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短歌と人 安野ゆり子-012 2024/03/12

最近の近況アンド小学校高学年の記憶です。

まえがき:qbc(無名人インタビュー主催・作家)

「短歌と人」インタビューとは?

歌人でYouTuberの才人安野ゆり子さんを月1インタビューして世界にお届けするプロジェクトです!

登場人物紹介

安野ゆり子:20代後半。歌人、着物YouTuber。労働が苦手。元セクキャバ嬢、現スナック嬢とコンカフェ嬢。俳句もする。遊ぶところは歌舞伎町。障害年金がほしい。夫さんと離婚したいが離婚できないでいる。「一番やりたいことは、生活上のことでは、好きな人と穏やかに暮らしたいってこと」。自分なりの宗教がある。
夫さん:30代後半。安野さんの年上の夫。文芸団体の運営。
好きな人:20代後半。夫さんの文芸団体に出入りしていた。かっこいい。

安野さんのオリジナル曲

これまでの安野さん

第0回 2023/7/28実施。通常の無名人インタビューを受けていただきました。インタビュー時点での現在過去未来のお話。 
第1回 2023/8/8実施。障害年金がもらえれば、お金の心配がなくなって夫さんと離婚できる。現在、夫さんとは別居中(だが、週一で夫さんは帰宅する)。短歌の鑑賞。
第2回 2023/8/25実施。短歌の鑑賞。夫さんとの馴れ初めの短歌。文芸団体の忘年会で初めて会った話。
第3回 2023/9/6実施。短歌の鑑賞。夫さんとの日常の短歌。「家にある皿の枚数気にしつつ決める今夜は土佐煮もつける」は佳作。
第4回 2023/9/21実施。障害年金不支給が決まる。友人の紹介で中野のスナック「ねぇ ムーミン」で週1労働開始。短歌の鑑賞。閉鎖病棟入院時の短歌。入院の理由など。自分の中で、短歌よりも音楽のほうが上だと気づく。
第5回 2023/10/5実施。引っ越しの予定を決める。お金は夫さんが出すが、夫さんは住まない(週一で会う)。短歌の鑑賞。障害者手帳と歌舞伎町の歌。
第6回 2023/11/9実施。中野のコンカフェ「ピンクスカートカフェ」で週1労働開始。短歌の鑑賞。母になりたいかわからない歌。
第7回 2023/12/6実施。再入院。音楽ライブ企画。好きな人との馴れ初め、三人の関係について。
第8回 2023/12/6実施。幼稚園時代の頃の記憶を紐解く。おばあちゃんとの関係について語られる。
第9回 特別回。安野さんのホロスコープと数秘術の鑑定結果を公開。インタビュー記事ではありません。
第10回2024/01/23実施。ホロスコープと数秘術の鑑定結果を直接お伺いしました。キャラクターがより立体的に。
第11回2024/02/13実施。2月頭に実施したライブ、短歌の出前授業、小学校低学年の記憶。

第12回2024/03/12実施。<この記事です!

安野さん公式サイト

(qbcが勝手に作ったけど公認されました!)


修行の時代

qbc:この一か月、何か変化はありましたか?

安野:変化はそんなにないですね。ここ2週間ぐらい、体調が良くないぐらいですかね。

qbc:何もない?

安野:そうですね。修行に凝ってて、修行ばっかりしてて。特筆すべきことといえば、修行を始めたということですね。

ジャンルでいうと、多分道教とかに入ると思うんですけど、自己流なんですけど、専門的なもんじゃないんですけど。
例えば、土の上に裸足で立って、まっすぐ立つ練習をするとか。あとは、太極拳のスワイショウとタントウコウっていうポーズをやったりとか。
あと、呼吸法。呼吸法を試しながら、体のいろんなところに意識を持ってって、気を練るとか。そういうことを一生懸命やってました。あと瞑想とか、そういうのも含めて。

私がいつも見てるYoutuberの、スピリチュアル系の人がいるんですけど。その人スピリチュアル系とは言いつつ、言ってることっていうのは、脳の炎症とかを抑えるとか、生きづらい人とか発達障害があるような人ってのは、体内で実はこういうことが起こってるから、体の方からアプローチして、こういう食事をしましょうとか、こういうお風呂に入りましょうとか、そういう中で「足の裏でしっかり立ちましょう」っていうのがあって。そういうのとして、グラウンディング、アーシングって言いますけど、それをやりましょうって言ってて。

今まで、10代の頃とかから、自分の内面のことを考えたりとか創作をしたりとか、ずいぶんやってきて、精神科にも行ったし、カウンセリングも相当行ったり、そういう内側のことはやってきたけど、体のことってあんまりやってこなかったなって思って。

部活とか運動も全然やってこなくて、他の子が部活とかで、自然と体の動きっていうのを身につけてる中で、私はほとんど絵を描いたり音楽やったりとかしてたから、体動かすのが下手なんですよね。うまく動かせないから、なんかでも、やっぱり精神と体ってくっついてるよなってのが、やっぱり具合悪くなったりとか、良くなったりとかってのを繰り返してるとすごいわかるので。ちょっと体の方からアプローチして、精神的にも良くなりたいし。

あとスピリチュアル的なことを言うと、霊的なものが良くなっていくと、どうしても魂が軽くなっちゃって、意識がふわふわしちゃうけど、あんまりそれも良くなくて。ちゃんとそれを閉じ込めておく体っていうのをしっかり作るのも大事だよっていうことを、その人は言ってるので、確かになって思ったんで。

今後占いとか、いろいろなスピリチュアル系のことをやるにしても、ちょっと体作ってかないと、相手の悪い邪気みたいなのとか、そういう、人の憎しみみたいなとこを拾っちゃうから、体をやろうと思ったのがここ1ヶ月前ぐらいで。そういうことを一生懸命考えてますね、最近は。

qbc:いつも見ているYouruberというのは、誰でしょう?

安野:吉濱ツトムさんっていう人です。

吉濱ツトムさんはこちら

安野:リタミッラさんの記事を読んで知ったんですね。リタさんの本に出てくるんですよ。だから、あれが1年弱ぐらい前ですかね、半年よりは前だと思うけど。そこでちょろっと見て、ちょっとその吉濱さんのYouTubeって癖があるので、いっぱい見るの大変なんですけど、だんだん吉濱さんの喋り口調とかにも慣れてきて、見れるようになってきた。最近はまとめて見てますね。

リタミッラさんはこちら

qbc:障害者年金は?

安野:年金は、変化なしで。

qbc:結婚関係は?

安野:結婚関係は、変化なしっちゃ変化なしですけど。先週ぐらいまで、すごい具合悪くて。どうなるかっていうと、今まで朝食食べると絶対寝ちゃうっていう症状があって、2年ぐらい繰り返してて。朝にパンとかご飯とか食べられなくて、野菜とか、そういうのは食べれたんですけど。主食を食べると動けない。
で午前中は絶対潰しちゃうっていう暮らしをしたんですけど。この2週間くらい毎食後、具合悪くなるようになっちゃって、昼も夜もご飯食べると、寝ちゃうもそうだし、胸が痛かったりとか、座ってられない、視界が歪む、頭が痛いみたいな。

要するに私の自己判断では血糖値が乱高下してて、低血糖みたいになってるっていう感じだと思ってるんですけど、あまりにそれがひどかったので。低血糖って、一番酷いと昏睡とかってなっちゃう。糖尿病の人が薬でね、一番ひどい低血糖だと昏睡になっちゃったりするけど、一人暮らしだと110番もできないからなと思って、夫にちょっと「ご飯見守りに来て」って言って。土・日って、夕飯一緒に食べてもらって、その後、少しいてもらってっていうことをやって。全然離婚したいけど、ヘルプは出して、助けてもらってるという感じです。

小学校高学年の記憶

qbc:小学校4年で覚えてることって、なんですかね?

安野:あんまりないですけどね。うーん。
でも、この辺が私が一番元気だった頃かもしれないですね。

一番重要なのは、「5年生のときにスガシカオに出会う」ですね。あの、一番最初のインタビューで4年って言っちゃったんですけど、10歳って覚えてて。でも私誕生日が3月なんで、10歳って5年生だったので、5年生だったんですけど。もうそれが一番大きくて。

qbc:あーなるほど。先に、まず、元気っていうところを教えてください。

安野:元気っていうのは、まずは欠席が少ない。1年生2年生だと年間何十日も休んでて、不登校とは言わないけど、ほとんどそのラインに足かかってるよねっていう形で。
それが1桁になって、10日は休んでないぐらい。でも大体周りの子はみんな皆勤賞なんで、インフルエンザにならなければ、毎日来るのが普通だったんですけど。

でも4年の時は、10日以内ぐらいで済んで。友達も結構いたし、結構外でも遊んだり、縄跳びが好きだったので、みんなで縄跳びやったりとか。勉強も何でもできたので、クラスでも発言したり。あと4、5、6年生って、4年生から学級委員っていう係ができたんですね。3年生まではないんですけど、4年も5年も6年も学級委員やってましたね。

学級委員って要するに、みんなをまとめたりとかリーダーやったりとか、話し合いのときに場を引っ張ってくような役割ですけど、そういうのをまわりでトロトロやられるのが嫌だったんですよ。
自分は結構上手にできるだろうなっていう自信があって。だけど下手な人に決まって、すごい下手くそな司会とか聞いてるのが嫌だったんで、だったら自分でやっちゃった方が早いと思って。他人を信用してなかった。他人の能力を信用してなかったので、何でも私がやった方が早いと思ってて。それでやってました。他の人に任せる方が面倒くさいので。

qbc:大変じゃなかったですか?

安野:別に、特に何もないですよ。私もそういうポジションが当たり前だったので、周りも何も、あの子が学級委員だと変とかも、多分みんな思ってなかったし。私自身もそのポジションが当たり前だと思ってたので、全然普通に暮らしてました。

スガシカオとオーガスタ

qbc:スガシカオとの出会いについて教えてください。

安野:スガシカオのProgressっていう曲が、プロフェッショナル仕事の流儀のテーマソングになってて。それを聞きたくて父が、アルバムを買ったんですね。PARADEっていう。それを買って、12月がおばあちゃんの命日なんですけど、そのお墓参り行く道中で、ずっとCDを流してたんですよ。

お墓は静岡なので、群馬から静岡まで。何時間かかるかわかんないけど、早朝に出てお昼に着くぐらいで、また半日かけて帰るんですけど。そのときはお父さんがCD選んでたかな。何枚か、多分4、5枚持ってて、ずっとかかってるんですけど。あんまりにもかかってるから、そのスガシカオの歌詞カード見てみたんですよ。そしたらなんか、あれいいかもって思って。

その後も、静岡行く以外でも普段の車でかかってるから聞いてたら、どんどん良くなってて。すごい最初にガツンとやられたわけじゃないんですけど、生活に馴染んでいくうちに、あれ、これすごいいいんじゃないかなみたいな、だんだん好きになってきて。

2007年がスガシカオデビュー10年で、ベストが出たんですね。で、このベストを、初めて自分のお金でCD買って、古いのから新しいのまで聞いたらすごい好きな曲がいっぱいあって、そこから聞くようになったんです。

qbc:どこが好きですか?

安野:世の中こんな駄目な奴がいて、救われるなっていうか。私はまだマシだみたいな気持ちになりました。
スガシカオの歌詞の主人公って、すごいもうひどいんですよ。やってること言ってること思ってることが。私は学校では学級委員やったり成績もいいし、友達も多くて、何か困ってることって、自分でも別に無かったんです、そんなにね。

だけど、なんかわかんないけど、スガシカオの曲聞いたり歌詞を見ると、共感する自分とか、自分ここまでは行ってないけど、でもなんか救われるなみたいな。自分でも気づいてないような、そういう自分の中のひどいやつみたいなのがいたみたいで。何だろう、無意識の自分っていうのが、すごいスガシカオに共感してましたね。

qbc:そういう気持ちって、誰かに話していましたか?

安野:当時はわかんなくて、あんまり言葉にはしてなかったけど、母親にスガシカオが好きみたいなこと言うとか、それぐらい。この曲が好きとかは言ってて。
あとなんか、スガシカオのメロディーラインってちょっと独特。本人は自分の音楽をファンクだって言ってて、ブラックミュージックの。だから、他のJ-POPとはちょっと違うサウンドなんですよね。それが何か、私の中のリズム感と結構多分マッチしてて。聞いてて、メロディーラインとかリズムとかサウンドもすごい心地良くて、好きだったのもあるんですけど。でもなんか、一番はやっぱ、歌詞が変なやつでいいなと思って、かな。

こないだ母親が、1人でスガシカオのライブ行ったんですけど。そのときに、「『黄金の月』とか『愛について』とかも良かったけど、ゆりちゃんが子供のときから好きって言ってた、あの曲が良かった、タイトルなんだっけ」って言われて、母がワンフレーズ歌って。「Thank Youだね」って言ったら、「Thank Youが良かった」とかって母親が言ってて。

でも私は、「Thank Youがいい」って言ってた記憶、そんなになかったんですよ。
でも母親いわく、小中学生のときに、私がThank YouがいいThank Youがいいって母親に言ったらしくて。そっか、そんなちっちゃい頃からこれが好きだったんかと、最近驚いたというか、いい趣味してるなというか。未だに「Thank You」がすごい好きだし、趣味は変わらないなって感じですね。

「Thank You」は、1番は、「ねぇ明日しんでしまおうかしら」って始まって、それを相手の女の子か誰かに言ってて。周りはもうくそったれだしみたいな。2番では、逆にもうみんなしんでもらおうかなみたいな歌詞で。なんかサビっていうのは、多分、目の前の人に対して、「そばにいて そばにいて そしてぼくの味方になって 許さない 許せないけど 君にいてほしいの」みたいな。そばにいてほしいけど、許さないとかさ。

でも、最後のラスサビで、「ありがとう ありがとう いつも抱きしめてくれて ありがとう ありがとう ぼくにウソついてくれて」っていう。最後はありがとうって言うんだけど、そこもちょっと曲がってるっていう。いろんな角度から曲がってて、自分も死にたいし周りも死んでほしいし、でもあなたに関しては、ありがとうでも許さないみたいな、そういう感じ。

スガシカオ本人曰く、この曲って結構、乗りづらい曲らしいんですね、ちょっとスローで。バラードとも違うファンクナンバーなんで、ちょっと乗りづらいって言ってたんですけど、何ていうのかな、私はこの感じがすごい乗りやすいんですよね。ライブとかでも、あんまり速いと疲れちゃうんですけど、すごい乗りやすくて好きで。

ただ、一番好きな曲っていうか、トップ3はもう不動で。小4から今年で28ですけど、28歳まで好きな曲が変わらなくて、この「Thank You」は3位で。2位が「斜陽」っていう曲で、1位が「サナギ」っていう曲で。それはもう10歳のときから、その3曲が好きでしたね。

qbc:スガシカオを好きになって、何か変化はありましたか?

安野:お金を使うようになりましたね。それまで、お年玉もらっても全部銀行に預けてたんですよ。で、父親の口癖というか、よく言われていたのが、「お金は使うためにある」ってよく言われてたんですよ。例えば外食行くじゃないですか、焼き肉屋さんとか。で、「ゆりちゃん何飲む?」って聞かれて、パーってメニュー見て、ジュースが一杯300円とかするわけですよ。普段スーパーで1本120円で買ってんのに、なんで一杯300円なんだみたいな。「いらない、水でいい」みたいな、そういうことをずっと言ってて。

だから子供のとき、親にもあれが欲しいこれ欲しいってあんまり言えなくて。せいぜい、本当に欲しいときは、ちょっと親の服の袖を引っ張ってって、「これ」みたいな、ちっちゃい声で言うぐらいで。自分で親にもあんまりねだらないし、お小遣いでも何か買うってなくて。

それこそ4年生ぐらいかな、5年生かな、「クリスマスにサンタさんからのプレゼント何がいい?」って親に聞かれて、本当に欲しいものがなかったんで、「いらない」って言ったんですよ。「今年いらない」って言って。さすがに弟にはあるから、多分サンタさんが見かねて、ちょっと高い洋服を買って枕元に置いてくれたんですけど、本当にそういう子で。

だけど、スガシカオと出会って、同時に母親が秦基博を好きになったんですね。スガシカオと秦基博って同じ事務所だったんですよ。そこの事務所って、事務所間の仲がいいというか、抱き合わせ商法が多いんで。オーガスタキャンプっていう事務所の夏フェスなんですけど。
それ行くと、事務所の人全員聞かなきゃいけないんで、そうするとスガシカオ以外の人のCDも、事務所の人のも買い出して。これもちょっと先の、中1ぐらいの話なんですけど、このCDとこのCDとこのCD、3枚買ったら2枚おまけで付いてきますみたいな。そういうことをやってて、事務所が。しょうがないから3枚買って2枚もらうとか。あとは古いスガシカオのCDを中古で買ったりとか、ネットで買ったりとか、とにかくCDにすごいお金を使ってて。何が変わったっていうと、お金を使う、が一番にありましたね。

qbc:その他の変化ってありました?

安野:ちょっと大きくなってからだけど、ラジオを聞くようになった。もともと車移動だとラジオ聞いたりもしてたんですけど、ラジオにリクエストして、スガシカオをかけてもらうっていうことをよくやってて。だから、おうち帰ってくると、母親がラジオかけながら家事してるとかもあって、それでラジオを聞きながらおやつ食べたり、リクエストのメールしたりとか、そういう趣味はありましたけどね。

qbc:学校でスガシカオの話とか、するんですかね?

安野:学校にスガシカオの話できる人いないんで、それで盛り上がるとかはなく。唯一、6年生ぐらいかな。当時、AAAが好きだった男の子がいて、今でこそAAAって有名ですけど、当時は全然無名で、その子AAAが好きなんで結構音楽番組をよく観てて、そうするとスガシカオも見かけるっていうので、「スガシカオ知ってるよ」みたいなのを男の子が言って。2人で、私はAAAの音楽を聞かないし、彼はスガシカオも聞かないけど、でも音楽好きというかなり大きい枠で、シンパシーを感じて仲良くしてて。でもそのぐらいかな、音楽の話したのは。

それ以外は音楽と同時並行でアニメオタクを結構やってたので。女の子とは、アニメの話をしたり絵を描いたりとか、学校ではそういうオタク系でしたね。

アニメは、多分4年生のときなんですけど、これも大事な出来事で。ナルトを見始めたんですよ。多分4年生だと思うんですけど、夏休みの昼間に、サスケ奪還編をまとめてやるっていう時期があったんですね。
それを見て、ナルト面白いと思って、一話から弟と父親と、DVD借りて全部見て。私は奈良シカマルの過激ファンだったんで、ずっとシカマルに恋する乙女みたいになってました。いろいろ他にも見てたけど、エヴァンゲリオンとかも当時見たりとかしてたけど、6年生ぐらいで一番ハマったのはD.Gray-man。結構周りもD.Gray-man好きで、D.Gray-manの話をすごくしてて。ナルトとD.Gray-manのオタクでしたね。

qbc:オタク関連は、どのあたりが好きだったんですか?

安野:基本、ジャンプでしたね。アニメとか漫画って、ジャンプのことだと思ってたんで。ジャンプ系ばっかり。あとは友達もREBORN!とか見たりとか、少女漫画とかは全然はまらなかったですね。少女漫画好きの友達もいなかったし。好きだったアニメの系統にそんなに共通点とかはないですけど、そのときジャンプ系が流行ってたっていう感じですかね。友達と話も合うし、自分でも見てて面白いから見てたって感じですかね。

なんか、私の地域柄なのか世代柄なのか、クラスが半分ぐらいアニメオタクみたいな感じだったんで。そこで団結してるから、あんまり他の趣味で盛り上がることなかったんですよね。

小学校高学年の恋愛の記憶

qbc:この時期の恋愛は?

安野:なんかやっぱり、単純に接触時間が長いと好きになっちゃうってのがあるので、基本はクラスの子。隣になってよく喋るようになると、なんかこの子いいな、みたいな。好きな子は結構よく変わってたんですけど。でもその中でもすごい思い入れがあるっていうか、この子ちょっと特別だったなっていう男の子がいて。
その子は長かったんですよね、好きだった期間も。それで、5年生ぐらいかな。名前を書いてないラブレターを机の中に入れたことがあるんですよ。それやったのはその子だけですね。

qbc:ラブレター入れた後って、相手を観察するんですか?

安野:観察? 別にしないですよ。投入して、もう後は知らんみたいな感じで、何もない風を装って、学校に行って。実際何もなかったんで、もうそのままでした。

嬉しかったのは、嬉しかったでこの話題出すのはあれですけど、その子が彫刻刀で指をちょっと怪我しちゃって、しばらく包帯巻いてて、ジャムとか開けられないみたいな、給食で。そのときちょうど隣で、開けてあげるよとかって言って世話を焼いてたのがすごい嬉しくて、このタイミングで隣の席で嬉しいみたいなね。

あとは、これ6年生のときなんですけど。私のいとこが、上が男の子で、その子のお下がりでよく服をもらって着てて。ラルフローレンのチェックのシャツを気に入って着てたんですよ。男の子用で、色も緑と紺のチェックみたいなのなんですけど。そしたらその子が、「安野さんはこういう服がすごく似合うよね」って言ってくれて。

私は、自分は好きだから着てるし、その格好を。でも周りからは別に、男の子っぽい格好だし、何とも思われてないだろうなっていう感じだったから。周りから見て、自分が好きなファッションを似合ってるって言ってくれると嬉しいなって思って。それをなんか、わざわざ言ってくれるっていう。女の子同士だったら、その服かわいいとか多少あるかもしんないけど、男の子がそうやって言ってくれて嬉しいなって。それはね、結構いい記憶として残ってて。

qbc:その頃から今までで、好きな人に共通していることってありますか?

安野:あんまりないですけど、今この時点で振り返ると、私の人生で大きい、人生のキーパーソンってみんな男の人「リュウ」ってつくんですけど、その子もリュウってつく男の子だったんですね。その子は、やっぱ明らかに他の男の子と違うし。本当私移り気なんで、全然数ヶ月したら次の子になってるみたいな、コロコロコロコロ変わっちゃうし、同時に2人とか3人好きなこともあるんですよ。
だからこそ間口が広いので、好きになる共通のタイプって難しいんですけど、でもその子だけは結構長くて。しかも、お姉ちゃんとも交流があったんですよ。全然別ルートでお姉ちゃんとも仲良くて。そうやって嬉しい記憶もあったり、クラスも結構よく一緒になってたし、席もよく隣になってて。

28歳になっても、その子のことだけは何となく思い出す。他の好きだった子は、あんまり思い出せないんですよね。片思いはしてたけど、一緒にこれやったとか、こういうこと言われたみたいな記憶もないので、思い出すこともないんですけど。あの子だけは思い出すので、なんか、ちょっと違う。そういう意味で、何だろう、その後出会う人たちと名前がやっぱり一緒っていうか、やっぱりリュウがつく男の子だったなって思ったり。

qbc:画数の多い龍ですか?

安野:基本は、画数が多い龍かな。でもその男の子は、竜田揚げの方の竜だったかな。ちょっと覚えてないけど。

青いエレキギター

安野:あとは、6年生のときの誕生日、ほとんど卒業するときですけど、ギター買ってもらったのが、多分その後の自分にとって大きいかなと。でも買ってもらっても、早々に1人では挫折して、全然弾かなくなったんですけど。でもその後、そのギターを引っ張り出してきてずっと弾いてたんで、買ってもらったってのは大きかったかな。だから、小5で音楽聞き始めて、小6でちょっとギターを弾いてみる気になったっていう。
(安野追記:あとでよく思い出してみたら、ギター買ってもらったのは中一の誕生日でした)

qbc:なんでギター買ったんです?

安野:「誕生日プレゼント何が欲しい」って言われて、ギターが欲しいって言ったってだけです、誕生日だったから。

何か、やる気になったんでしょうね。スガシカオを含め、オーガスタのミュージシャンの影響で。それこそ3年生4年生ぐらいまでは、ファッションデザイナーになりたいって言ってたけど、5年生6年生ぐらいからはミュージシャンになりたいって言ってたんで。ミュージシャンってやっぱギター弾くでしょみたいな、そういうぐらい。

でもそんときは、6年生の時かな。(※正しくは中一)そのときは結構、長澤知之っていうミュージシャンが好きで、スガシカオも聞いてましたけど、それをしのぐぐらい長澤知之が好きだったんで。長澤知之が青いエレキギターを弾いてたので、青いエレキを買ってもらって、それで。

あとは、みんな好きですけど、名前を挙げるなら、杏子、COIL、元ちとせ、さかいゆうが好きですね。

qbc:あ、竹原ピストルってここなんですね。

安野:最近です。もともと野狐禅っていうユニットでオーガスタに入ってたんですけど、途中でやめちゃって、それで最近戻ってきたんですよ、ここ数年。だから私はね、あんまり竹原ピストルは聞いてなくて。私がオーガスタを一番聞いてた時期にいなかったんで、あんまり竹原ピストルは詳しくないんですよね。

qbc:なるほどねえ。オーガスタは杏子さんも健在ですね。

安野:杏子と言えば、今日これから杏子のライブ行くんですよ。楽しみ。

qbc: 山崎まさよしは?

山崎まさよしも、聞いてましたよ。CD持ってたけど、そんなにはでもハマらず。オーガスタキャンプ行くから、有名曲は押さえておこうっていうレベルで。あんまり私、スキマスイッチもそんなにハマらなかったんですよ。

それよりも、杏子がめちゃめちゃ好きで。中学生のときに将来の夢っていう絵を描いたときに、「オーガスタキャンプの舞台で歌う」っていう絵を描いたんですけど、基本的にはもう杏子に自分を重ねた絵を描いてるので。

今思っても、スガシカオが好きだけど、憧れっていうか、なりたい、未来の自分、っていうのは杏子なんですよ。ああいうふうなパフォーマンスをしたり、ああいう生き方をする人になりたいと思っていて。杏子めちゃめちゃ昔から好きで。

で、COILって全然無名なんですけど、作る曲が本当に良くて。それこそ杏子とか元ちとせによく曲を提供してる、本人たちが歌うっていうよりも結構、作り手側になることが多いんですけど。

私、短歌作ったりとかしますけど、私のこの日本語の基礎は、スガシカオとCOILの岡本定義の歌詞が多分基礎にあるんですよね。それぐらいすごい、私に影響力を与えてるのがCOIL。

で、さかいゆうは私が中学生のときにデビューしたんですけど、初めて聞いたときからすごい好きで。声がまずよくて。でもその後、私がいろいろあって、いろんなことを考えて、去年の秋か1年前ぐらいに、オーガスタの全員がやってる福耳っていうグループの曲で、「LOVE & LIVE LETTER」っていうのがあって、それをさかいゆうが作ってるんです。

私は一番好きなミュージシャンはスガシカオだし、なりたいミュージシャンは杏子だけど、この世で一番好きな曲は福耳の「LOVE & LIVE LETTER」なんですね。やっぱそれを作れるさかいゆうがすごいなって。あとはあの天才的な声と、ピアノ。

だから何だろう、結構さかいゆうは、最近になってめちゃめちゃ好きって感じですね。あと、長澤知之か。言い忘れちゃった。中学生のときは、長澤知之もめちゃめちゃ好きで。手広くやってたんで、大変だったんですよね、買うのが。

あと、2010年に解散しちゃったんですけど、MICRON' STUFFっていうラップのグループがオーガスタにいて。当時は、ラップできると気持ちいいと思って車で歌ってたんですけど。28ぐらいになって聞くと、すごい何かいいこと言ってて、歌詞で。サウンドもいいし、SHIGEっていうボーカルの声もすごい良くて。もう解散しちゃったグループなんですけど、未だにすごい聞いて、いいなと思うんですよね。

qbc:安野さんにとって、スガシカオってどんな存在なんですか?

安野:なんだろう。スガシカオは帰ってくる場所。オーガスタに限らず、いろんな曲聞いて、この曲もいいな、あの曲もいいなって思うんだけど、帰ってくる場所はスガシカオで。昨日か一昨日、一昨日かな、カラオケ行って、スガシカオの歌を歌ってたら、ミュージックビデオ見ながら歌ったらすごい泣いちゃって。結局、自分のことを一番わかってくれる歌詞はスガシカオだなっていう。

だけど、オーガスタはやっぱり、みんなでワイワイやってるのが私としては楽しくて。事務所のあり方が愛に溢れてる、社長とかスタッフも含めて、お互いのことを尊敬してて、お互いのことが大好きなのがわかるから、見てて気持ちいいし、自分もその一員になると、すごく気持ちいいんですよ。そういうファミリーとしての楽しさがある。

でも個人として、私ってものを考えたときに、そうは言ってもみんな私のことなんてわかんないから、唯一わかってくれるとしたらスガシカオだけ、みたいな、そういう感じになります。

あとがき

60分でいつも人生聞いてるけど、わずか3年のことを聞くのにも60分近く費やしたりもして。なんだろそもそも人間というものを表現するということは、不可能なのかもしれないなと思ったりなんだったり。

編集:なずなはな

制作:qbc(無名人インタビュー主催・作家)

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