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大学授業一歩前(第113講)

はじめに

今回は数多くの書籍を執筆してらっしゃる倉下忠憲様に記事を書いて頂きました。お忙しい中作成して頂きありがとうございました。是非、ご一読下さいませ。

プロフィール

Q:ご自身のプロフィールを教えてください。

A:京都府在住の物書きです。20代の頃は地元のコンビニで店長の仕事をしていましたが、なんの因果か30歳のときに本を出版できることになり、そこから専業の物書きにジョブチェンジしました。10年ほどこの仕事を続けています。最近『すべてはノートからはじまる』という新書を出版しました。珍しい名字なのでアマゾンで検索していただければ、知的生産系の書籍がいろいろ見つかると思います。

オススメの過ごし方

Q:大学生にオススメの過ごし方を教えてください。

A:何でも真剣に取り組まれるとよいかと思います。勉学でもアルバイトでも遊びでも、真剣にやった方が得られるものは多いですし、何よりそれが一番楽しめます。何かをつまらなくするもっとも簡単な方法はそれをテキトーに済ませてしまうことです。真剣にやろうとすれば、視点が変わらざるを得ませんし、それが知的好奇心を広げてもくれます。"楽しさ"や"やりがい"はそうやって育んでいくものだと思います。

必須の能力

Q:大学生に必須の能力はどのようなものだとお考えになりますか。

A:おそらく質問する力でしょう。疑問を持ち、それを他者に投げかけること。もっと言えば、他の人を頼りにすること。これまではかなり競争的な環境に身を置かれてきたでしょうし、これからもちょくちょくそういう場面はあるでしょうが、独力でなんとかできることには限界があります。「自分」を単独で孤独な存在と見なすのではなく、ある「つながり」の中に位置するものだと捉えて、他人に向けて自分のドアを開けられるようになると素晴らしいと思います。

学ぶ意義

Q:ご自身にとっての学びの意義を教えてください。

A:申し訳ないくらいに「自分の知的好奇心を満たすこと」でしかありません。面白いから学ぶ。きわめて享楽的な営みです。よく「努力は裏切らない」と言いますが、実際、努力は裏切ります。それも良い意味で裏切ります。「"あれ"がこんなことの役に立つだなんて」ということが人生でたびたび起こるのです。気の利いたミステリー小説みたいに、後から"あれ"が「伏線」になってゆくのです。そういう意外な副産物も学ぶことの面白さです。

オススメの一冊

Q:オススメの一冊を教えてください。

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A:高尚な本の持ち合わせがないので、私自身が若いときに影響を受けた本を紹介します。デイル・ドーテン著・野津智子訳(2001)『仕事は楽しいかね?』きこ書房という本は、ようするに自己啓発書なのですが、よくある自己啓発書的メッセージを裏切っている点に魅力があります。「目標を立てて、そこに向けて邁進する? 本当にそんなことができるのかね?」という、現代で言えばアジャイル的な視点でのセルフマネジメントが語られています。天の邪鬼な人にぴったりな一冊です。

メッセージ

Q:最後に大学生へのメッセージをお願いします。

A:時代の先行きの不透明さがよく取り沙汰されるわけですが、そういうときに安易に「安定」を捉えようとすると、だいたい足を掬われます。それよりも、──耐震構造がそうであるように──、少しくらいの揺れがあってもその力を逃がせるようになっておくのがよいでしょう。確信や信念に固執するのではなく、いつでも自分の中に変化する余地を持っておくこと。予期せぬ未来と出会えるように、知的好奇心を広げておくこと。それが大切なのではないかと思います。

おわりに

今回は数多くの書籍を執筆してらっしゃる倉下忠憲様に記事を書いて頂きました。お忙しい中作成して頂きありがとうございました。

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倉下様の著作『すべてはノートからはじまる』はペンとノートがあれば自分を変えることが出来る、そんな勇気を与えてくれた一冊でした。是非、こちらもご覧くださいませ。書くことと生きることはもしかしたら、不可分なのかもしれないですね。次回もお楽しみに!!



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