【私の読書記録】#2 私語と/尾崎世界観
私、クリープハイプの曲をほとんど聴いたことがないんです。
そう言うと何故この作品を手に取ったのだろうと疑問に感じる人もいるかと思います。
表紙はとてもシンプル。
ただ、帯の存在感に引き寄せられるようにして作品を手に取りました。
帯、すごいですよ。
帯のネタバレをしないように、なんて少し変かもしれませんが、内容がわからないようにして写真を載せますね
作品の内容は、ただひたすらに紡がれる“言葉”
歌詞が歌詞としての輝きを増すのは、言葉が音に乗る時だと思います。
クリープハイプの曲を聴いたことがない私にとって、この作品は「歌詞集」よりも「詩集」と表現した方がしっくりくるような感じがします。
作品を読んでいる途中で、クリープハイプの曲を聴こうか、とても迷いました。
でも、読み終えるまでは我慢しました。
音に乗った言葉を聴くのと、音に乗った言葉を知らないまま言葉を目で追うのは、きっと何処か違う気がしたのです。
私は今、YouTubeにある2分ほどのムービーで『喋る』を聴きながらこの文章を書いています。
サブスクにないんです、この曲。探しまくって、無くて、調べたけれども手元に来ることはなさそうで、少ししょんぼりしています…
こんなに素直な言葉があるでしょうか。
複雑な言葉で作られた歌詞があるなかで、とても率直な言葉が愛おしくて、なんだか無性に何かを抱きしめたくなるような気持ちになりました。
今度は音楽を聴きながら、”歌詞集“として『私語と』を読んでいきたいと思います。
クリープハイプ、尾崎世界観さんの紡ぐ言葉が好きな方はもちろんですが、クリープハイプの音楽、尾崎世界観さんの言葉に触れたことがない方も、彼らに惹き込まれる、そんな作品でした。
きっと私はこの作品に出会わなければ、彼らの音楽を聴くことがなかったかもしれません。
書店で音楽と出会うという、少し可笑しな経験。
そんな違和と、不思議と、温かさのある経験があっても良いと思うのです。
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