「宇宙は誘惑する」

誘惑を受け止める僕には
隠された想像と汚された純粋性とがひしめき合う

君が求めている未来の世界には
きっと似つかないものだろう

僕はきっと何も変わらないと思う
昨日の自分と 今の僕と これからの自分も

でも今 あなたの言葉を想いだして
いとおしくて涙を溜めた事は忘れずにいるだろう

君の恋がきっと 僕の恋を呼んで
ある途方もない 一方通行の恋愛へと歩みを始めたんだ

これを愛だと呼んでほしい 僕の中の僕らは
巡りあいからはじまり恋を飛び越えてしまった様に
まるで想いでの忘れ形見の様に あなたを愛している

どうしても片割れのまま生きているんだろうか
それを嘘だと 生きていくのだろうか

そんなものはどうでもいい
そんなことはどうでもいい

僕らは時に その常識性を煩わしく思うだろう
押し留めてしまう感情は 同時に残酷なほどの
冷たい輝きを持って その愛を育てていく

嵐の中ですれ違っていく光矢の様に
戦友などとして 張りつめた糸を編んでいられたなら
きっとくちづけだけでも充分なのに

僕らには時間があるから 切り取られた一瞬に生きる
そんな永遠の中では もしかすると意図もかんたんに
離れ離れになる事だってありえるのかもしれない

この宇宙が爆発から始まった様に
いつか内部からもう一つの世界が産まれることだろう

そして幾億もの銀河の雨が その時 君を癒すのだろう

緩やかな弧を描き
僕らは廻り続ける光の輪になるだろう

20020329