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岡田泰紀
2023年12月30日 21:18
大切なものが二つあったとしてそれを選べないのは覚悟が足りないことだろうか大切なものが二つある人生はきみにいわれるほど代わりばえのない怠惰だろうかそれは自分自身が一番わかっている深い霧が立ち込めるように感情は森の中に影をおとしどうどうめぐりなのだろうか浅い眠りに気持ちは縛られたまま目の前のカードを引けずに去るのだろうかそれは自分自身ですらもうわからない
2023年12月16日 17:11
希をもつことはいけないことだと思っていた夢をみるのはおろかなことだと信じていた気後ればかりして 何も言えなかっただれかを好きになるのは恥ずかしいことだったともだちがなんなのかずっとわからなかったそれが普通だった 普通は苦しかっただから 「王様の耳はロバの耳」みたいに希と夢を書いて 匣にしまって埋めたんだ人は誰とも話さないと言葉が消えてしまう人は誰かと一緒にいないと消えて
2023年3月25日 21:06
やりたいこと やれない現実望むこと 望みの外側絡み付く 日々の生計(たつき)微睡みと 覚醒とざわめきながら走り抜く後悔なら先に済ませて長く伸びる影を追って足跡すら残りはしない墜ちていく 見えない深み溺れてく 暗い湖掴まれる 両の脚不自由と 不在と伝わらない言葉の残像眩惑できない視界から感情も曖昧なままに行方すらもうわからない引きずり込まれるままに確かなもの
2023年2月18日 12:39
気持ちを言葉に換えて気持ちを言葉に乗せてそれが届く前に墜ちてしまってもどうかそれを繰り返して繋がりは心を充たし繋がりは影を射す長く延びていく影の向こう側に誰かがじっと待っているたぐりよせる想いが描く世界を見つめるために果たせない想いが溢れていびつになるならでも 月が欠けていても誰も不満は抱かないだから、どうかそのままでいて満ちていても欠けていてもあるがままに
2022年11月21日 21:22
過去は鮮やかであって欲しいそしてとっとと忘れて欲しい記憶は宿主を探し宿主は記憶に依存するわたしは眩しくなんかないし迷ったって構いはしない過去は鮮やかなふりをしながら素知らぬ顔をして未来を欺むく記憶は宿主を捕食して宿主は記憶を改竄するわたしはすでに純ではないけど偽るような自我など要らない記憶は宿主を擬態して宿主は記憶に融けていくわたしはきっと間違い続けるあ
2022年9月11日 11:14
片付けられない有象無象を無かったことのように仕舞ってそもそも片付けられるとすら思ってもいないくせ匣を開けてまた仕舞ってとっちらかったままに生きる君は楽しいのかななら良かったそれならいいんだ僕かい?そんなことを聞いても面白くなんかないよ面白いことが何かもわかんなくてまた匣を覗いてみるけどわかってるんだそんなことわかりっこないってだからね秘密なんだよ
2022年8月15日 21:05
思い出の中で生きるのなら追憶の日々が美しいならあなたがそれを望むのならそれは光だ光はすべて善だと神は言ったと聞いた思い出が永遠であるなら追憶が色褪せないならあなたがそれでよければ昨日に生きていける時間を止めたままにあなたさえよければあなたがそれを望むならそれであなたが傷付かないのならいや傷付いてもかまわないのなら
2022年7月28日 22:48
一つ 一つしかないその出口に君みたいな人が群がっている両手で目をふさぎ見ないふりをして指の間からそれを眺めていた喉がカラカラに渇いて聴こえない音が聴こえてくる女たちが奪いにやってきた不幸はきっと 彼女たちを肥らせる笑う犬乗った僧侶が説教していると赤い雪がこの道を覆った海がこんな風に冷たい日は静かに人生が終わるといいなと思うでも満ちてくその瞬間が地獄のように苦しい海が
2022年7月11日 17:18
この世界では誰もが傷付いているあいつもこいつも おれもおまえもだから、キスをしようじゃないかおまえは恋に墜ちればいいこのおれとこの世界はみんなくそったれだあいつもこいつも おれもおまえもだからキスをして忘れようおまえは恋に墜ちるんだこのおれとあんたのことなんか知らないのにってそんな顔してるよおまえは大丈夫さ うまくいかなかったら思い出を消せる消ゴムをやるからおれのこ
2022年7月4日 22:14
書けない物書きは翼のない鳥書けない物書きは溺れる魚そんな詩的なものでなく単なる私的という間抜け書けない自分に罪悪感を覚えるほどのうぶな自尊心などありはしない焦れろ 愚か者やけつくよくな気持ちのままに排水溝に流すがいい
2022年6月25日 22:44
誰に話すでもなく自分を慰めるでもなく止しとけばいいものを虫の羽音のような声で誰に?本当は人に言えないような気持ちを抱えている抱えて生き延びろ気持ちだけを気持ちだけならすべてお前のもの誰に話すでもなく自分を慰めるでもなく止しとけばいいものを虫の羽音のような声できこえないきこえないふり死んだ死んだふり
2022年5月28日 23:26
少年が疲れた瞳で少女を眺め怠惰な一日の終わりを想う少女の曖昧な気持ちは手探りで自分が小さく見えると微笑んでも月日は凍りつくように速く君たちが目眩を覚えるその若さは何ものをも償うことができない二人して歩く乾いた秋の山道なのに君には独りだけの心持ちしかない何ができるというのか?君が彼女の裡まで届かなくてもそれは恥ずべきことじゃないんだ薄汚れたクーペのサイドシート幾つもの
2022年5月26日 17:48
好きにすればいい、わたしをあなたが思うように女が女を買う 男が買うよりましではないか女はお前らが思うほど耐久できない。欲望は隠そうとするくせ欲望のままに買おうとするお前らと女は違う好きなだけ買えわたしを好きなように抱けばいい女は同性に肌を重ねて同性に唇を重ねてわたしは生きている女に身体を提供して生計(たつき)を為していく「おかえりなさい」と言った時笑みが零れ
2022年5月9日 22:47
彼を語りたがっている有象無象がその家の前で「愛」を待ってるけど彼はそんな期待を必要としないし歌の報酬を捨てたい気分らしい昨日言っていたことは嘘に変わりやっぱり彼は歌を歌い出した好きにやってるのは気分の問題でぼくらは涎を垂らして見てるだけ家の前の坂道を上がっていく 録音機を隠して家の前の坂道を登っていく 君にあいさつがしたいとうそぶき家の前の坂道を上がっていく "評価"を花