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9月2日の手紙 運動習慣

拝啓

続けてのお手紙、失礼します。

本日、
9月に入って初めて、
ジムに行きました。
ひと通りのマシーンをやるとあっという間に時間が過ぎます。
ジムといっても、
chocoZAPというコンビニジムで
初心者が行くタイプのジムです。
ロッカーもないし、
シャワーもないし、
トレーナーの指導もないけれど
それぐらいが、ちょうどいい気がしています。

たまに
本格的にやってるんだぞという中年男性が、
気づいてもらいたいのか
マシーンのオモリを最大にして
うめき声をあげていますが、
だいたいの人は大人しく
マイペースにトレーニングをしています。
トレーニングマシーンで動画を楽しむ人や3分ほどでエアロバイクを降りる人も見かけます。
ブロッコリーと鶏むね肉の枷を自らに課し、
筋肉を肥大させることに成功している人はあまり見かけません。
多分、入会後に連続して3日通って、そのあと2週間行かない、そんな人もゴロゴロいそうな雰囲気です。

正直、ホッとします。
頑張れそうにない人間にはちょうど良い雰囲気なのです。

コロナ禍の前には、
トレーナーが声をかけてくれて
ロッカーのあるジムに通っていました。
ジムからプロテインを買ったこともあります。
今考えると無駄な出費でした。
健康のために通っているのに、いつのまにか、
プライドをくすぐられて金を差し出すパターンに陥っていた気がします。
トレーナーがいるジムは指導してもらえていいのですが、
関係性ができてしまうと、
健康という目的とは違う力に絡め取られてしまう気がします。
「私はキッパリと断るけど」という人はそれでよろしいのです。

人間関係を浅く広く取るのが難しい人間には
指導される側とする側の関係には要注意だと思います。
成果が出るのは「トレーナーのおかげ」となっても「指導してもらえた」でも、どうしたって、そこに力関係ができてしまう気がします。
仕事以外で、人間関係のバランスに頭を使うのは極力避けたいのです。

それを考えると、パッといって、
何にも考えずに、トレーニングだけやって、
運動不足を解決する
chocoZAPは理にかなっています。
スマホのアプリで開錠するので、
受付でプロテインや特別プログラムを勧められる心配はありません。

ただ、以前は無音だったのが
最近は謎の有線がかかるようになり、
その点は不満です。
もちろんイヤホンをしてトレーニングしているので、ほとんど聞かないから良いのですが
スピリチュアルさを抜いた薄っぺらいインストゥルメンタル音楽はトレーニングにはあいません。
ジムというよりスーパーでかかっていそうな音楽に聞こえます。
安いハムか
お惣菜のマカロニサラダにでもなったような気分になるので、あまり好きではなありません。
あれは好評なのか、他の利用者のコメントも聞いてみたい所です。

さて、
こんな風にジムについて書くと、
運動が好きな人間だと勘違いされそうですが
全くそうではありません。
一度も、
体育会系の部活に入ったことはないのです。
体育の成績は良くても平均点。それも、筆記テストの点のおかげです。
出来れば体育に出ないで済まないものかといつも考えていました。
大学では体育系の単位は取らないようにしました。

そういう体たらくですから、コンビニジムごときであっても、
行くまでは長い逡巡の時間があります。
行ってしまえば、達成感があるのはわかっているのですが、何となく億劫なのです。
本当はずっと本を読むか、ネットを見ていたいのです。
こういう時は、「すぐ帰ってもいいからとりあえず出る」と思って、外出するのが良いようです。
今日はあんまりにも気持ちが乗らなかったので、本屋に行って本を買っても良いというご褒美もつけました。

chocoZAP着くと、まずエアロバイクに乗ります。複数台あり、たいていすぐ使えるからです。
イヤホンをつけ、AudibleかSpotifyのアプリを開き、再生します。今は主にAudibleでSF小説を聴いています。

「嫌だ嫌だ」と思いながら、ペダルを踏み込みます。とにかく足を止めないことだけを考えます。「嫌だ嫌だ」はなかなか消えません。そう思いながら、漕ぎ続けます。
7分漕ぎ続けると、左手の親指の下あたりに、玉のような汗がいくつか浮いてきます。
この転がりそうな透明な玉を見ていると「嫌だ嫌だ」が消えていきます。スイッチが入ったようです。

その後は空いているマシーンを見つけては10回を数セットやり、一周まわっていくのです。
chocoZAPは店舗によって、無いマシーンもあるので、「今日はここを鍛えよう」などということは考えません。それは上級者のするものでしょうし。
ちなみに、どの店舗にもある腹筋台だけは使い方がわからないのでパスしています。

腹筋台を除く全てのマシーンが終わって、運良く空いていたら、トレッドミルでランニングの開始です。
トレッドミルというのはchocoZAPで使うまで、敬遠していたのですが、慣れてしまうととても便利です。
適温の室内で、車や人を避けることなく走れるというのは、大変ストレスが少ないものなのです。
奇妙な話なのですが、脳が休まっている気さえします。
経過時間と共に、歩数を表示して、眺めながら走ります。
頭の中ではひたすら、数を数えています。60まで数えると1分になる、そのことだけに集中するのです。
日頃どれだけ無駄なことを考えたり、ネットの無意味な情報を頭に投げ込んだりしているかがはっきりします。
「60まで数えると1分になる」
本来、生きるということはそれくらい単純なのだと思います。
しばらく走ると、頭がすっきりして、体は少しかたくなっています。

そしてchocoZAPを後にします。
帰り道は行きとはまるで違う世界です。
「嫌だ嫌だ」は消えて、平らかになります。
多分、疲れただけなんでしょうけど、余計なことは考えなくなります。
筋肉をつけるためというより、
こういう気持ちになるために、お金を払っているのかもしれません。
身体を鍛えるというよりも、心をたいらに戻しにいっているのでしょう。

定期的に運動をする習慣はありますか。
それともそんなこと、絶対に嫌でしょうか。
もし、ジムに通っているとしたら
あなたにとって、ジムに通うということはどういう意味がありますか。


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