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家族であっても逃げた方がいい相手

毒親とか親ガチャとか親の心理的問題を裏付けるような子ども側の声がたくさんある親子関係。その一つに、イギリスの精神科医のジョン・ボウルビィがいう親子の役割逆転という親子関係がある。毒親や親ガチャは親に反発した子どもサイドにクローズアップした内容だが、親子の役割逆転は親に支配された子供が親の役割を担うという、どちらかと言うと親に反発できずに、親に取り込まれ、親を支える側にさせられた親子の関係性を指す。
一見、良い子に見える子の中にも、良い子を強要されてる子がいる。今回のテーマでは、後者の良い子を強要させられてる子とその親との関係性にクローズアップしていきます。
自分自身が親子の役割逆転の状態に陥ってることに気づかずに、親を支えることを基本として生きていくと、知らぬ間に自分自身の心理的抑圧を蓄積させる。そして、それを身近な人(主に配偶者)に放出する。その夫婦間の中で育つ子供は、また心理的抑圧を抱える。そうして、親子関係の負の連鎖がおきるのだ。勘違いしてはいけないのは継承は正だけではない、ということだ。気を付けなければならないのは負も継承されるということだ。継承は経済面の正負だけではない。精神面も継承させるのだ。
しかし、負の継承や負の連鎖がおきている本人たちは自分たち親子の関係性が歪なものだとは気づいてない。もし、今、自分自身が夫婦関係で苦労が絶えなかったり、子どもに心理的問題がある場合は、自分が無意識に親との関わり方で親の役割を担っていて、その心理的負担を配偶者や我が子との間に持ち込んでいないか今一度振り返ってみるのもありだと思うし、配偶者にその兆しがないか再認識するのもありだと思う。関係性を変える何かの手掛かりになるかもしれない。

自分に対する要望や要求からわかる相手の本性

例えば、相手が自分に何かしらを要望や要求をしてくる。仮に、要望や要求をストレートに伝えてこないとしても、実は相手の気持ちの中ではこちらに対して過剰な期待感を抱えていたとしよう。そして、その期待した通りにこちらが言動をおこさなかったときに、批判したり、否定したり、幻滅したりされる。突然、批判や否定、さらには幻滅されると困惑して戸惑うと思うが、そんな時は、実は相手の要望や要求が神経症的要求なのかもしれない。と、警戒するのも必要だと思う。

神経症的要求とは?

神経症的要求とは、通常の要望や要求とは違います。アメリカの精神科医カレン・ホルナイが提唱した概念ですが、特徴を簡潔にまとめると、非現実的な要望をし、自己中心的で、責任転嫁し、復讐性をもつ。と言った感じです。
わかりやすく言うと、とんでもない要求をしてくるとか、こちらの予想を大きく上回る期待をしているとかでしょうか。
夫→妻、妻→夫と要望や要求の方向は様々ですが、実例をあげると
・料理は料理店クラスの腕前で、間違いや失敗のない一定の美味しさ
・部屋の状態はモデルルームクラスの美しさ
・美貌は周りが羨む美しさや可愛さ
・ボディはグラビアアイドルクラス
・自分への接し方は紳士的優しさ(自分の気分をあげてくれる接し方・エスコートをしてほしがる)
・自分の好みに沿った入念なデートプラン
・天邪鬼な自分でも受容してくれる器の大きさ
・何も言わなくても自分を理解できる有能さ
・すべてを許してくれるという寛容さ(例えば、不倫しても浮気しても許してくれるとか、借金しても許してくれる、仕事も家事もしなくていい、など)
・自分の事だけを見守る母性(子どもよりも何よりも先に自分を構ってほしい願望)
・自分の趣味を応援する全面的なサポート(金銭的・時間的や部屋の間取りなど)
・家事と子育ては妻がすることだから、子どもが病気やケガをしても、子どもが不登校や登校拒否などの問題を抱えても一切関わらない(無責任な態度)
などです。
※注意:上記の要望や要求があるからと言って、必ずしも神経症的要求とは限りません。

神経症的要求をしてくる人と関わると?


健全であれば上記のような要望をしないか、理想は理想、妄想は妄想だと本人が理解しています。(叶わないと思ってる。理想と現実のギャップを理解している。)
しかし、神経症的要求をしてくる人は、これらの非現実的な理想や妄想を相手に当たり前のように叶えてと要望や要求をしてきます。もし、それらが叶わないと不機嫌になり相手が悪いと責任転嫁までしてきます。なので、健全な関わり方ができないと思った方がよいでしょう。そのような相手に何とか歩み寄ろうと頑張ると、相手の期待はドンドン膨らんでいき、要望や要求が増えていく一方になり、少しでも自分の思い通りにならないと、不機嫌を顕にし、暴言を吐いたり、ため息をついたり、無視したりします(モラハラも該当するかもしれません)。そのようにして、相手に罪悪感や無力感を与えるような態度で関わります。神経症的要求をしてくる人と関わっていると、いずれ自分の心が壊れることになります。まず、相手の要望や要求は止まらないし、止められないと考えて、自分の心が壊れる前に逃げるが勝ちだと思った方がいいです。

何で神経症的要求をしてくるの?

私が見てきた人は、親がそうであったから。という見解です。
親から神経症的要求をされて、自分が心理的過酷な状況で成育されたため、大人になり、自分の家庭を持った時に甘えられる配偶者に自分も神経症的要求をして満たしてもらおうとする人もいれば、そもそも家族の関わり方自体が神経症的要求だと親から刷り込まれて、無意識に神経症的要求をする人もいます。

神経症的要求をする人たちは、マズローの基本的欲求で不足感を感じています。その不足感を補おうとして名誉や名声という人からの関心や注目又は人からの愛情や同情を必死で得ようとします。しかし、欠乏欲求に突き動かされて何かを得てもそれは代理であって、本当に欲しいものではないので、欠乏感が埋まることはありません。

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