影した映像から観客の表情をAIで分析し、メタバース空間上の競技会場にてアニメーションを用いて盛り上がりを可視化するというサービスです。観客の嬉しい・悔しいといった表情の変化をアバターとリアルに連動させ、会場内外の観客の一体感を演出します。

■エントリーNo.3 株式会社comipro
AIが観客の感情を解析し、プロジェクションマッピング等で可視化することで選手に応援を届ける

株式会社comiproは、観客の表情をカメラで撮影し、ポジティブな感情の高まりに応じて、その声援をプロジェクションマッピング等で会場各地に表示し、「頑張れ!」や「やったー!」という声を選手に届けるサービスを提案しました。単にテキスト化するだけでなく、様々なエフェクトや言語を用いて世界各国の選手への応援を実現します。

■エントリーNo.5 株式会社Spacial
音声情報を文字に変換するARグラスを用いて、ユニバーサルコミュニケーションを実現する

株式会社Spacialの提案は、「見える補聴器」と題して、リアルタイムに会話を字幕表示してくれるARグラスを用いたアナウンス実況の可視化、通訳補助を行うソリューションです。自身のスマホを装着したり、スマートグラス等を用いて、耳の聞こえづらい人への音声の文字化サービスや、異なる言語話者同士の通訳ツールとして、ユニバーサルコミュニケーションに貢献します。

2025年のデフリンピック東京大会を契機にユニバーサルコミュニケーションを促進することで、誰もが同じように競技・観戦を楽しめる「全ての人が輝くインクルーシブな街・東京」の実現を目指し、様々な取り組みを行っていきます。

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