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UNIBAチーム紹介:Circuit Lab.チーム〜石を削り出すようにつくる、未だ見ぬ世界🏁🏃‍♀️🧩

2021年4月、UNIBA INC.は複数のチームによって構成される組織となりました。現在ユニバに属するチームは5つ。チーム名はZ1、Azukaritai、Circuitlab、Otasuketai、Unibirthです。 5つのチームは、どんな仕事を?どんな人が?どういう経緯で?働いているのか。短い質問形式でそれぞれのチームメンバーに答えていただきました。 同じ会社に所属しながらも、異なる方法で仕事に挑むユニークなチームの特色を知っていただければ幸いです。 Circuit Lab. チームからは、菊地さんにご回答いただきます。

菊地さん:Circuit Lab. チームのリードで唯一のメンバー。UNIBA INC.代表取締役。


Circuit Lab.ってどんなチームか教えてください!


菊地さんーUNIBA拠点「TAIYO」 のラボ部屋にて


ーまずは、何をするチームですか?

菊地:ウェブサイトやウェブアプリ、CG、アートディレクションなどをやっています。


ーCircuit Lab.の仕事の特徴や独自性はなんだと思いますか?
菊地:今までにないプロセスで作ることだと思います。既に作り方がわかっているものを繰り返しやることがあまり得意でないのもありますし、「今まで見たことのないものを作ろう」というプロジェクトに参加することが多くて。そういうプロジェクトの新しいアイデアに対応する方法は、まだ世の中に存在しないんじゃないか、という発想から始めるということでしょうか。

 ウェブサイトを作る時の優れたやり方ってあると思うのですが、そういうものには乗らないで頑張ってみるということでもありますね。 乗らずにそういうものを一回壊して、「新しいやり方で何が作れるかな」ということを考えてやっているところが、Circuit Lab.の仕事の特徴かなと思います。
効率は悪くて、いちいち「石を削り出して作る」みたいな状態です。時間をかけられる、そういうリスクを許容してもらえるプロジェクトをやらせてもらってます。


ークライアントはどういう方なのでしょうか?

菊地:「出来るのかどうか自体分からない」とか、「自分たちが何をやっているかを整理したい」とか、「どうなれば終われるのかわからない」とか、そういう状態から世の中に何か新しいものを見せていきたいと思っている方々かなと思います。
たとえば、ICC(NTTインターコミュニケーション・センター)と取り組んでいる「ハイパーICC」というプロジェクトがあります。「フィジカル空間やバーチャル空間が幾層にも重ね合っているリアリティ」を出発点にして、「そういう多層世界で作品を提示するプラットフォームはどんなものか」と考えながらWebサイトを作ったりしています。最初はどうなるかわからないんですが、いろんなアイディアを試しながら、ハイパーICCって何なんだろうと考えながら進んでいます。

Circuit Lab.の仕事ー1
ハイパーICC: ICC(NTTインターコミュニケーション・センター)の
オンラインミュージアム「ハイパーICC」の企画・制作。
2021年1月〜


ーチームの名前の由来を教えてください

菊地:もともと、チームができる前に、ユニバ社にはCircuit Lab.という活動がありました。そこで、当時流行っていた色々なセンサーや特殊なデバイスをいじったり、工作するための専用の部屋を借りたんです。
その部屋はラボと呼ばれていたのですが、自分たちが作っているのは「回路」だなということを思って、「色んな回路」という意味で「Circuit Lab.」という名前を付けました。チーム名はその名前に由来しています。
 ウェブサイトやスマートフォンのアプリ、インスタレーションのような装置でも、ユニバが作るいろんなものって、見て終わりじゃないですよね。ポチって押したら「何か反応がある」とか、「その反応の仕方で何かそこにあるなと分かる」とか、その動きの中で何かを感じてもらうものなので、その回路を作っているのだと思うんです。
 スイッチを押すと電気が光る、そうすると線は見えなくても「回路」があると分かる。スイッチを押すと光る、もう一回押すと消える、とかそういったものがウェブのボタンやセンサーの働きに対しても何か反応するということが全般にあるので。ウェブ屋と言いつつも「ウェブだけじゃないぞ」みたいな気持ちで作ったラボでした。
一回終わっていたけど、自分の今の活動と似ているところがあるし、あの名前でやり残したことをまたやりたいと思ってこの名前をもらいました。

Circuit Lab. チームロゴ


ーこのチームはどのような経緯で作られましたか?

菊地:ユニバがチームに分かれることになった時に、最初に出来たチームのひとつです。こういうチームができたらいいな思ったので作ったんですが、これといった理由はないですね。1人なので、作ろうよと誰かと話した訳でもないので。

ー1人でやろうと思った理由はなんですか?
菊地:ひとりでなくてもよかったんですが、(チーム制に分かれる前は)色々できないことがあるなと感じていたんです。
自分が「思い切ってこういう風にやりたい」って思った時に、10人のチームだと「その10人みんなが幸せになる判断」しか選択ができないということが発生する。その時に、物事に取り組む時の根本的なところで他の9人と自分が違うな、と思う場面がありました。だけど、自分のスタンスを他の人に押し付けてしまうと、その人たちも自分も大変だし嫌でした。
だけど、自分の中で「これはやらずに終われないな」ってことがいっぱいあったので、自分が思う仕事の取り組み方で、一度本気で取り組んでみたいと思ったんです。
だから、一人で始めることでそれが表現できて、上手くいき始めたら他の人を誘おう思っています。


菊地:チームのために動くとか、チームの中で自分も生かされる、それが大事なんじゃないか、ということでユニバは全体的にチーム制に変わって行ったのですが、そうなってきた頃には、自分の中では既に関心がチームに対して終わっていて、「やっぱこれ個人だな」と思うようになりました。
個人の判断のクオリティが低かったら、それが10人集まっても良いものにならない。だから本当に良いチームは「個人でも色々出来るけど、あえてチームでやっている」という状態だと思います。
だけど、それを前提にした個人とチームの関係は試したことがなかったので、個人でできることの限界、自分が最終アウトプットまで責任を負える状態で思っていることを全部やったらどうなるか試してみたかったんです。
でも、今の関心は個人寄りになっているけど、いずれチームをどうするかに戻っていくと思います。行ったり来たりでしょうね。

ラボにはレーザーカッターや3Dプリンターを
はじめ電子工作がいつでもできる環境が整っている


ーチームの魅力を教えてください

菊地:見たことのないものを見てみたい、という状況で、「アイデアから考えて自分の手で提案できる」チャンスがあるチームです。
時間がかかって、できるかどうか分からないことをいっぱい試して、100個のうち100個失敗して101個目に成功するかも、というような仕事のスタイルを求める人には魅力があるかもしれません。

ーそれはウェブサイトとかそういうものを超えて、あらゆる表現に挑戦するとういうことですか?

菊地:表現は特に限定しなくていいと思いますが、メディアとしては、物体よりもソフトウェアが中心だとは思います。
今はソフトウェアに可能性がある時代で、そこは人類のフロンティアだと思うんです。すでにソフトウェアの力を借りて大成功してる億万長者の人たちがたくさんいますが、まだまだ可能性は眠っています。
グラフィックスとか装置もやるんですが、大きな括りではソフトウェアの価値を追求している、ということだと思っています。


ーチームで大切していることはなんですか?

菊地:Circuit Lab. に一緒にやろうと声をかけてもらうからには、想像を超えることが必要だと思ってやっています。
プロジェクトが始まる時にある期待は超えた上で「Circuit Lab.とやったら想像を超えてくれるだろう」と期待してもらっていると思うので、「最初の話と違うけど、この方がいいんじゃないですか」といった提案をしたい。
他と違うユニークなものになるようなアイデアを見つけて、それを追いかけていくということかなと思います。
「始まりのときの想像」を超えることが、Circuit lab.で仕事をする上で大切にしていること、となるでしょうか。実際に手を動かしている自分自身の想像を超えることも含まれます。今まで知られていないところに行きたいんです。

Circuit Lab.の仕事ー2
にんげんフェスティバル NINGEN Societal Festival 2022
福岡県大牟田市で開催されたフェスティバルのクリエイティブディレクション 2022年12月


ー今後のビジョンを教えてください

菊地:2022年度は3つのプロジェクトに参加させてもらっていて、どれもすごく面白いことをさせてもらっていると思っています。今後も面白い仕事に巡り合えたらいいなと思っています。
この先何が新しくて、Circuit Lab.に頼む甲斐のある仕事なのかは、相談してくれる人たちはもちろん、こちらも予想ができたらそれは新しいことではない、意味のないことなんですよね。 だから、今はどういうものか分からないけど、Circuit Lab.が用意している心構えとか非常に効率の悪い作り方が必要とされるプロジェクトに巡り合いたいです。
Circuit Lab.のところへ行けば面白い仕事ができそうだ、これから出会う人にそう思ってもらえるような仕事ぶりを続けたいし、そういう仕事が続けられていたら、チームとしてはそんなに大きくならなくてもいいかなと思っています。

Circuit Lab.の仕事ー3
Project Sprint Quest: プロジェクトを推進するための
実践的な方法論やプロジェクトチームのあり方を研究する活動
2021年6月〜


ー拠点のイメージはされていますか?

菊地:「あの空間で考えると発見があるな」「あそこに行って一緒に考えたいな」そう思えるフィジカルな空間を作りたいですね。体験しないと生まれないアイディアとか話があると思っていて。
みんなでできたものを見ながら、「ここうまく動いているね」とか「ここをなんとかしたいね」って言い合う時間は重要だし、大切にしたいと思っています。そういう時間はみんなで集まるような空間を確保しないと、自然には起きにくいんです。だから、作ったものをみんなで見たり、一緒に体験できる空間ができたらいいですね。
 まだ未完成の何かが姿をあらわす瞬間と、そこに立ち会った人たちが正直な気持ちを言い合う場面は、ユニバのモノづくりのカルチャーの一番いい部分なんじゃないかと思っています。大袈裟ですが生まれてきて良かったなと思えるくらい、自分は好きな時間です。それが当たり前に立ち上がるような空間ができたらいいなと思ってるんですが、これはCircuit Lab.の目標を超えた、ユニバをやっている自分の夢なのかもしれません。


最後に、メンバーを募集していますか?ーどんな人に来て欲しいですか?

菊地:募集しています。
どんな人かは問わないんですが、目の前のプロジェクトに必要なものをゼロから、アイデアから考え出して、小さくても何かの価値を体現できることが大事かなと思います。「じゃあ今回は自分はここをやるね、あなたはこっちね」と分担してヨーイドンで物を出して、それが互いに影響し合って発展していくような動きをやっていきたいチームなので。
「形にするまで一人で持っていきたい、いける」という部分を持っている人、ということになりますかね。
※2023年4月から新メンバーが入ることが決まりました。


菊地さん、ご回答ありがとうございました!
Circuit Lab.が取り組むプロジェクトの詳細は今後のCircuit Labの連載でご紹介予定です。

Circuit Lab.チームについてもっと知りたい方はWEBサイトも併せてご覧ください。


次回のチーム紹介はUnibirthチーム、2023年4月に公開を予定しています。


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