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【こんな仏像もあったんだ!・小ネタ編】バンコク国立博物館特別展の素晴らしい仏像達

⬇️【イケメン編はこちら】⬇️

2023年9月10日までバンコク国立博物館で開催中の【国立博物館の重要な仏像展】

前回は【イケメン編】として全81体の中から厳選したイケメン仏陀を3体ご紹介しましたが、今回はちょっと不思議な変わった仏像を2体【小ネタ編】としてご紹介しようと思います。

その手に持っているものは何?様々な苦しみから救ってくれる仏陀

展示室の中央に中くらいの大きさの仏像がずらりと展示されているコーナーがありました。

どれも素晴らしいものでしたが、ひとつだけちょっと変わった仏像が。

手に大きな豆みたいなものを持って差し出しています。

何を持っているのか学芸員の方に聞いてみると、説明が難しかったようでスマホで検索して見せてくれました。

これはハリタキの実だそうです。

インド発祥・アーユルヴェーダでも、アムラ・ハリタキ・ビビタキの3つの果実を同量配合した【トリファラ】という薬として重宝されています。
その効果は糖尿病や皮膚病に効くと言われていたり、排便も促したり、視力を良くしたり、食欲増進したり、果てはアンチエイジングにも良いとされている魅力的すぎるブレンド!

ハリタキは現代では化粧品にも使われているそうですよ

日本でも正倉院に所蔵されている60種類の生薬について書いてある【種々薬帳(しゅじゅやくちょう)】にも「呵梨勒(かりろく)」という名前でハリタキが記載されていて整腸作用や下痢止めの効果がある生薬とされてきました。

心の苦しみだけでなく、病苦にあえぐ人々を救う仏陀。

医学の発達した現代ですら人を恐怖に陥れたコロナウィルスを経験した私たちなら、十分な医療や施設が無い昔の人たちが流行病に苦しんだ時に、この仏像に助けを求めたのではないかと容易に想像がつきますね。

ほっそりとした美しい指先から差し出されたハリタキの実が一層輝いて見えます。

しなやかな指先と柔和なお顔が美しいですね

荼毘にふされる前まで大事な弟子を待ってくれていた仏陀

入滅した仏陀が棺の中に収められ、弟子たちが悲しんでいる姿。

そんなに大きなサイズではないのですが、これらがこんなに良い状態で残っていることにまずびっくりです。

棺におさめられた仏陀ですが…

弟子ひとりひとり、違う表情で仏陀の入滅を悲しんでいます。

でも、この棺に少し違和感を感じませんか?
先に読み進める前に、どうなってるかちょっと良くみてみてください。

激しく悲しんでいる弟子もいます。

そう。棺から仏陀の足がにょっきりっと出ているのです。

これは仏陀の身長に対して棺が小さすぎたとかそういうことではありません。

にょきっと足が出ています

仏陀が入滅され荼毘にふそうと、弟子たちが火を付けたのですが燃えませんでした。
入滅されたときに不在だった十大弟子のひとり・マハーカッサパが布教先から1週間後に駆けつけた時、お釈迦さまは棺の中から足をお出しになってマハーカッサパに最後の礼拝の機会を与えた後、火がおこり燃えたという奇跡にちなんだ仏像です。

大事な弟子達に「ありがとう。みな、後は頼みましたよ。」と言って去られたのかもしれませんね。

豪奢な仏像からかわいらしい仏像まで

今回の特別展では、本当にたくさんの仏像を見られることができて感動でした。

蓮の花の上で瞑想する仏陀

もちろんバンコク国立博物館所蔵のものだけでも素晴らしいのですが、タイ各県・国立博物館の「これぞ!」という仏像が集結する機会はなかなかありません。

王族の服を着た仏陀

最後にこの展示を企画されたキュレーターさんのイチ押し仏像をご紹介して終わりにしようと思います。

結跏趺坐(けっかふざ)の仏像
指先の造形や微笑みが美しい

バンコク国立博物館【国立博物館の重要な仏像展】は2023年9月10日までです。
特別展ですが、別料金は不要!

あと少しなので期間中にタイ・バンコクへ旅行へ行かれる方はぜひご覧になってみてはいかがでしょうか。
祝日と月曜日・火曜日は休館日ですので、ご注意ください。


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