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旅行先での事

タイトル:(仮)旅行先での事、全身が震え上がるほどの恐怖体験を私はした…。今でも忘れない…まさかあの旅館のあの部屋で…あんな事があったなんて…

1行要約:
布団の周りをグルグル回り続けた霊のお話

▼登場人物
●涼子(りょうこ):女性。30歳。OL。旅行好き。
●冴子(さえこ:涼子の友達で同僚。よく一緒に旅行へ行く。30歳。
●絹子(きぬこ):涼子と冴子が泊まった部屋に出て来る幽霊。若い感じの女。その部屋で自殺していた。
●中居:A旅館の中居。

▼場所設定
●会社:旅行会社。一般的なイメージで。
●A旅館:温泉付きの旅館。風情満点で、川床もある。新装しているが、やや古ぼけた棟・部屋も残っている。やや山奥にある。しかし年間の旅行客は最近減っている。

NAは涼子でよろしくお願いいたします。

オープニング~

エクソちゃん:ねぇデビルくん、旅行とかって好きなほう?
デビルくん:旅行だって?いや、俺ぁほとんど旅行行かねーな。枕変わっちゃ寝れないんだよね。
エクソちゃん:そうなんだ。今回はねー、その旅行先でのホラーストーリーなんだ♪
エクソちゃん:ある旅行好きの2人の女の人がいてね、その2人が行った温泉付きで名所でもある老舗旅館がさ、実は悲惨な事件があった場所…だったのよ。
デビルくん:のっけから怖い振りだな…。
エクソちゃん:今回のお話も、めっちゃ怖いわよ~!絶対に1人じゃ観ないようにしてね…

メインシナリオ~
(メインシナリオのみ=3938字)

ト書き〈旅行会社で働いている風景〉

NA)
私の名前は涼子。今年30歳で、入社してもう5年になる。
同僚の冴子とは仕事柄、旅行スポット情報が簡単に手に入るので、3か月に1回くらいのペースで旅行に行く。

冴子)「ねぇねぇ涼子!この温泉付きの旅館、イイと思わない?」

涼子)「どれどれ♪ふぅん、そうね!結構イイかもね~」

NA)
私達はお互いに見付けた旅行先をピックアップして来て、イイ所があればすぐにプランを組んで行く…!
冴子が見付けて来たのは温泉付きの老舗A旅館で、秘湯が有名な観光スポットとして知られていた。
私は根っからの温泉好きだったので、見せられた途端、2つ返事でOKだった。

ト書き〈旅館に向かう当日〉

NA)
プランを決めて5日後、待ちに待った連休(有給使った♪)
私と冴子はさっそく旅行に出発!
移動手段は快適な新幹線と特急。
私達の仕事は土日祝日が基本だが、シフト調整によっては平日でも休みを取る事が可能。
この日は平日でもあり、新幹線はガラ空きで快適♪特急への乗り継ぎもスムーズで、旅館までは比較的すぐ着いた。

ト書き〈A旅館に到着〉

涼子)「うわぁ~着いたねぇ~♪」

冴子)「へぇー、結構、古めかしい感じもあるわね」

NA)
朝早くに出発し、着いたのは昼前。なんとか午前中に着く事が出来た。
旅館の外観は新装しているようだが所々に古めかしい部分も残っており、昔ながらの印象がそのまま感じられた。そこに歴史の奥深さもある。
私達はさっそくチェックインし、自分達の部屋に案内された。

中居)「どうぞ、ごゆるりと」

冴子)「ありがとうございます」

NA)
私達の目的はまず温泉を満喫する事♪
「信玄の隠し湯」みたいな少し奥まった特徴を持つ温泉で、少し山奥にある旅館・温泉のため、湯に浸かりながら山の自然も満喫できる。
歴史を感じる名所も大好きだった私達には、まさに万々歳な環境である。

ト書き〈昼から温泉に入る2人〉

冴子)「あーー気持ちいいー!やっぱ来て良かったねぇ~♪」

涼子)「ほんとぉ~~♪もうずっと入ってたいぃ~」

冴子)「ここで温泉に入るでしょ?お部屋に帰って山の幸を頂くでしょ?んでもって明日はこの辺りの名所を観て回るでしょ?…んもう~楽しみのオンパレードよねぇ~♪」

涼子)「ホントホント♪たまの休みはやっぱこうやって過ごさないとね~♪ホントあたしこういうトコ大好き」

NA)
私達は心底から満足していた。
昼間っから温泉で疲れを取り、美味しいモノ沢山食べて満喫し、今回の旅行は隅々まで楽しもうと計画していた。

ト書き〈部屋に戻る2人〉

NA)
温泉を十分満喫した後、「また後で入りに来ようね♪」と約束しながら、私達は取り敢えず自分達の部屋へ戻った。
荷物もそこそこに置いてすぐ温泉に行ったので、荷物をほどいて部屋づくりをし、自分達に住みよい環境にした。
今回は2泊3日の旅行プラン。
今日は温泉と食事を十分楽しんで、明日は周辺の名所を満喫し、その次の日はまた温泉と食事を楽しむという、至れり尽くせりの計画だった。

冴子)「はぁ~~っ♪とっても気持ち良かったぁ」

涼子)「またあとで入りに行こうね♪」

冴子)「モチよ!気が済むまで入らなきゃソンよね」

NA)
私達はさっぱりした体を少しの間、畳に伸ばして休んでいだ。
しかし旅の疲れは出てくるもので、「目一杯楽しもう」とは思いつつ、やっぱり眠くなってきてしまう…。

ト書き〈その時にふっと涼子の耳にささやくような声が聞こえる〉

冴子)「…あー、涼子ォ、あたしなんだか眠くなってきちゃったぁ」

涼子)「そうねぇ~、まぁ来ていきなり温泉入ったし、体が温まっちゃって眠くなったんだね。ちょっとだけ寝ようか」

NA)
私と冴子は持参したタオルケットをお腹辺りに掛けて、ちょっと昼寝でもしようと横になった。
しかしこの時、夢うつつになった私の耳元で、誰かのささやくような声が聴こえた…

謎の声)「…あ…たし…は…ここ…ん…だ…のです…」

涼子)「…え…?なに…?…ねぇ冴子ォ…あんた何か言ったぁ…?」

NA)
冴子はもう寝ていた。話し掛けても返事がない。
私は気のせいかと思い、もう1度寝直した。

ト書き〈1日が過ぎていく〉

NA)
私達は少し仮眠を取った後、美味しい山の幸に舌鼓を打った。その後は部屋の中で少し喋り、そして旅館を出、少しだけ辺りを探索していた。
やはり観光名所と言われるだけあり、山は綺麗、山間を流れる川には風流があり、旅館横に備え付けられた川床は、まるで京都の貴船神社を想わす風情があった。

ト書き〈旅館周りを探索する2人〉

冴子)「うわぁ~、さっすが名所よね。風情満点♪」

涼子)「ホントよね~、なんかドラマとかに出て来そうな景色って言うか、独特の雰囲気あるよね~」

NA)
私達はここでも感動していた。
本当に綺麗♪
しかし少し疑問に思うところもあった。
この旅館、年間の旅行客が、最近になってかなり減っているのだ。実際、私達が泊まっている今度の日程でも、他の旅行客はほとんどいない。まるで私達の貸し切り状態って感じで、「こんなにイイ所なのに何でだろう…?」と少し疑問になっていたのだ。
まぁいつも陽気な冴子だから、「貸し切り状態ラッキー♪」くらいに思っていて、その辺りの事は深く考えていないだろう。

ト書き〈やがて夜になる〉

冴子)「あー、今日もくたびれたぁ~。今夜はホントよく眠れそうね」

涼子)「ホントねー。あたしも今日は楽しかったけど、はしゃぎすぎて疲れちゃったよ」

NA)
夕食も食べ、もう1度温泉に入った後、私達は程好く疲れて眠くなって来た。
「今日は早く寝て、明日は本格的に名所を観て回ろう」とした私達は、その夜、早めに寝る事にした。

ト書き〈就寝〉

NA)
中居さんが布団を敷きに来てくれて、私達はやっと疲れた体を伸ばす事が出来た。

冴子)「あーー気持ちいいー!…もう眠くなってきちゃったぁ~」

涼子)「あたしもー」

NA)
冴子はいつも寝る時はソッコーだ。声がしないと思ったらもう寝てる。
私はどちらかと言うと寝つきが良くない。
すぐ眠れる時もあるのだが、たいてい冴子が寝た後で寝る…そんな感じ。

涼子)「…冴子、やっぱもう寝てるなぁ。いいなぁ、寝就き良くて…」

NA)
そうしてる内に、やっぱり私も初日だからか、疲れが出て来てウトウトし始めた。

涼子)「…よかったぁ…。今日は早く眠れそうだ…」

ト書き〈金縛りに遭い、涼子はまた耳でささやく声を聞く〉

NA)
そうしていざ眠ろうとした時だった。
私はなんと、金縛りに遭ってしまった…!

涼子)「…ん?あれ…?なに…体が動かない…。それになんか…ちょっと呼吸も苦しい…えっ?これってもしかして…金縛りってやつ…?」

NA)
金縛りは体が疲れすぎた時や緊張し過ぎた時なんかになるって聞いたコトあるけど、まさかこの夜に私がなるとは思わなかった。
でも、普段でもこれまでに何度かあったので、「そのうち治るだろう」と気楽に構えていた。
すると、そんな私の右の耳元で…昼間に聞いたあの声がまたささやき始めた…

絹子)「…わたしは…子…と言い…」

絹子)「…わたしは…ここで…だの…です…」

絹子)「…わたしは…絹…子…と言い…ます…」

絹子)「…わたしは…ここで…死ん…だの…です…」

涼子)「…!」

NA)
私は一気に青ざめた。
するとその途端、点けたままにして寝ていた電気がパッ…パッ…と点滅し始め、やがて「パチン…」と音を立てて消えてしまった。
この時点で私は恐怖に落ちる…!

涼子)「(ちょ…ちょっと…これ…なん…なのよ…)」

絹子)「…わたしは…ここで…死ん…だの…です…」

NA)
私の体の右のほうで、いつからか、何となく人の気配が感じられた。
ミシ…ミシィ…という、畳の上を歩くような足音が、何となく聞こえ始めた…。
私は目を閉じたまま金縛りに遭っていたのだが、なんとか薄目を開けて、状況を確認しようとした…。
すると…

ト書き〈白い光のようなものをまとった女が、直立不動のまま、涼子の布団の周りをツーーっとグルグルグルグル回っている〉

NA)
白くぼんやりとした光をまとった若い女のようなものが、長い黒髪をだらりと垂らし、私が寝ている布団の周りをツーーーーっとグルグルグルグル…ゆっくり回っているのだ。
それを見た瞬間、私の全身が震え上がった…。
声も出ず…微塵も動けず…助けも求められず…自分がこれからどうされるのかすら分からず…、ただずっと震えているしか無い…。

ト書き〈やがてその霊は消える〉

NA)
わずかな声も上げられないまま、微動だにせずずっと震えている内、やがてその白い女のようなものはフッと消えた…。
するとその途端に消えていた電気がパッ…パッ…パッ…パァン…と点き、次第に私の金縛りも解けていった…。

ト書き〈翌日の朝〉

NA)
あれから不思議なのだが、「はぁ…よかった…」と安心したその瞬間、私はすぐに眠ったようだ。その後の記憶が全く無いのである。
気付いたら朝だった、そんな感じ。
しかし昨夜、寝る前に見たあの女の霊の事だけは、はっきり覚えていた。

冴子)「ちょ、ちょっとどうしたのよ涼子…!なんで急に帰ろうなんて…」

涼子)「いいから!お願い!もう早くここ出よ!ね!お願いだから!」

NA)
私は猛烈な勢いで冴子をお願いし、早々に帰宅しようと訴えた。
冴子は何が何だか分からない様子だったが、その時の私の様子が尋常じゃなかった為か、割とすぐに了承してくれた。
そして、チェックアウトする時に宿の人から聞いたコト…

中居)「そうですか…、あなたもアレを見たんですか…。実はここだけの話なんですけどね、お2人が今回宿泊されたあの部屋で、2年前に、1人の女性が自殺したんです。睡眠薬を多量に呑んで死んだとか、聞いています…」

NA)
ここ最近、この旅館を訪れる旅行客が減っていたその理由が、この時はっきり分かった気がした…

エンディング~

エクソちゃん:どうだった~?怖かったでしょ~~?
デビルくん:フン、まぁ旅行ほとんど行かない俺にとっては、あんま関係ないかな♪
エクソちゃん:じゃあ、あんたの自宅に出たらどーすんの?
デビルくん:こ…怖いこと言わんでくれ!
エクソちゃん:へ~、デビルでも怖がるんだ♪
デビルくん:また馬鹿にしてるな。
エクソちゃん:まぁ旅館の怖い話って結構多いよねぇ。でもホントにこんな目に遭っちゃったら、ホントどうしよ~ってなるのも無理はない…。
デビルくん:まぁどんな有名な観光名所でも、ちゃんと下調べして行くのが大事…ってこったな。
エクソちゃん:だぁね。

動画はこちら(^^♪
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