
地域おこしインタビュアーの人 に、聞いてみた
地域に根ざして活動する3人!
それぞれの視点で描く「ローカル」の魅力について語り合う!
こんにちは! 無名人インタビュー主宰の栗林(qbc)です!!!!!
さあ! 今回は、島根県海士町の公式noteで記者として活躍している「しぶや」さんにご参加いただき、無名人インタビューでローカルテーマのインタビューを行っているナカザワさん、ゆいぴさんの2名でのグループインタビューを行いました!
ローカルで活躍する地域おこしインタビュアーたちが見つけた「人」と「暮らし」の物語をお届けします。地域を知り、そこで生まれる小さな物語に触れながら、彼らはその土地の面白さや温かさを発信しています。
各地の人々と向き合い、リアルなローカルの魅力を深掘りするこの対談を、どうぞお楽しみください!
今回参加したのは しぶや さん!
今回参加したのは ナカザワアヤミ さん!
今回参加したのは ゆいぴ さん! です。
自己紹介:はじめまして!私たちの地域とインタビューの物語
qbc:
簡単に自己紹介と、どんな感じで地域インタビューをしているのかを教えてください。
ゆいぴ:
福島県磐梯町の地域おこし協力隊で、無名人インタビューのインタビュアーでもあるゆいぴと申します。無名人インタビューの中ではローカルインタビュー、主に「磐梯町の人たち」っていう名前の通り磐梯町の人たちにインタビューする企画を担当してます。
磐梯町に移住してきたときに住む人とか関係する人とかが面白いって感じて、その面白さと良さを発信したいって考えたのがきっかけでインタビューを始めて。それプラスそこから町外の方に興味を持ってもらったり、訪問や移住のきっかけになればいいなと思っているので。この活動が少しずつ広がっていってて、今たぶん10本ぐらい記事があがってるのかな。自分がやりたいと思ったことが、こんなにも鮮明に現実になるんだなってことを最近ひしひしと感じてる。というところです。
qbc:
ではナカザワさん、お願いします。
ナカザワアヤミ:
私は立場としてはフリーランスになるんですけれども。埼玉県秩父郡の横瀬町というところで、ウェルビーイングに関する住民の活動を支援するっていう団体で事務局としてお仕事をしたり、あとは地域のスタートアップ支援をしたり、あとはライティングの活動をしたり。いろいろな仕事をしながら、横瀬町と東京を行き来しながら生きている人間になります。
インタビューとしては、無名人インタビューに関わって丸3年くらいが経っておりまして。
当初は通常のインタビュアーとして所属をしていて、最初はRural Laboさんという地域活性化を目指す団体の方と繋がり、そこから地域で暮らす人のインタビューをやってみようという企画が始まりました。そこをきっかけにRural Laboの方だったりとか、それを続けていく中で、昨年12月末に海士町の方と繋がりまして。そこから海士町のインタビューをするっていうところに繋がり、今かなりの方から応募いただいて、ローカルにいる人のインタビューを受けることも多くなっています。さらに、他の方のインタビューを受けたりもしております。ちょっとモリモリなんですけど、私の今の状況としてはそんな感じです。
qbc:
しぶやさん、お願いします。
しぶや:
私は昨年の4月から大人の島留学(就労型お試し移住制度)という制度に参画しまして、海士町役場の総務課で主に海士町公式noteを担当させていただいています。島内外のできごとを島の日常や風景とあわせて発信しています。
qbc:
ありがとうございます。よろしくお願いします。
相互質問:お互いの魅力を探る、深掘り質問タイム
インタビューで味わう感情の旅、リアルな気持ちを語る
qbc:
しぶやさんがインタビューを始めたきっかけっていうのは?
しぶや:
私は大人の島留学の制度に参画するにあたって、広報という仕事をやりたいと思っていて。海士町役場の総務課に所属させていただくことになってから、noteで記事を書く仕事をいただいたのがきっかけですね。
qbc:
それ以前っていうのはインタビューには全く触れず?
しぶや:
すみません、以前に触れてました。大学のときにスポーツ新聞を発行するプロジェクトに所属していて。その時、選手にインタビューしたのがはじまりでした。ローカルインタビューは海士町がはじめてです。
ゆいぴ:
シンプルに気になったことを一つ聞きたいんですけど。
海士町に来て「広報をやりたい」って思ったのは何故なんですか?
しぶや:
個人的な話になるんですけど、イベントに行くのが大好きで。お休みの日も面白そうなイベントがあったらよく出かけていました。イベントって主催者がいて、それを一緒に運営する人がいて、来場される方が楽しんで笑顔になって帰るみたいな。でもそのイベントが一回きりだったら、その人たちの記憶には残るけど、何か形として残ることって少ないなって思ったんです。それってすごいもったいないことだなって感じていて。誰かの頑張りとか楽しむ様子を発信して次につながるコンテンツが作れたらいいなーなんて思いながら過ごしていました。なので、それが原点にあって。海士町は、イベントが盛んで挑戦する人がたくさんいる島であると移住する前の事前来島で知りました。もしかしたら自分が届けたい発信ができるかもしれないし、誰かのためになったらうれしいなと。それが海士町で広報をやりたいと思ったきっかけです。
qbc:
イベントを形に残そうと思ったきっかけはあったんですか?
しぶや:
誰かが頑張ってイベントを作ってるんだったら、もっとその開催された事実や頑張りみたいなことをたくさんの人に広めたいなって思いました。「すっごくこのイベント面白いのに1回きりって寂しいな」とか、「もっといろんな人に経緯を知ってもらいたいな」と、ふとイベントでの景色を見ていて思ったんですよね。あとは来場された方や主催者にとって、何かしら記録として残るものがあったらいいなって思って。正直、頭では考えていたけど、これが形になるとは想像もしていませんでした。ありがたいことに、海士町に来てイベントだったり町の方に取材する機会をいただいて、自分のやりたいことを実現させてもらっています。でも根底として海士町に意味のある発信をすることを考えながら日々働かせてもらっています。
qbc:
なるほど、ありがとうございます。
しぶや:
逆にゆいぴさん、ナカザワさんがインタビューをはじめるきっかけってあったんですか?
ゆいぴ:
磐梯町の人たちを発信したいと思ったのがそのままきっかけです。磐梯町の良いところとかじゃなくて、人を発信したかったんですよ私。人のことを。なので磐梯町が主役とか、その人の仕事が主役とかじゃなくて、その人が主人公のインタビューをやりたくて。っていうのを突き詰めていったらというか、自分も勉強しなきゃなと思ってたらたまたま無名人インタビューに出会って、今に至るみたいな感じです。
ナカザワアヤミ:
私は地方創生とか地域の今後みたいなところに、大学時代ぐらいから興味を持っていて。仕事も地方にかかわるものをしていて。その中でたまたま触れたインタビューっていうコンテンツに関しても、地域に関わってやれるならちょっと気になるなみたいな形で、最初は入ったかなと思います。
インタビュー自体に最初に出会ったのは、社会学の勉強していて、インタビュー調査っていうのをして卒論を書いたり研究をしたりっていうのをしてたので、そこで初めて出会って。既にその時点でローカルインタビューだったわけなんですけど。でもそもそも、会ったことないような人の話をじっくり聞く機会ってそれまでの人生でなかったんですよ。知ってる人の話を聞くとかはあったんですけど。その経験を経て、なんか人って結構いろんな生き方があるんだなみたいな、ふわっとそういうのを思ったときに、そういうのがただの会話じゃなくてインタビューっていうものでわかるっていうのが面白いなっていうのがあり、インタビュー自体に興味を持って。ローカルだったらそれはそれで嬉しいんですけど、そうじゃなくても結構面白いなってそれ自体については思ってました。
ローカルでの発見と感動、インタビューで出会った面白エピソード
qbc:
インタビュー自体やっていてどうですか?
しぶや:
私はいろんな人と話すのが楽しいなって思っています。
qbc:
ローカルでインタビューしてみて何か変化とかあります?
しぶや:
やっぱり対象の相手がガラッと変わったといいますか。大学時代はスポーツ選手。大学のスポーツで活躍している人で、スポーツの視点でお話をしたり、優勝インタビューとか選手のインタビューなのでそもそもの土台があるといいますか。今は地域の方々とお話させていただいてるのでジャンルがまた違って。その人の情報も少ないので相手から聞き出す難しさはありますね。
qbc:
どんな気持ちでインタビューやられてるんすか?喜怒哀楽でシンプルに答えていただくと。
しぶや:
純粋に聞きたいことを聞いてます。
qbc:
そのときってどんな気持ちですか?
しぶや:
好奇心みたいな感じです。もっとこの人のこと知りたい、届けたい!みたいな。あ、でも純粋な気持ちってことですよね。喜怒哀楽で言ったら「喜」なのかな?人の話を聞くのは楽しいなっていう気持ちですかね。最初の頃はすごく緊張して、感情なんか考える余裕もなかったです。
qbc:
最近も緊張します?インタビューで。
しぶや:
緊張はします。やっぱりするんですけど、前よりかは楽しみながらできるようになったのかなというか。島の規模なので知ってる方にインタビューする機会も増えてきて、知っている人から話を引き出す難しさはありますけど、会話しているみたいな感覚でインタビューができるので、気持ちの面ではやりやすさに繋がっていたりするのかなと。そういった関係性はプラスに捉えながらやってますね。
qbc:
完全にローカル関係ないんですけど、しぶやさん、全然関係ない人にインタビューしたいと思います?
しぶや:
緊張するでしょうけど、やってみたいです。
qbc:
どれぐらい興味あるんです?例えば、海士町の今の立場を延期したりとかいろいろな状況は使えますけど、とりあえず半年間お休みがもらえました、働くこともできます、そこに編集プロダクションみたいなところでインタビュアー募集みたいなのがあったとしたら、応募するかどうかってことですね。しかも3ヶ月だけでいいよみたいな。休みは半年もらってるんですよ、どうしますか?
しぶや:
半年間お休みがもらえて働いてもいいんですか?それは、チャレンジしてみたいです。
qbc:
そういう興味はあるってことですよね。
しぶや:
苦戦はしそうですけど、いろんな人から話を聞けるチャンスは大切にしたいなって思います。
qbc:
それは海士町公式noteを担当する前もそう?担当する前だったらどうでしたか?今の質問。
しぶや:
海士町公式noteを担当してからですかね。海士町でいろんな方々とお話しする機会をいただけた経験は大きかったです。
qbc:
ゆいぴさんはどんな気持ちなんですか?インタビューしてて。
ゆいぴ:
私も楽しいとは感じているのだと思います。でもなんでしょうね……。感情と言われるとすごく難しいです。一言で表す感情なら何ですか?って言われたら私は「無」だと思います、インタビュー中は。しぶやさんじゃないけど、好奇心に従ってポンポコポンポコ質問が出てくるので。それに喜びとか楽しみとかっていう感情は乗っかってないんじゃないかな。
qbc:
自意識が出てないってことね。ナカザワさんはいかがですかね?
ナカザワアヤミ:
私もたぶん「無」ですね。悪い状態じゃなくて、どっちでもいい状態。で、たぶんちょっと楽しい寄り。喜怒哀楽で言ったら「喜」とかなのかもしんないんですけど、特にそれに対して感情はなくて。でも最近は逆に緊張するようになって。
その場ではたぶん「無」だと思うんですけど、最近やっぱりいろんな人に話を聞いてると、徐々になんかこの人こういう感じかなーみたいな。ある程度、想像を働かせなくてもなんとなく感じ取ってしまうときがあって。応募文があるじゃないですか。私はその人の属性とか一言メッセージとか、どういう文章を入れてるかみたいなやつが見れるんですよ。
例えば、その人の参考URLとかを一応見るんですけど。全く知らない状態じゃないように、共通言語ぐらいはわかるようにみたいな意味で、読み込むわけじゃないけど開いたりするんですよ。それを開くと、なんかこういう感じか、ってちょっと思っちゃう自分がいて。
なんて言うんだろうな。やっぱりそれだけの情報でも結構感じがわかるというか。こういう系統の人かも、みたいにちょっと思うようになるけど、その人らしさが絶対どっかにあるはずだからその思い込みは捨てなさい、みたいな気持ちになって。そうすると逆に何を聞こう?どう聞いたらいいんだろう?みたいなのが一周して出てきていて。海士町の大人の島留学生です、みたいな方もたくさん聞いたんですけど、やっぱり文章の感じとかでなんとなくこういう感じの人かもみたいにちょっと思っちゃうみたいなのもあって。緊張感というか、ちゃんとしなさいよ!という気持ちは本当に徐々に強くなってきました。
qbc:
似てるところはしぶやさんあったりしますか?しぶやさんはそんなにないのかな。
しぶや:
そうですね。でもナカザワさんが言ってる話もすごい共感できるなと思いながら聞いてました。やっぱりインタビューする前って、その人のことを調べてから質問を考えたり、事前に準備はしておくので。「あの人に取材するのか、緊張するなー」みたいなときもありますね。
さっき喜怒哀楽で言ったら「喜」っていうか、楽しいみたいな感覚っていうのをお伝えしたんですけど。なんかお二人の「無」っていう話を聞いて……なんて言うんでしょう。私もインタビューの最中って結構ぐるぐる頭の中で質問を考えながらインタビューしているので、インタビュー後は「楽しかった」、「話を聞けてよかった」って思うけどインタビュー中は本当に「喜」なのかというとわからなくなってきました...(笑)
インタビューしてきてどんなことがあった?
qbc:
これまでにインタビューしてきた中で、これがローカルだなとか、地域特有だなとか、そういうふうに感じたこと、印象に残ったものでも全然いいんですけど。そういうローカルっていうテーマでインタビューしたことによって起きたこととか、感じたこととかってありますかね?
しぶや:
海士町noteでは新しい取り組みや挑戦しようとしている人の後押しをする記事を書くことがあるんですけど。そういう方々をフォーカスする記事って、挑戦を応援するという意味合いが先行してしまいそうじゃないですか。でも挑戦だけを拾うんじゃなくて、インタビューの中で、海士町の自然や文化を話してくださるときがあって。ただ応援するんじゃなくて、海士町の魅力やさらに知らない島の風景がインタビューを通して見えてくるときがローカルだなって感じます。
qbc:
具体的にこういうのが見えた、みたいなのあります?
しぶや:
最近だと、海士町で育ったアートディレクターの方が島根県で展覧会をされるということでインタビューさせていただいて。その時に「僕が通っていた小学校の木が未だに残ってるんだよ」みたいな話をしてくださって。私はその時代まだ生まれてもいないですけど、実際に行ってみたら本当にその木がまだ残っていて。なんかその答え合わせができたときにちょっと感動したといいますか。風景や風土を人を介して発信できること。そういった役割もローカルインタビューをするうえで大切な要素だなと気づかされました。
qbc:
その感動って何か他のもので似てる感動とかあります?美味しいスイーツを食べた感動とかあるじゃないすか。その感動って何かと比べられます?今までの人生経験の中で似たものってありました?
しぶや:
えー、似たもの?なんでしょう……。
qbc:
オリジナルだったらオリジナルでいいですよ。これ他では経験できないなっていうのでも全然いいし。
しぶや:
すみません。いい例えが思いつかなくて...。でもさっきの小学校の木の話も話を聞くまで長い歴史があることを知らなかったですし、まだまだ私はこの町のこと、知らないことがたくさんあるんだなって気づかされて。ガイドブックには載っていない秘境に辿り着けた感じですかね。
qbc:
なるほど、ありがとうございます。他のお二人は何かあります?
ナカザワアヤミ:
私はローカル以外の人についてもインタビューをすることがあるんですけど、比べたときに、暮らしの場所がわかってるわけじゃないですか。例えば海士町の人だったら、この人今も海士町で暮らしてる人だよねっていうのがわかった状態で聞いたりとか。ローカルですって言ってる人って、ここの地域で活動してますって実際に言った状態でインタビュー受けに来てくださると思うんですけど。百発百中って意味じゃないんですけど、その暮らしの場を私がわかってることによってなのか、その人が示してることによってなのかわかんないんですけど、なんかちょっとリアリティがあるというか。この人はその場所にいるんだなって思う。思えるのか、それを本人も思った状態で喋ってるからなのかわかんないんですけど。ただ何をしたっていうのもそうだし、その人のあり方みたいな、暮らしのあり方みたいなのが、より文脈が乗るというか。なんて言うんですかね、知らない人なんだけどちょっと知ってる感じがするとか。少しその人のことを知る手がかりに、やっぱり住んでる場所っていうのを謳ってる人は、住んでる場所、ローカルっていう場所がその人らしさに何か影響してんだろうなっていうのを感じますね。
qbc:
現地に行ってないとダメですよね。あ、でも現地に行ってなくても大丈夫なのかな。
ナカザワアヤミ:
あー、どっちなんだろうな。でも私の場合だと、実際行った場所の方がよりそういう文脈がわかる感じがあって。共感覚というか。その人はこういう場でこういうことを感じてる人なんだ、っていう情報量が増える感じはある。
行ったことがない場所でも、場所を聞いたときにこういう感じの町っぽいぞっていうのをなんとなく肌感覚で見たときに、こういう感じの町でこういうこと言ってる人いるいるーみたいな。なんかそういう人多いよね、みたいな話もたまにあって。すごい田舎で生まれて暮らしててみたいな話をされたときに、電車がなかったからやっぱり電車にはなかなか乗らないよねみたいな話とかがあると、そういう環境の中で生きてきて、こういう学生生活を送った人なんだとか。人の多い中でごちゃまぜにされて育ったのか自然の中で育ったのかとか、今そういう場所にいるとかっていう話を聞いたときに、だからこの人こういうこと言ってるんだって思ったりすることはあって。「ちょっと閉塞感があった学生生活でした」みたいな話を聞いて、それが都会で起こったことなのか、田舎で起こったことなのかで意味合いが違うかなと思ってて。田舎すぎてどこにも遊ぶとこがなかったから自転車でどこまでも行くようになりました、みたいな話に最終的に繋がってくるような気がしています。わかりにくくてすみません。
qbc:
いえいえ。ゆいぴさんはいかがですか?
ゆいぴ:
うーん。通常のインタビューではしないんですけど、磐梯町の人たちのインタビューではする質問っていうのがあって。「磐梯町ってどういう存在ですか」みたいな質問をよくしてるんですよね。その答えに割と統一性があるというか。移住してきた方々は、みんな「心地いいです」「居心地が良くて」みたいなことを答える人が多い。言葉は違えど、そういう答えをする人が多い。生まれも育ちも磐梯町ですっていう方は、なんでしょうね、町を変えていきたい!みたいな。なんかそういうニュアンスのことを言う人が多いイメージ、体感では。
以前その質問をしたときに、「アトラクションみたいな感じです」って答えた人がいたんですよ。その人は生まれも育ちも磐梯町の方だったんですけど、「僕は磐梯町っていうアトラクションの住民だと思ってます」って言ったんですよ。なんかこりゃまた度肝抜かれたなと思って。ここの魅力は、ディズニーランドみたいに綺麗に言語化とかビジュアル化されてるわけじゃないけど、ちゃんとカルチャーとか世界観があって、その時代に沿って町も変わり続けている一方で、自然とか文化とかっていう普遍的なものと共存しているのが磐梯町の魅力なんです、って。しかもそのアトラクションをただ楽しんでるんじゃなくて、楽しませる側の住民だと思っているんですよ。すごい能動的なんですよ。いわゆる消費者じゃないっていう。そこから見える地域の特性って言われると難しいんですけど、こういう山中の田舎でそういう人と出会えるっていうのが、磐梯町の面白いところだなってそのときに思いましたし、今も思ってます。
今の環境がなかったらインタビューしなかった?
ナカザワアヤミ:
私はさっきお話したように、そもそものインタビューみたいな部分から入って面白いなって思ってインタビューをやるっていうところから無名人インタビューに入った人間で、ローカルインタビューから入ったわけじゃない。しぶやさんも微妙なところだとは思うんですけど、でも再開のきっかけは地域でのインタビューっていうところだったかと。
ゆいぴさんとしぶやさんは、その地域でのインタビュアーっていう役割を今持ってると思うんですけど、その出会いがなかった世界線って逆にインタビューしてたんですか?
しぶや:
そうですね。私のインタビューのはじまりは大学の新聞プロジェクトであって。きっとその経験がなかったら、この仕事にはいきつかなかったなと思います。大好きなイベントを何かしらの形に残したいって思ったときの手段として、言葉を文章にして発信したいと思ったのは、新聞プロジェクトでインタビューしてきたからだと思うし、その経験があったから今、海士町でインタビュアーができているんだと思います。
ゆいぴ:
私はそもそも磐梯町の人の良さとか面白さを自分じゃ言語化できないって思って、もうその人に直接聞いちゃえ、じゃあインタビューじゃん!と思って始めたところがあるので。もしインタビューっていうのが頭になかったとしたら……どうなんだろう。でもnoteに記事を投稿するっていう形じゃなくても、例えば動画で「その人に突撃してみた」みたいな動画をあげるとか、その人に話を聞くっていうところはどうしても入ってきちゃうのかなって、今ふと思ったりしましたね。人にフォーカスした町おこしをしたいっていうのは、協力隊に着任した初期の頃から、インタビューっていう発想になる前から思ってたことではあるので、それに関わることはしてたんじゃないかなっていう。そんな感じです。
ナカザワアヤミ:
うん、ありがとうございます。
聞き手として
qbc:
実際にインタビューをしてきて、インタビュアーでよかったなとか、インタビュアーの技術的に困ったこととか、聞き手として出会った出来事みたいなのを聞いてみたいですね。
しぶや:
人と人が繋がるきっかけみたいなのがすごく生まれているなって思っていて。例えば自分がインタビューして、公開した記事を違う企業の方が見て、その人に取材のオファーがいったりだとか。「あの記事すごい反響があったよ」って声をかけていただくことがあったり。インタビューをして記事を公開して、それがその後の行動に繋がったときに、人と人を繋げる役割もすごくあるんだなっていうのを実感して。インタビューを始めた当初もそうなったらいいなっていう気持ちで挑んではいたんですけど、よりそれが鮮明に見えたといいますか。もしかしたら誰かのきっかけになるかもしれないってインタビューは常に緊張感をもって臨むようになりましたね。
qbc:
いつ頃からそういう反響というか、具体的に感じるようになったタイミングみたいなのあったりします?
しぶや:
島の方から「記事を読んだよ!」で1つの会話が生まれたり、「来島前に読んでいました」とか「取材のオファーがありました」と自分の耳に届いたときに感じました。
qbc:
お二人はいかがですか?聞き手として良かったこと悪かったこと、困ったことでも。
ゆいぴ:
私の場合は、インタビューする人が全員顔見知りなんですよ。しぶやさんもそうなのかな?狭い町に住んでる人を対象にインタビューしてるし、基本的に応募してくるのが若い方とか役場周りの方が多くて、どうしても顔見知りになる。しっかりは知ってなくても、名前と顔と何やってる人かっていうことぐらいは知ってるみたいな。そうなってくると、第三者目線からの質問が難しいっていうところ。最初はそれが大きかったですね。最近はあんまり感じないんですけど。相手も私も知っていることだと無意識に聞かないときがあるんですよね。
例えば相手が東京都出身だっていうことを私も知ってる、相手はもちろん自分のことだから知ってる、っていうとき。本当だったらインタビューの中で「ご出身はどちらですか?」「東京です」からその話を続けていきたいんだよね、私としては。でも東京出身であること前提で話が上滑りするというか進んでいってしまう。っていうことが、最初はちょっと起こったり起こりそうになったりしてて。で、相手も私のことを知ってるので、例えばその質問をしたときに「え?ゆいぴさん僕の出身地知ってますよね?」みたいな反応してくるんですよね(笑) そりゃ知ってるけど!っていう話なんですけど。なので最近はインタビューが始まる前にそれを忠告というか、言うようにしてますね。私はあくまで第三者視点、インタビュアーのゆいぴとして接するのでそこはご了承くださいっていうことは言うように最近はしてます。困ったことって言えばそのくらいですかね。
qbc:
ナカザワさんはいかがですか?
ナカザワアヤミ:
そもそも私のコミュニケーションの質として人に影響を与えたいとかを一切思ったことがないタイプなので、第三者になるっていうのは全然苦でもないし、むしろそのやり取りは楽しめてて。多少ちょっと話したことある人だと困るかなって思いつつも、さっきのゆいぴさんの話じゃないですけど、インタビューってことで改めて自己紹介してください、みたいな感じで入れると割とすんなりいけるっていうのはあるのでそこ自体は大丈夫なんですけど。
逆に第三者としてしか聞けないので、その話を受け止めたときに、こういう面白い人が他にもいたなーとか、この人と話が合いそうだなーとか。そういう視点から聞きたいことが出てきちゃうときがやっぱりあって。第三者インタビュアーとしてじゃなくて、その人の活動の助けになるような情報を掘り返すために質問したくなっちゃうときもあるので。そうじゃなくて、一旦やっぱその人が何を考えてるか聞かなきゃっていう、聞かなきゃっていうか、聞くべき場だなっていうのは思うし。そういう繋ぐ目的のやり取りも別でしたいなって思うときもあります。あの人とあの人めっちゃ良さそうとか、もっとこういう視点で聞いて掘り返したいなみたいなこともあるけど、必要がなければあんまり聞かない。みたいな。
ローカルとインタビュー
qbc:
ちょっと主語が大きくなるんすけどもローカルとインタビュー。ローカルが何かって言ったら地域みたいな感じで、ハッキリ言うと東京もローカルです。例えば私は地元東京だし、だから東京が私の住む場所、生まれた場所だからローカルだと思ってるんですね。自分にとって特別な場所だったりするのがローカルだと考えてて。そういう場所とインタビューっていうのはどう感じますか?
例えば、ある地域に来た人に対するインタビューをされてたりとか、ある特定のローカルにずっと生まれて住んでるような人にインタビューしてたりとか、そういうふうに考えていくとローカルインタビューってそこに住んでる人の意見とか考え方を吸い上げる、広げて周りに伝えていく道具なんだなって思うんですけれども。そうなったときにローカルとインタビューってどういう関係になるのかなというか。感じることありますか?
ゆいぴ:
どういう関係?
qbc:
ローカルというものにインタビューがどう貢献できるか、インタビューをどう活かせるか。逆にインタビューから見たら、ローカルというものをどう活かせるのか。地域に関わるインタビューしてる人として、それぞれ地域活性をしたりだとか移住者を増やしたいっていうような人たちはいると思うんですよ。それとは別個に、インタビューをする人の話を聞いたりとか、それを発信したりしたいっていうような、たまたま今回集まった三人はそれを重ね合わせてやってる人たちですけれども、その場から見るとそれを重ね合わせてる人たちばっかりではないわけですよね。なので、そういう視点っていうのは貴重な視点っていうところで、何か感じることとか考えることありますかね。
シンプルにそこに住んでる人のことを発信して取材が来たりっていうことはもちろん、そのローカルとインタビューの関係性っていうものを考えると、その場所のことを知ってる人にとってはわかってることだけれども、それをあえてインタビューすることによってローカル外の人にも伝わっていく。武器にもなるよねとか、そんな感じのことですね。
しぶや:
個人的な意見なんですけど、島の特性がインタビューを通して見えてきた気がしていて。海士町には「ないものはない」ってキャッチコピーがあるんですけど、ないものはないという言葉の意味にもあるように自分たちで何かを生み出す力がすごいある島だなって思っていて。例えば最近だと、島の伝統食のこじょうゆ味噌を残したいから、こじょうゆ糀(ばな)っていう味噌の元となるものを作り続けようと立ち上がった島の人たちがいたり、Iターンで来られて子育て真っ只中のお母さんたちが、お惣菜屋さんがなかった島にお惣菜屋さんを立ち上げたり。年齢問わず、Iターンであろうが海士町出身であろうが島の課題に向き合って島の良さを活かしながら新しいものを生み出している。その人たちが発した言葉から、やっぱり海士町って「ないものはない」もそうだし、「自立・挑戦・交流」の島なんだということが発信できているんじゃないかなって思っていて。インタビューを通して島の特性や魅力が自然と見えてきているなと。人にフォーカスしたインタビューをさせていただいて、そう感じることが増えてきました。すみません、答えになってるかわかんないです(笑)
qbc:
しぶやさん自身は自分が一番その人の影響を受けてると思います?インタビューする相手が一次情報ですよね。しぶやさんがそれを直接受けて、後ろに読者がいるって考えると、自分が一番影響を受けてると思いますか?どう思います?
しぶや:
インタビューをして話を聞いて、その話「わかるわかる!」って共感することはあります。でも後ろに読者がいるとしたら私が1番とは限らないし、インタビューを受けた本人かもしれないですし。でも結果として誰かにいい影響を与えられていたらうれしいです。
qbc:
なるほど、ありがとうございます。ゆいぴさんはどうですか?
ゆいぴ:
私はどうしても地域おこし協力隊としての視点が入ってきてしまうので、それに絡めたことにはなっちゃうんですけど。最初はインタビューって情報発信ツールだと思ってて。別に間違いではないんですけど、ただそれだけだと思ってて。だから私の当初の動機って、磐梯町の人を発信したいから、だったんですよね。もちろんそれは今も変わりないけど。以前のインタビューでも少しお答えしたんですけど、今はコミュニケーションツールとか観光コンテンツの一つに成り得るんだろうなって思ってます。コミュニケーションっていうのは、形はいろいろあるけど、例えば「あなたの記事読んだよ」とか「これ私がインタビューされた記事なんですよ」とかっていう僅かな対話みたいな。それでより互いを知って生まれる交流とか、さらにもっと言うとビジネスとか。これは主に町内に対するアプローチなんですけど。
あと観光コンテンツっていうのは磐梯町にこういう人がいるっていう新しいデータを入手して、そこからいろんな情報を自発的に得たりとか、磐梯町に実際に訪れるとか、その記事に出てきた場所に行ってみたいと思ってくれたり実際に行ったりとか。あとはインタビューの参加者に会ってみたいから磐梯町に来たとか。そういう点では人を呼び込む手段にはなるのかなとは思ってて。なんか地域活性化っていうとすごい広義すぎて難しいんですけど、私がミッションとして担ってる関係人口の点からいうとそこが大きいのかなっていうふうに思ってます。
あとはもう海士町じゃないですけど、インタビューが盛んな町っていうのを作り上げるしかないのかなっていう。この町をインタビューの聖地にしちゃう(笑) そしたら投稿してる記事の内容関係なしに、インタビューっていうコンテンツを求めて人が来るから。あとは小中学校の授業に取り入れたりして、インタビューの英才教育をしちゃう。そしたら教育でも人を呼べるかな。小さいお子さんがいる若い親世代の方々とか。ちょっと飛躍したけど、そんなところですかね。
qbc:
日本一インタビューする町ね。
ゆいぴ:
される町でも、する町でも。
qbc:
ありがとうございます。ナカザワさんはいかがですかね?
ナカザワアヤミ:
結論が結構ゆいぴさんと近いかもしれないんですけど。インタビューを地域の中でする、私は自分がいる横瀬町では実はしたことないんですけど、あの地域の人にインタビューするっていうのをやったときに思ったのは、やっぱりインタビューと地域ってめちゃくちゃ相性がいいなっていうのは思っていて。人を伝える技術としてはすごくいいことだなと思っていて。何をやってますよ、どういう商品がありますよ、じゃなくて、こういう人がいますよっていうことを伝えるニーズって地域にすごくあるなっていうのがあって。なのでゆいぴさんをはじめとして、他の自治体でも地域おこし協力隊の方が地域の人に話を聞いて記事を作ってますとかそういう話は本当によく聞くので、必要とされてるんだろうな、相性もいいんだろうなっていうのはありつつ。
さっきのゆいぴさんの話とも重なるんですけど、誰に伝えたいの?みたいなところって結構ふわっとしたままみんな動き出すんだと思うんですけど。例えば、この人の話めちゃくちゃ面白いから聞きたい伝えたい、じゃあ誰に?ネットにあげて全世界にあげればいいの?って言われるとたぶん別にそうじゃなくて。それで終わってしまうとって本当に意味はないんですけど。やっぱりローカルだと知ってる人同士が多くて、別に経歴があるないじゃなくて、あそこん家のあの人、みたいなのがみんながわかってる状態の町だと、あの人がインタビューされたらしいよとかそういう話めちゃくちゃ聞くんですよ。だからそういう形で中でのコミュニケーションの活性化っていうのにはすごく役立つし、そういうことをしている町であること自体もそれはそれで意味があるしっていうのがあるなというところがあるので。インタビューしたものをどう伝えていくのかとか、誰に伝えていきたいかみたいなところはもうちょっと練り上げていくと新たな可能性じゃないですけど、そうなるのかなと思うし。そこはやって終わりだとつまんないよねっていうのは最近思っていて。うまく使えたらいいなっていうのが可能性としてあります。
あともう一個、地域とインタビューの相性がいいなと思ったのは、いわゆる経済成長するためにすごい人の言葉を聞こうみたいなニーズってあんまりなくて。より複雑な一人の何とかさんっていう人が面白いわけで、そういうのとやっぱインタビューって相性いいよなって思います。こうすれば勝てるとかじゃなくて、こういうこの人が面白い、みたいな話が。私も印象に残るのは、こうやって成功しましたって話じゃなくて、なんかちっちゃいころ泥団子を作るのが好きでみたいな話とかそういうのを自分も覚えてたりするので。その複雑なまとまってない面白さを活かしていけたらいいのかなと思ったりしています。
「人の魅力」を違った表現で言うと?
qbc:
特に想定してなかったけど、今回ちゃんと三町連携になってるんすね。
ナカザワ:
私は一応わかっていましたよ、ちなみに。
qbc:
インタビュー的にはこれで終わっていいんですけど、何かお互いに聞きたいことあれば。
ナカザワアヤミ:
先日旅する公務員で、海士町の宮原さんが横瀬町にいらっしゃってて。三町連携もっと進めたいよね、みたいな話をしたときに、三町に関係あるのってなんだ?無名人インタビューか。なんて話になって。続けていくとこういうこともあるなっていう話。
ゆいぴ:
確かに。
qbc:
総括ってわけじゃないけど、やっぱり個人の興味とその関わり方はそれぞれだなとも思いながら。インタビューはしているけど、しぶやさんは海士町の公式noteっていう仕事としてやっていて、ゆいぴさんは地域おこし協力隊として同僚の地域おこし協力隊から始まってるインタビューだから距離感がやっぱりちょっと違うなっていうのと、ナカザワさんは地域おこし協力隊ではなくていろんな地域のローカルプレーヤーみたいな人たちにインタビューするっていうポジションなんだよね。だから、それぞれローカルインタビューっていう言い方でまとめてますけど、見え方がちょっとずつ違うなっていうのは。あとは普通にパーソナリティが違うので、感じるものが違うんだなみたいな感じがしてましたね。ただお三方通して言っていたのは「人」っていう部分ですかね。
ナカザワアヤミ:
これは質問なのかわかんないんですけども、いろんな町の移住定住に関するお話を聞いたりする機会が結構多かったりとか、前の仕事でも各自治体の「私たちの町の魅力はこれです」みたいな話を聞いたり見たりする機会が非常に多かったんですけど。結局「うちの町の良いところは人なんだよね」がめちゃくちゃ多いんですよ。なんかでも、そりゃそうなんだけどっていうところがあって。その「人なんだよね」を体験してもらうツールとしても、インタビューってたぶん使えるかなと思うし。そこについてアイディアとかあれば聞きたいなっていう、すごいふわっとしてるんですけど。要は表現すると「うちの町は人が魅力なんです」ってなっちゃうけど、どうにかして表現が変えられないかなっていうのを最近ちょっと思っていて。人を伝えてきたお二人的に、その表現が一番いいよ、なのか、もっとこういう面があるよね、なのか聞いてみたいなと思っちゃいました。
ゆいぴ:
人がいいよね、に代わる表現ってこと?
ナカザワアヤミ:
そうですね。結局そうやって伝えるしかないのかなっていうのが私の疑問で。一言で言うと、うちの町の魅力は人ですってなっちゃうんですけど、それ以外にどうにかその良さを伝えられないのかなって思っています。
ゆいぴ:
でも結局伝えたいところは、町の良さは人とか町の魅力は人っていうところなんですもんね。
ナカザワアヤミ:
そうなのかもしれないですけど、違うのかな実際。
qbc:
コミュニティですよね、人の良さって要するに。その場所で一緒に、その土地の人と一緒にいることが楽しいってことですよね。
ナカザワアヤミ:
きっとそうなのかもしれないですね。磐梯町で2週間過ごしたqbcさん的アンサーでも何かあれば聞きたいなと。
qbc:
無名人インタビューのコミュニティでもこの間やったんですけど、私が司会進行でインタビューをやります。ゲストが一人いて私はその人にインタビューするんですよ。オンラインですけど周りには五、六人いて、私がリードインタビューをやって、こういう人なんですよねって紹介をして。だから記事じゃなくてリアルですよね。そのうちにそのオーディエンスからも質問が投げかけてくるような状態。であれば、その人の人柄も伝わるし、参加することも可能な状態。
それはだから飲み屋だったりとか、あとはこの間磐梯町のゲストハウスでご飯会やったんですけども、それはやっぱりなんていうのかな、あのホットプレートで焼肉焼きながら会話するときの感じ。みんな個々で話はしてるんだけど、なんか大枠で話題を振り合ったりするような状態。あの楽しさっていうのはやっぱり人が良くないと。しかも10日間しか一緒にいなかったような人たち。パッと話をして楽しいよねっていう空間が作れるのはそもそもそういうのに慣れてるっていうのもあるし、人が良いからですよね。東京だったら帰っちゃう人普通にいるし、得られるものがないみたいな空気。なんかそういうのじゃないっていうのはやっぱり人の良さがもたらす楽しさだと思いますね。話したら楽しいんだろうけど、その話すっていうのがイベントとしてなるのってやっぱご飯一緒に食べたりとか、お酒一緒に飲んだりみたいなそういう場じゃないかなと思いますね。
ナカザワアヤミ:
求めるとあれですよね、人が良いことによって感じられる良い感情を伝えたいみたいな。
qbc:
コミュニティ空間、それは人がいるゲストハウスっていうようなものかもしれないし、コミュニティの強いカフェって言い方になるかもしれないし。海士町だとあまマーレか。人がいて、居心地のいい場所で、建物に面白みがあって。そこでいろいろみんなでやるっていう楽しさ。それは行政側の仕掛けというか建物の仕掛けともちろんあるけれども、もちろんそこにいる人が面白くないとやっぱり面白くないので。
確かに「人がいいんですよ」っていうのは、結果どういうふうに自分の人生の楽しさとか良さに繋がってくるかっていうのはわかんないとイメージ伝わらないにくいですよね、きっとね。水がいいんだよっていうのを聞くと、水がいいと食べ物が美味しいよねみたいなアウトプットがあるから。
ナカザワアヤミ:
ボールが見えないと、つまりどういうこと?みたいな。
qbc:
そうそうそうそう。人自体の魅力はインタビューで伝えられたとしてもね、そこに住んで実際に楽しむ楽しさみたいなものは、そういうことを伝えないとわかんないかもしれないすね。
ナカザワアヤミ:
実際のリアルな現場を知ってるゆいぴさんとかしぶやさんとかにも永遠のテーマでちょっと教えてほしいなって。共感いただけなかったら答えはないと思うんですけど。人がいいんだよ、だけどもう一個伝えたいってときにどうにかしたいなっていう。
ゆいぴ:
難しいっすよね。人がいいんだよ、人がいいから何なんだ?っていうところで。なんでしょうね。町は人の上に成り立ってるっていうことをもうちょっと綺麗に言語化するのがいいのかな。町があるから人がいるんじゃなくて、人がいるから町があるんだよ。っていうことをもうちょっと綺麗に。これだとちょっと長いから、それをもっとうまく言語化するのがいいのかな。そのぐらいしか思いつかないけど、でも意識としてはたぶん私とかしぶやさんとかにもそういうのってあるのかなって思う。人の上に町だったりとか町の良いところが成り立ってるんだよっていう。
ナカザワアヤミ:
そうですね、確かに。
しぶや:
海士町でもよく聞く話は、人があたたかいとか挨拶が飛び交う町みたいな。それに限らずですけど、そういう人たちがいるからこの町があるんだなーといろいろ考えてしまいました。ゆいぴさんがお話されてた人の上に町があるっていうのは、確かになって。私も腑に落ちたっていうか。
ゆいぴ:
前に自分のnoteに同じようなこと書いたことあって。「地域の名産品とか、名所とか、まちづくりとか、飯の美味い店とか。全部、何の上に成り立ってると思います?起点はすべて、ね。そういうこと。」っていうウザめの文章を書いてるんすけど(笑) まあ要するにそういうことで。結局は全部人の上に成り立つんだよねーっていうのを、今ふと思った。
ナカザワアヤミ:
あれですよね、人の上に成り立ってるっていうそのこと自体を感覚としてたぶん理解できないでその話を聞くと、なんじゃそりゃってなるし。そこの足元の人の上に成り立ってるから人がいいんですよって言ってるんだ自分たちは、って言ってる方もちゃんと理解しとかないと、何か言葉足らずな感じにお互いなっちゃいますね、確かに。聞いてよかった。ごめんなさい、自己満足だけしてます。
qbc:
お三方とも、ありがとうございました。
あとがき
横瀬町、海士町、そして磐梯町。行政的に協定を結んでいるこの三町が、まさかこのような形で集合するとは思ってもいませんでした。少なくともインタビューを企画していた時点での私には想像もできなかったですよ。私ゆいぴ自身は磐梯町に住んでいますが、横瀬町にも海士町にも訪れました。それぞれの町でそこに暮らす人々と関わり、もちろんアヤミさんとしぶやさんにもお会いして、町の空気を吸って、食や文化に触れて。正直もうどちらもヨソの町とは思えませんね。
地方だからじゃなく、そこに人がいて暮らしがあれば世界はすべてローカルなんです。東京もローカルです、というのはそういうことです。そしてそこには必ずアイデンティティが存在する。素晴らしく面白い人々と、その上に成り立つローカルのことを、これからも私たちはインタビューを通して伝え続けます。
横瀬町、海士町、磐梯町に愛を込めて。
(編集・あとがき:ゆいぴ)
#一度は行きたいあの場所 #この街がすき #インタビュー #地方創生 #地域活性 #海士町 #磐梯町 #横瀬町
「ローカルな人インタビュー」マガジンはこちらから!
いいなと思ったら応援しよう!
