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2024年5月6日 必要な対価は払うべし

最近、
「得をした」とか「タダでもらえた」ということに
以前より警戒するようにしています。
「得である」ということはとても良いことですが、その得が、どの文脈で、もしくはどの時間軸で、そして誰にとってのものなのかをもう少し意識的にする方がよい時期に来ている気がするのです。
「何かを安く買う・安くもらう」「無料でサービスを受ける」「人の善意にただ乗りする」など、表現方法は色々ありますが、
それらの行動が、本当に得なのだろうか?ということが、最近気になってきました。
「得する行動を絶対選ばない」というほど潔くはありません。
ただ、以前ほど、無邪気に喜べなくなってきた気がするのです。
「適切な価格を提示してほしい」とか、
「もう少し値段を上げても良いのではないか」とか、
「これで生活できているのだろうか」と心配になることが増えてきました。

例えば、ネットショッピングの「送料無料」です。
「送料無料」になる金額まで買い物をしてしまっては本末転倒ですし、
「送料無料」とあっても、実質は、誰かの労働によって運ばれているわけです。
一瞬出会うか、出会いすらしない誰かの労働まで、気にするなんて、おかしなことでしょうか。
でも、その誰かにも人生があるわけです。さらには、その誰かにも家族や親族、あるいは友人がいるでしょう。
労働に見合った対価が払われていて、「送料無料」なら良いのですが、
そんな都合がいい現実ではないはずです。
労働に見合っていない対価は人間を病ませることが多いのです。
心身ともに病むということは、個人の問題だけではありません。周囲の家族、親族、友人、はては社会にも関係があり、影響があることだと思います。
あの「送料無料」で体を壊したり、家庭が崩壊したりした人はきっといるように思うのです。
お急ぎ便には追加料金がかかるとか、
ゆっくり配達だと無料だとか、
台風や大雪の時のお急ぎ便は特に高くなるとか
そういうシステムが存在するようになっても
致し方ないのかも…と思います。
おそらく、多くから不満の声が上がるから、そうなっていないのでしょうが、
今後、これまでのようなサービスを維持できる可能性なんて、あるのでしょうか。
働ける人口もどんどん減っていくわけですし…。
以前は、郵便局に「ゆうゆう窓口」というものがあり、地域の基幹郵便局であれば
かなり遅い時間でも、受付をしてくれたのですが、
そのサービスも数年前になくなりました。
JRの窓口も無くなってきていますし、10年ほど前あったサービスの多くは縮小もしくは消滅しかかっています。

おそらく、
ここ10年ほどの
「お得で便利」は自分以外の誰かの「大変で不便」によって成り立っていたのです。
もし少しでも「便利」を維持しようと思うなら、「得」は諦めて、必要な対価を払う必要がある世界になり始めているのではないか、と感じています。

YouTubeはネット環境があれば見ることができますし、
LINEアプリを入れていて、ネット環境があれば、無料で長時間通話が可能です。
そういうことから、「ライフライン的なものも低価格であるべきだ」という考えが社会に浸透してしまったのかもしれません。
しかし、あと数年でそういう環境も一変する可能性は十分ある気がするのです。

占いや書籍も現在は
オンラインで無料でサービスを受けたり、
閲覧したりができますが、
それが未来永劫続くとは思わない方が良いでしょう。
無料占いばかりを求める人について、厳しい意見を発信している、占い師の方もいますが 
その意見にはかなり納得しています。
「何かを得たら、何かを返さなくてはならない」ということを、
わりと、信じているのです。
アニメの鋼の錬金術師を見たから…というわけではないのですが…。
返すものはお金でなくてもよく、
感想や応援、感謝の念であっても良いとは思います。
ただ、お金を支払うということは、1番わかりやすく、そして、扱いやすい、やり方だと思うのです。
ここでいう扱いやすさというのは、
人によっては「冷たい」というような距離が取れるということです。
お金を支払うということは、親しくなりすぎないようにするのにも、時に有効だからです。
ちゃんと「お客さん」という距離を取れるということですね。

SNSで、占いの知識(古典占星術ですら!)を無料で、知ることができる時代ですが、
他者の洞察や分析、知識を無料で消費できることを当たり前に思わないように、気をつけています。

本やグッズが出版されたら購入する、
頻繁に情報を楽しんでいるのなら、オンラインワークショップに有料で参加する、
お金を払う機会がない場合は、感想とお礼を発信する、
というあたりに気をつけています。

お金を使えない方もいるでしょうし、周囲に強制するつもりはありませんが、
ある程度、お金の自由が効く人間はできる範囲のお金でお返しをする方が1番スマートだと考えます。

友達になるなど、親しくなって、サービスにただ乗りしようとするタイプの人が
とても苦手です。
だって、それはつまり「親しい人は利用にして構わない」「親しい人は奴隷にして良い」という思想が
その人の中にあるということです。
そういう人は、たいてい土壇場で裏切りますし、信用がなりません。
親しいからといって、自分と相手が溶けあってしまうような考えは、性に合わないのです。
それは自分も相手も尊重しているとは思えないからです。

無限にお金を払うことはできませんが、
良い商品やサービスには気持ちよくお金を支払うこと、
「必要な対価は払うべし」を大切にしていきたいと思います。


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