見出し画像

2024年5月10日 人を育てる

人を育てるというとおこがましいですが、
自分以外の人に、自分のやっていること、
特に目に見えない判断を伝えるというのはひどく難しいことだ、と感じます。
仕事はもちろん、趣味や友達同士の関係でもそういう場面はあるものです。
判断というと抽象的ですが、
自分だけで留めておいて良い案件か
報告が必要な案件かという判断をする場面、
あるいは
野菜の支柱を立てた方が良いか
また今度で良いかというような場面を想像してください。
生きていれば、かなりの頻度で、判断を下す場面があります。
そして、その判断について、
他人に説明したり、他人に教えたりするということが、起きた時、
それが、想像以上に難しいという壁にぶち当たります。

五感が敏感で、目に見えるもの以外からの情報も多く受け取っている人間なので、
自分の判断が一体何から来るものなのか…というのは、
少し考え込まないとわからないのです。
「〇〇した方が良いのは確実」なのですが、どうしてそう判断したのかを言葉にするのは、非常にこんなんです。
何故ならば、五感が受けとる
空気(…空気という言葉はよくないのでしょうが、)
それ以外の言い難い何かが、
自分の判断の源です。
空気といってしまったものを、精密に分析するとしたら、
おそらくそれは過敏な感覚から得た情報だと言えます。
例えば、ほんの微かな言葉のひずみとか、
相手から香る匂いとか、
ひずんだ言葉の音が伝えてくる触覚など
小さいシグナルの連続です。
取りに足りないほどささやかといえばささやかなそれらを
いくつかを拾って、自分なりの判断をしています。
この判断の過程というものを他人に伝える、というのはとても難しいものです。
ほとんど無意識でそれらの情報を得て、検討しているからです。
以前は、そういうことがわかっていませんでした。
なので、どうして周囲がわからないのかがわからず、
常に苛立っていました。
あまりにも明白だというのに、
それを無視した判断をする周囲が理解できませんでした。
今となれば自分だけがわかる感覚なのですから
、周囲がわかるわけはないということなのです。
わかって当たり前、なんてことはどこにもありません。
最近では、自分の判断について、
他人にどう伝えれば良いのか…を考えられるようになってきました。
判断、そのもののやり方を伝えられないとしても、苛立つ必要はないのです。
自分がやっていることを説明して、ほんの少しでも納得してもらえたり、
お互いの理解が深まったりすれば
それでいいのだ、と思えるようになってきたのです。
仕事でも部下をもつような立場ではないですし、
趣味でも誰かに教える側ではないので、
こういうことを長く考えずに済んでいたのですが、
やはり生きていれば、役を交代する時期というものはあるようです。
役職や立場がなくとも、
誰かに何かを伝える(教える)タイミングはやってきます。
人を育てるとか人材育成って自分からはほど遠いことだと思っていたのですが、
そういう本も読んだ方が良いのかも…と思い始めています。

というわけで、
自分が知っているコツのようなものをそれを知らない人にどう伝えるべきか、
現時点で気をつけていることについてまとめました。


・戸惑っている場合はこちらから声をかける

何らかの判断が必要で、
しかし、どうすれば良いかわからない場合、
誰かに尋ねることも思いつかなくなる…というのが一般的です。
途方に暮れているような様子があれば、こちらから声をかけます。
もし困っているなら、協力できること、
協力して欲しいと感じた場合は声をかけて欲しいとお願いしておきます。

・どこの時点から困っているのかを確認する

思いもがけない情報やルールを知らずに困っているということは結構あるものです。
自分の思い込みで、勝手に判断せずにどの時点から困っているのかを聞き取ります。

・失敗しても何とかなる方法をまずは提示する

判断を間違えて、失敗したとしても、何とかなる方法が意外とあるものです。
最低限、これさえやっておけば、大きな失敗になることはないという方法がある場合はまずそれを伝えて、安心してもらうようにします。
安心は大事。
安心しているからこそ、できる判断というものがある、と思います。
怖がらせるのはナシです。

・具体的にわかりやすく説明する

知っていることは、難しい言葉で難しく説明しがちです。
具体的でわかりやすい言葉を選ぶようにします。
もし実物があった方がよければ、実物を使って説明することを心がけます。

・質問時間を設ける

1番心掛けているのは、質問ができるようにということです。
「説明することに関することでも、違う(少しズレた)ことでも、質問して良いです」
「素朴な疑問を聞いてください」と繰り返し伝えています。
そして、しつこく、質問時間をもうけます。
質問できる関係、雰囲気を作るには、はじめが肝心です。
質問しても怒られないということを体験してもらう必要があるのです。

・完全に否定しない

わからずにやって上手くいかないこともあります。それを完全に否定してしまわないということも気をつけています。
「考え方は良いけどタイミングが悪かった」「いい判断だけど、説明が足りなかった」など良いところとセットにして伝える方が幾分、伝わることでしょう。

結論:人を育てるのは難しい。できるだけ誠実でいよう

色々と書き綴ってみましたが、
そうはいっても難しいことばかりで、現時点でどこまでできているのかは怪しいものです。
難しく考え出した場合は、
「意地悪にならず、誠実に素直に接すること」という基本に立ち返るのが1番いいような気もします。




気に入ったら、サポートお願いします。いただいたサポートは、書籍費に使わせていただきます。