開幕直前!どこよりも詳しく東京六大学野球2022年春季リーグの見どころ伝えます!
こんにちは、シュバルベです✌︎('ω'✌︎ )
早いものでもう2022年4月ですね。4月になったら始まるもの、それは東京六大学野球です。いよいよあと1週間となりました!最近、恒例行事になってきましたが、今年もこの春の東京六大学野球の見どころを書いていきます。
noteの前提として今年の東京六大学野球連盟のレギュレーションをいくつか確認しておきましょう。次の大事な項目は3つです。
①勝ち点制
最も大事な点は、2019年以来の勝ち点制に戻るということです。2戦先勝の勝ち点制で、2試合終えて1勝1敗だったり引き分けが発生すると3試合目を翌日以降に実施する形になります。
②延長戦規定
続いて延長戦については、プロ併用日は9回打ち切り。通常日は2試合実施日なら12回まで、1試合実施日なら15回までとなります。
③観客収容
最後に観客・応援については、2.1万人を上限に内野席が観客席となり、応援団は外野スタンドに入ります。
大学別に、①昨年の振り返り ②今年の投手 ③今年の野手 ④予想スタメン&予想投手起用 の4項目を記載します。
こんな記事↓も書いているのでぜひ。
以下、長いですがぜひお付き合いください。
1.慶應義塾大学
昨年はリーグ戦春・秋連覇を成し遂げ、日本選手権大会優勝、神宮大会準優勝と圧倒的な強さを見せた慶應義塾大学。その戦いぶりをまとめると次のようになります。
投打が噛み合い、年間通してチームとしての総合力に長けていた慶應大学ですが、4年生の卒業によりキーパーソンが何名か抜けています。
特に野手の面でチームを精神的にも引っ張てきた選手たちが卒業し、新体制では下山悠介選手がキャプテンを務めます。
今年のスローガンは「挑越 〜do the right thing〜」。
込められた思いはこちらから。
春季オープン戦は白浜リーグ・社会人対抗戦を含めて4月2日現在、A戦だけで27試合を実施。13勝12敗2分で勝率は.520です。平均得点は5.0点、平均失点は4.6点で、打力はあるものの失点が想定よりも膨らんでいる状態です。
それでは今年2022年の慶應義塾大学の見どころを紹介いたします。
1-1.慶應大学投手陣
エースは増居翔太投手(彦根東④)。21年は春・秋ともにリーグ戦の二試合目の先発を任され、これまでの通算防御率は1.69。7勝1敗と貯金を6つも作っている左腕は、精度の高いスライダーとカットボールを武器に試合を作ります。
ボールのリリースが見づらそうな良いフォームで、ストレートの球速は140km/h前後ながら多くの打者が振り遅れたりタイミングをずらされる素振りを見せます。常に投手優位のカウントで、小柄ながら相手打者を見下ろして投げるような強気なピッチングスタイルに注目です。
今年の慶應大学のポイントの一つが2戦目の先発投手です。
昨年はリリーフだった生井惇己投手(慶應④)・橋本達弥投手(長田④)は春のオープン戦で先発投手としても起用されています。
生井投手は一足先に昨秋の法政大学戦でリーグ戦初の先発登板を果たし4イニングを投げました。リリーフでは150km/hを超える速球を武器にしており、その出力を先発でも維持できれば凄い投手になる可能性を秘めています。
橋本投手はフォークボールを武器にクローザーとして活躍している選手ですが、この春のOP戦では完封勝利もあげ、先発転向の機運が高まります。両投手ともプロ入りも十分狙える投手だけに、最後の年で先発もできるところを見せることが出来れば更なるアピールにも繋がるでしょう。
同じ4年生でリリーフ左腕の渡部淳一投手(慶應④)は、これまで12試合に登板しなんと失点は0。昨秋はイニング数を上回る三振を奪っており、中継ぎとして申し分ない役割を果たしています。同じ左投手でも速球派の生井投手とはフォームもスタイルも全く違うタイプです。
やや不透明なのは上記の4年生4人以外の投手です。橋本投手が神宮大会を故障で登板できずやり繰りに苦しんだことなど踏まえると、下級生からの底上げ要素が欲しいところではあります。
候補となるのはフレッシュリーグで先発起用され神宮大会でも登板機会を得た森下祐樹投手(米子東③)や、同じくフレッシュリーグで先発起用の谷村然投手(桐光学園③)、下級生では浮橋幸太投手(富岡西②)です。しかし、春のオープン戦では今一つ結果を残せておらず、勝ち点制ゆえ3試合目が存在しうることを考えるとここが今年の慶應義塾大学のウィークポイントになるかもしれません。
慶應大学の中で唯一1年生で背番号が現時点でもらえているのは外丸東眞投手(前橋育英①)です。昨夏の甲子園でもカット・スライダー・カーブと3つの異なる球速帯の変化球をコーナーに投げ分けているのを見て非常に良い投手だと感じた投手です。社会人対抗戦で早くも1イニングに登板しており、リーグ戦でも早々に出番が来るかもしれませんね。楽しみです。
1-2.慶應大学野手陣
続いては野手陣です。各ポジションに入る選手を予想したのがこちらです。
最も喪失感の大きいのは主将であり、守備の要であり、打線においても打点を稼いできた福井章吾選手が抜けたキャッチャーのポジションです。オープン戦では新3年生の善波力選手(慶應③)、宮崎恭輔選手(國學院久我山③)だけでなく、本職は内野手の古川智也選手(広島新庄④)もマスクを被りました。
二遊間は一年時からスタメンに入ってきた長打力に長けた廣瀬隆太選手(慶應③)と、守備に秀で小技も上手い朝日晴人選手(彦根東④)が昨年秋に引き続き固定されるでしょう。
特に廣瀬選手はすでにリーグ戦6本塁打を放っており、通算OPS.892と慶應大学の新チームでトップの打力を誇ります。今年もチームの中軸打者とならないといけない選手でしょう。
打力が求められる一三塁に目を移すと、サードには主将の下山悠介選手(慶應④)が入ります。
通算打率.298、選球眼に優れ出塁率は4割に近く、ここぞの集中力も発揮できるタイプのバッターなので、長打に優れた廣瀬選手の前後で続ける打順に入りたいですね。ただ、社会人対抗戦ではサードではなくセカンドで出場しており、ギリギリまでポジションの見極めは続くでしょう。個人的にはそのままサードの方がチームの勝ちに繋がると思いますが、プロを見据えるなら確かにセンターラインに入りたいですね。
ファーストに関してはレギュラー争いが盛んなポジションになるでしょう。打力のある選手が下級生・上級生問わず見定められている最中ですが、私としてはフレッシュリーグで昨年拝見した清原正吾選手(慶應②)に期待をしたいです。
ネームバリューは勿論ですが、スイングは鋭く、守備の動きもブランクがあったとは思えない柔らかいグラブさばきでセンスの高さを感じました。ただ、OP戦での起用など見るとA組に上がるには高いハードルがありそうで、現実的には他のポジションの兼ね合いで打力を優先したい選手を置く形になりそうです。
昨秋、9回ツーアウトから代打同点本塁打を放った北村謙介選手(東筑④)は背番号9を貰っていますし、打力は間違いないのでリーグ戦始まってからレギュラーを掴むかもしれませんね。
外野は長打力があり足も速い萩尾匡也選手(文徳④)がレフトのポジションを昨秋から掴み、神宮大会でも2本塁打を放つなど活躍を見せています。
背番号はプロ入りした正木選手が背負った1番で、彼のようなクレバーな打撃も見せられるかが注目です。パワーあり、走力あり、非常に魅力的な潜在能力を持っている分、59打席25三振という三振の多さをどこまで改善出来るか次第で、秋のドラフト会議にも乗っかってくるかもしれません。
センターにはオープン戦で宮尾将選手(慶應④)が多く起用されています。渡部遼人選手のあとと考えると荷が重いですが、下級生の時にセカンドで出場した宮尾選手はバットコントロールに優れ小技の利いた選手だという印象を持っています。現時点でどれぐらいセンターとしてやれるのか、見てみたいですね。OP戦最終版ではレフト起用も増えていますが、萩尾選手とどちらが、という段階でしょう。
正木智也選手の抜けたライトは空きポジションで、リーグ戦出場経験のある山本晃大選手(浦和学院④)がオープン戦起用を見ていると最有力なようです。社会人対抗戦で5番スタメンに入り、唯一の得点となったホームランを放ったことで決まった感はあります。その前のOP戦でも2本塁打放つなど急成長中かもですね、楽しみです。
リーグ戦未出場ですが、フレッシュリーグではスタメン起用の関展里選手(慶應③)と齋藤來音選手(静岡③)にも外野の選手のコンディション次第ではチャンスが回ってくるかもしれません。
特に関選手は私が見た試合でレフトのポジションから大きな声で投手を勇気づける声出しをしており、こうした姿勢を見せる選手がベンチにいることはチームを強くさせるだろうなと感じました。楽しみな選手の一人です。
1-3.慶應大学 予想スタメン&予想投手起用
最後に開幕戦の予想スタメンと、春のリーグ戦での投手起用です。
1番(左)萩尾匡也
2番(中)宮尾将
3番(三)下山悠介
4番(二)廣瀬隆太
5番(右)山本晃大
6番(遊)朝日晴人
7番(一)北村謙介
8番(捕)善波力
9番(投)増居翔太
先発:①増居翔太 ②橋本達弥 ③森下祐樹
中継ぎ:渡部淳一、小林綾、森下祐樹、谷村然、浮橋幸太、外丸東眞
抑え:生井惇己
意図としては、廣瀬選手と出塁型の下山選手はくっつけたいのと、萩尾選手は気楽に振り回せる一番が適任でしょう、足も速いので。2番に入るであろう宮尾選手の出来がチームの浮沈を左右することになりそうです。生井投手はクローザーとして2年生の悪夢を真の意味で払拭して欲しいと思っています。
2.早稲田大学
昨年は春5位、秋2位と二季連続でライバル慶應の後塵を拝してしまった早稲田大学。その戦いぶりをまとめると次のようになります。
投手に関しては下級生から多くの登板を得てきた徳山・西垣の両右腕が牽引し、打線に関しては蛭間・岩本に加えて秋の今井選手の覚醒で厚みが出ました。
4年生が投打に主となっていた2021年度体制、主な卒業生は以下の通り。
22年度の主将は1年生から出場を重ねる中川卓也選手(大阪桐蔭④)。根尾・藤原・柿木・横川の4人が高卒プロ入りを果たした代の大阪桐蔭高校でも主将を務めたキャプテンシーを発揮します。
春季オープン戦は4月2日現在、社会人対抗戦を含め17試合実施。戦績は7勝9敗1分で勝率.438。平均得点4.8点、平均失点5.9点となっています。2桁失点した試合が2度あり、無失点に抑えた試合は0。逆に打線は無得点に終わった試合は1試合のみとなっています。
それでは以下で2022年度の早稲田大学野球部の見どころをみていきましょう。
2-1.早稲田大学投手陣
ともにプロ入りを果たした徳山・西垣の両投手を欠く中、投手にはやり繰りが求められます。主戦投手の一人と目されるのは、背番号18を新たに背負う新3年生左腕の齋藤正貴投手(佐倉③)です。
昨秋リーグ戦初マウンドを踏み、登板した3試合はすべて中継ぎと経験は浅いものの、3月1日に行われた横浜DeNAベイスターズとの練習試合で先発起用。5回無失点とプロ相手に素晴らしい結果を残しました。秋の時点では球速こそ130km/h台ながら伸びのあるストレートと、精度の高いスライダーのコンビネーションで打者と勝負していました。オフにビルドアップし、春のリーグ戦でどんなピッチングを見せるのか非常に楽しみです。
2戦目以降の先発投手の運用は不透明ですが、候補に挙がるであろう投手の一人がリーグ戦6試合出場の右腕、加藤孝太郎投手(下妻一③)です。
西垣投手の背負った背番号16を引き継いでおり、3月3日の日本ハム戦で2番手として1イニング投げたようです。身体を大きく倒す独特な投げ方ですが制球は比較的良く、この春からのブレイクが期待されます。
経験値の少ない投手が2戦、場合によっては3戦続くと重要になるのがリリーフ投手です。実質的に投手の軸となるのは副将の一人、原功征投手(彦根東④)でしょう。
希少な左サイドで、リーグ戦通算6試合6イニングで無失点。打者24人に対し被安打3と非常に安定しています。齋藤投手ともアームアングルが異なるので、連日フル回転が求められるでしょう。
実績ある投手は少ないですが、昨年春の立教大学も似たような状況からしっかりと整備してきましたし、意外とどうにかなってしまうのではないかというのが私の見立てです。
推薦組でも清水大成投手(履正社③)、飯塚脩人投手(習志野③)がいますし、リーグ戦未登板とはいえ雪山幹太投手(早稲田実業④)・伊藤大征投手(早稲田実業③)の早実エースコンビも控えています。オープン戦や社会人対抗戦で早くも登板している伊藤樹投手(仙台育英①)が春から加わると2試合18イニングの逆算はある程度できるのではないでしょうか。
コマ不足感は否めませんが、小宮山監督らベンチの投手継投が非常に重要な春季リーグになると思います。
2-2.早稲田大学野手陣
どちらかというと私が不安に感じているのは野手の方です。ドラフト候補筆頭株にも挙げられている蛭間拓哉選手(浦和学院④)とキャプテンの中川卓也選手が軸になりますが、1番打者と4番打者に誰がどう嵌るかが極めて重要になるでしょう。
各ポジションの予想はこちら。
ポジション別にみていきます。
岩本選手が卒業し捕手でリーグ戦経験のある選手はいませんが、筆頭は印出太一選手(中京大中京②)です。
高校時代は高橋宏斗投手(中日ドラゴンズ)とバッテリーを組み、4番打者としても多くの仕事をしてきた印出選手は、六大学の舞台に移っても1年春の開幕戦からベンチ入りを果たしました。イニング間やブルペンで捕手を務め、軽快な動きを見せています。ライバルは同学年で印出選手同様スポーツ推薦入学の栗田勇雅選手(山梨学院②)でしょうが、現状は二歩ほど印出選手がリードしています。
二遊間はショート熊田任洋選手(東邦③)とセカンド中川卓也選手という布陣になりそうです。
中川選手は1年時から基本的に一三塁で起用されてきましたが、このオフにセカンドコンバートとなりました。高校時代含め経験が少なく、どれだけ動けるかがポイントになるでしょう。打撃面では昨秋3割を記録しベストナインに選ばれるなど、逆方向への強い当たりも増え本来の力を見せつつあります。社会人対抗戦ではベンチ入りもしていなかったので少し不安ではありますが…。
熊田選手は年々球際に強くなっており、守備に関しては安定感が出てきました。春・秋とも打率1割台と打撃面で昨年は非常に苦しみ、そこから復調できるか気になっています。熊田選手自身、打撃について次のように語っています。
一・三塁に関してはレギュラー争いになるでしょうが、現時点でリードしているのは生沼弥真人選手(早稲田実業③)と中村将希選手(鳥栖③)の二人です。
生沼選手は昨年春からリーグ戦出場機会を得ており、早実時代は4番を務めたパワーヒッターです。いずれ中軸を担うべく、今年1本でもホームランを打てると良いですね。中村将希選手はリーグ戦未出場ですがフレッシュリーグでは上位打線に入り、結果を残している選手でこのオフに成長したのでしょう。まだ見ていない選手なのでとても楽しみです。
外野手の注目は何といってもチームの軸である蛭間拓哉選手でしょう。
通算10本塁打はリーグ最多、スイングスピードの速さは段違いです。高校時代に比べて本当に身体ががっしりとしましたし、日本代表候補合宿では逆方向へのヒットも見せるなど対応力も発揮したようです。守備面でも今年はセンターに入りそうで更なるアピールに繋がるか、というところでしょう。怪我だけ気を付けて一年プレーし素晴らしい成績を残したうえで、ドラフト1位でプロ入りしてほしいです。
残る外野の2枠は競争です。昨秋は右肩の怪我で出場無しに終わった野村健太選手(山梨学院③)もいますが、オープン戦で3試合連続本塁打も放っている吉納翼選手(東邦②)が最もレギュラーの座に近い位置につけているようです。
パワーが売りの「ノムパイネ」こと野村選手ですが、リーグ戦ではレベルの高い投手陣を前に苦戦しており、4年生の松木大芽選手(金沢泉丘④)、センターも守れる森田朝陽選手(高岡商業③)、下級生の薗部将大選手(早大学院②)と最後の一枠を争うことになるでしょう。
各ポジションに言えることですが、早稲田大学は傾向としてスポーツ推薦入学の選手は一年生から出場機会を与えられがちです。今年で言えば浦和学院の主将で正捕手の吉田瑞樹選手、近年多くの選手を東京六大学に送り込む静岡高校の渋谷泰生内野手、健大高崎の小沢周平内野手らは早い段階で姿を見られるかもしれませんね。
2-3.早稲田大学 予想スタメン&予想投手起用
最後に開幕戦の予想スタメンと、春のリーグ戦での投手起用です。
1番(右)吉納翼
2番(三)中村将希
3番(二)中川卓也
4番(中)蛭間拓哉
5番(一)生沼弥真人
6番(遊)熊田任洋
7番(左)野村健大
8番(捕)印出太一
9番(投)齋藤正貴
先発:①齋藤正貴 ②加藤孝太郎 ③伊藤大征
中継ぎ:原功征、ユエン賢、雪山幹太、伊藤大征、清水大成
抑え:伊藤樹
中川選手が復帰したらという大前提はあるものの、昨秋から選球眼がぐっと上がり出塁率の上がった中川選手を蛭間選手とくっつけたいと私なら考えます。オープン戦では中村選手が3番起用されていますが、蛭間選手の前という非常に大事な位置なので期待するにしても最初は2番からの方がいいような…、というところです。投手は3戦目までもつれるとやり繰り苦しいですね。ある程度の打線の援護が必要で、打線が機能するか含めチームを左右するのはやはり野手陣になりそうです。抑え伊藤樹投手は本当にありそうな気がします笑
3.明治大学
春・秋ともに3位だった明治大学。10年連続ドラフト指名選手を輩出した名門ですが最後に優勝したのは2019年春で、6季ぶりの優勝を目指します。昨年の戦いぶりをまとめるとこのようになります。
下級生の時から先発を任されてきた竹田祐投手がエースとして投手陣を引っ張りましたが、4年生投手は年間通して奮わず下級生の投手にも多くのチャンスが巡りました。打線は出塁率・長打率とも年間でリーグトップ、特に1~3番の上位打線は足も絡めた効果的な攻撃を行いました。
主な卒業生は以下の選手たち。
22年度の主将は村松開人選手(静岡④)、チームスローガンは「頂戦」。
「リーグ戦優勝、日本一という”頂”を掴むために、挑戦者として全員で”戦”い続ける」という想い(明治大学野球部【公式】Instagramより)とのことです。
春季オープン戦は4月2日現在、社会人対抗戦を含め8試合実施。3勝3敗2分けで勝率5割となっています。平均得点2.5点、平均失点3点といずれの試合もロースコアで展開しています。3月28日の横浜商科大学戦以外、得点が3点以内と少し得点不足に陥っているようです。
紫紺の名門がチーム一丸となって優勝を目指します。
3-1.明治大学投手陣
エース候補は昨秋から二戦目の先発を任された藤江星河投手(大阪桐蔭②)が有力です。
投球テンポ・制球の良い「いい左ピッチャー」で、決して球は速くないですが打者に的を絞らせないピッチングで試合を作ります。昨年の最長イニングは6.1イニング、球数は100球未満で全試合降板しており球数を制限して運用していた可能性が高いですね。ただ、社会人対抗戦でベンチ外だったり、明治大学はOP戦の内容も詳しくは出していないのでコンディション不良だったら困るな、と思います。
藤江投手に次ぐ先発候補の一人は右の蒔田稔投手(九州学院③)です。昨秋の法政大学戦で先発起用されると7回無失点の好投。勝ちはつきませんでしたが、許した安打は2本とほぼ完璧なピッチングを見せました。社会人対抗戦で先発を任されており、やはり先発として考えらているのだなと思いました。
4年生で唯一リーグ戦登板経験のある渡部翔太郎投手(千葉黎明④)も先発に入ってくる力のある右腕です。
これまで14試合に登板、ツーシームを武器にリリーフで活躍をしてきましたが、このオフに大きく伸びていそうな選手の一人です。ただ藤江投手と続けて左の先発が二枚続くことをどう田中監督が考えるかは若干気になる部分です。
背番号18を背負う右腕の村田賢一投手(春日部共栄③)、背番号1を背負う左腕の石原勇輝投手(広陵③)の2人もリリーフとして昨年多くの経験を積み、その起用が気になります。
特に村田投手は高校時代を観戦したことがあるだけに注目しています。140km/hを超える速球とキレのいいスライダーを持っており、昨秋の慶大戦の悔しい思いも次のステップに繋げられる選手だと思っています。
新2年生、および新しく入ってくる1年生には高校時代からプロのスカウトに将来を嘱望される有力な選手が多く、オープン戦の結果やオフの取り組み次第で抜擢があるでしょう。
明治大学らしい熾烈な部内競争に勝って初めて神宮の土を踏むことが出来ますが、その中の誰が”エース”になれるかですね。昨年は三振を取れる選手が少なく、年間の17.7K%はリーグ5位。防御率はリーグ4位で投手陣の奮起が求められる一年です。
3-2.明治大学野手陣
毎年、新戦力が次々台頭するため予想泣かせなのが明治の野手陣です。一応の予想ポジションはこちら。
ポジション別にみていきましょう。
正捕手は副将を務める蓑尾海斗選手(日南学園④)が務めることになるでしょう。
昨秋は打率4割を記録しベストナインを獲得、大学代表候補合宿にも参加するなど充実のシーズンとなりました。ピッチャーを鼓舞する姿などキャプテンシーも見られる良い選手なので、プレーの合間でも見ていて楽しいと思います。下級生では昨春に早くもマスクを被った横山陽樹選手(作新学院②)もおり、層の厚さを感じますね。
二遊間は故障が無ければキャプテンの村松開人選手と宗山塁選手(広陵②)で組むことになるでしょう。
村松選手は通算出塁率.379と出塁に優れ、131打席で6三振とゾーン管理に定評があります。昨秋は三浦銀二投手から逆方向にホームランを放つなどパワーもつけ、今年のドラフト会議にもかかる可能性が高い走攻守に優れた選手です。既に昨年から内野のまとめ役でキャプテン就任は「見ていればわかる」状態でした。
宗山選手は昨年1年生ながら春からショートのレギュラーに定着。既に六大学でも屈指の遊撃守備の持ち主で、送球の正確さは群を抜きます。打撃面でも春に初本塁打、秋に打率.378をマークするなどセンスの高さを見せつけました。
サードには昨春の首位打者で通算打率.388の右のヒットメーカー山田陸人選手(桐光学園④)が入るでしょう。右の引っ張り方向への強い当たりが持ち味で、非常にミートの上手い選手です。
ファーストは他のポジションの影響を最も多く受けそうで、この2年複数ポジションを守りつつ4番を張り続けている上田希由翔選手(愛産大三河③)や右のスラッガー候補杉崎成選手(東海大菅生②)、1年生から出場機会を得ていた岡本伊織選手(創志学園④)らが候補になってきそうです。
レギュラーが二人抜けた外野手は競争です。
新4年生では1年生でリーグ戦デビューを果たした中村奎太選手(日大三④)・長南佳洋選手(八戸学院光星④)・日置航選手(日大三④)らがおり揃って一桁背番号を貰っています。内野手登録の西山虎太郎選手(履正社④)も昨秋はレフトでの守備機会がありました。
20年にレギュラーを掴んだかに見えた西川黎選手(履正社③)ですら昨年は出場機会を大きく減らしていますし、新一年生含めて誰が外野の3ポジションに収まるのか楽しみですね。昨年、センターの守備にも多く入った2年生の直井宏路選手(桐光学園)は足も速く一番バッターとしても起用されるかもしれません。
オープン戦初戦では新1年生の宮田知弥選手(横浜①)と瀬千皓選手(天理①)が起用されたとの報道もあり、既存の選手たちは大きくプレッシャーを受けていることでしょう。※社会人対抗戦でも起用されましたね。
全体的に明治大学の野手は個々のレベルが非常に高く、それゆえ毎年レギュラーが入れ替わる戦国時代並みの競争にありますが、このメンバーを抱えながら19春以降優勝が無いというのはやや違和感も感じます。軸になる選手、特にランナーを返す役割を果たす選手が年を跨いでレギュラーに定着することが本当は理想なのではないかと思います。
いずれにしても誰が出てきても高いレベルのプレーは保証されているので、明治大学の試合は見て面白いです!
3-3.明治大学 予想スタメン&予想投手起用
最後に開幕戦の予想スタメンと、春のリーグ戦での投手起用です。
1番(中)直井宏路
2番(二)村松開人
3番(三)山田陸人
4番(左)上田希由翔
5番(捕)蓑尾海斗
6番(遊)宗山塁
7番(右)瀬千皓
8番(一)岡本伊織
9番(投)藤江星河
先発:①藤江星河 ②蒔田稔 ③渡部翔太郎
中継ぎ:渡部翔太郎、石原勇輝、森勝哉、髙山陽成
抑え:村田賢一
意図としては、2番村松選手は昨年を見ていると動かしたくない軸になる打者で、村松→山田→上田のジグザグ2~4番の線は個人的に見たいラインナップです笑。悩ましいのは1番バッターで、チームとしてどう考えるかですね。
社会人対抗戦での打順とはかなり異なりますが、最終的にはこんな感じになると信じています笑。一番上田選手ならこれまでの2年間は…と思わないでもないので。思いもよらない選手が抜擢されたり、昨年から打順を大きく変えることもあるかもしれません。
投手に関しては3試合とも試合を作れる先発投手を立てることが出来そうで、打線が期待通りの働きをすればゲームを優位に運べそうです。最終回を締めるクローザータイプ、三振を狙って取れる選手がやや欠けているのでどう考えるかです。現状だと村田選手が一番適任かなとは思いました。
4.立教大学
昨年は春2位、秋4位だった立教大学。戦力はかなり整ってきているチームです。昨年の戦いぶりをまとめるとこちら。
投手は池田陽佑投手に非常に救われた一年で、特に春は2日続けての先発登板もありました。秋は荘司康誠投手の台頭で2枚の先発を立てることが出来、リリーフ陣は2年生も含めてかなり厚くなっています。野手陣は新キャプテンの山田健太選手はじめ3年生がずらりと並び、22年はさらに完成度が高くなると思わせる強力打線でした。
主な卒業生は以下の選手たち。
新体制の主将は山田健太選手(大阪桐蔭④)、スローガンは「進化」。スローガンに込められた思いはこちらご参照ください。
春季オープン戦は4月2日現在、社会人対抗戦含め12試合実施。5勝5敗2分の勝率5割となっています。平均得点2.8点、平均失点は2.9点と比較的ロースコアの試合展開が続いています。4失点以上したのはJR東日本・日本通運・エイジェックといずれも社会人チームで、大学相手だと投手陣がしっかりと抑えています。
下級生からスタメンを張ってきた選手が最上級学年になり円熟のシーズンになるか、投打みていきましょう。
4-1.立教大学投手陣
昨秋に引き続き2人の右投手が先発の柱となります。
一人は4年生右腕の荘司康誠投手(新潟明訓④)。
188cm88kgという恵まれた体格からMAX151km/hの速球を投げるだけでなく、カーブやカットボールなど変化球も非常にいい球を持っています。通算0勝ではありますが今年は自然と勝ち星が付いてくるだろうと思っている投手で、ドラフト会議でも1位候補に名を連ねると個人的には期待しています。
もう一人の先発右腕は1年生からリーグ戦で活躍を見せている池田陽佑投手(智弁和歌山③)。
がっしりとした体格で連投にも耐え抜くタフさを持ち、昨年最もチームに貢献した選手の一人でしょう。既に通算13先発、69イニングを投げていますが、魅力は繊細な制球力。300人以上の打者と対戦し与えた四死球は22個、三振をバンバンとるタイプではありませんが打者との駆け引き含めて試合を着実に作ってくれる好投手です。
リリーフに関しては盤石と言っていいでしょう。
昨年、全20試合中16試合に登板した鉄腕左腕の宮海土投手(國學院栃木④)が回跨ぎでもクローザーできる選手です。クロスファイアに投げる強いボールが特徴的で、左のリリーフとしては非常に信頼できる投手でしょう。
先発もリリーフも両睨みの選手として、185cmの長身右腕、島田直哉投手(龍谷大平安④)の投げ下ろすストレートは力強く、フォームも綺麗なので映える選手の一人です。
逆に身体を大きく倒す特徴的なフォームの石元悠太郎投手(佼成学園③)、低身長ながら気迫あふれるピッチングを見せる左の野口裕斗投手(東海大相模③)もリーグ戦で安定したピッチングを見せました。1年生ながら神宮のマウンドを経験した沖政宗投手(磐城②)もオープン戦で登板しているようで、年次も広く機会が与えられています。
やはり先発エース格とクローザーが決まっているという点で立教大学の投手陣は他のチームに対して抜きん出ているように感じます。
4-2.立教大学野手陣
昨年から3年生主体のスタメンが多く組まれていた立教大学。今年の予想ポジションはこちら。
各ポジションごとにみていきましょう。
正捕手は黒岩陽介選手(静岡④)が変わらず入るでしょう。
昨年がリーグ戦初出場でしたが春・秋20試合すべてに出場。ブロッキングに優れ、打撃面でも通算打率.297と3割近いアベレージを記録しています。捕手ですが俊足で、秋には二塁打を3本放っています。下の学年にも畑敦巳選手(浦和学院③)や戸丸秦吾選手(健大高崎②)といった高校時代から注目される選手がいるので守備面では安心材料でしょう。
二遊間はセカンドに主将の山田健太選手、ショートに井上剛選手(佐久長聖④)。こちらも昨シーズン全20試合すべてに出場しています。
山田選手は1年生でベストナインを獲得、大きな故障もなく現役選手で最多となる59試合に出場しているタフさがあります。通算OPS.842と打力に優れ、ドラフト1位候補に早くから名を連ねています。1年生の時の成績をここ2年超えられていないのでラストシーズンに懸ける思いは強いでしょう。
井上選手は165cmと小柄ですが遊撃守備は非常に安定感があり、打撃でも昨秋打率.316を記録しました。主に8番に座り、出塁すれば投手が送って得点圏で上位打線に回すのが得点パターンの一つとなります。
一三塁に関してはシーズン中も含めて競争が激しくなるでしょう。昨秋は1年生の田中祥都選手(仙台育英②)がレギュラーを掴み序盤打ちまくりましたが、相手チームの研究もあってか最終打率は1割台。オープン戦の詳細は分かりませんが、打力に優れた吉岡広貴選手(広陵④)や柴田颯選手(札幌一④)が現状ではリードしているようです。
卒業した東選手の後輩である佐藤元選手(福岡大大濠④)も昨年出場実績があり、直前までアピールが続くでしょう。
外野は道原慧選手(駒大苫小牧④)と宮﨑仁斗選手(大阪桐蔭④)の二人はほぼ確定でしょう。
道原選手は個人的にとても好きな選手で、センターの守備範囲が広いのは勿論、その肩の強さと送球の正確さはリーグナンバー1だと思います。打撃面で三振をどれだけ減らせるか、特に高低の揺さぶりに耐えられるかがドラフトの順位を分ける選手になるでしょう。
宮﨑選手は1年生から多くの出場機会を同級生の山田選手と共に得ており、通算11盗塁の俊足を活かしてチームの機動力を上げています。通算4本塁打と小柄ながらパンチ力もあり、最終学年で確実性を上げて打率を3割に近づけたいところです。
外野もう1枠は三塁手の競争とセットで決まることになりそうです。公式HPを見る限り、リーグ戦未出場の西川晋太郎選手(智弁和歌山③)が中軸でも打っているようなので三塁スタメンを掴みそうです。その場合、吉岡選手や柴田選手がレフトに回る形も取れるので、流動的な運用になりそうです。
4-3.立教大学 予想スタメン&予想投手起用
最後に開幕戦の予想スタメンと、春のリーグ戦での投手起用です。
1番(中)道原慧
2番(右)宮﨑仁斗
3番(三)西川晋太郎
4番(二)山田健太
5番(一)柴田颯
6番(左)吉岡広貴
7番(捕)黒岩陽介
8番(遊)井上剛
9番(投)荘司康誠
先発:①荘司康誠 ②池田陽佑 ③島田直哉
中継ぎ:島田直哉、野口裕斗、石元悠太郎、沖政宗
抑え:宮海土
俊足の道原選手を1番に置き、3~5番のクリーンアップで返すイメージです。東選手のようなホームランバッターが不在なので山田選手を4番に置きましたが、道原選手との間に2人挟むことになるので2・3番の働きが重要になりますね。投手は怪我・不調が無ければ万全の体制でしょう。
5.法政大学
昨年、春4位秋5位と二季続けて下位に甘んじてしまった法政大学。その戦いぶりは次のようになります。
昨年は投手陣は厚く、エース三浦投手と二番手先発の山下投手はともにプロ入りしました。しかし打線が1年通じて奮わず、守備面でも綻びが多く試合の流れをつかめず取りこぼしてしまいました。
主な卒業生は以下の選手たち。
新主将は齊藤大輝選手(横浜④)、スローガンは「一心」。想いは次の通り。
春季オープン戦は4月2日現在、社会人対抗戦を含め19試合実施。戦績は10勝8敗1分で勝率.556で、六大学のチームの中で最も勝率は高くなっています。平均得点4.7点、平均失点4.4点で、勝ち試合は打ち勝つ展開が多くなっています。
一つになって新シーズンに向かう法政大学、その投打の見どころを紹介します。
5-1.法政大学投手陣
三浦・山下の左右エースが卒業し、新チームのエース候補筆頭は若き右腕、篠木健太郎投手(木更津総合②)でしょう。
Max150km/hを超え、平均でも140後半の出る快速球を武器に、一年生ながら3試合に登板。秋の東大戦では先発登板も果たし、6回8奪三振で無失点の好投を見せました。オープン戦の段階で既に150km/hを超えるボールを何球も投げており、本格派右腕として台頭が期待されます。
続く先発の候補には左腕の尾﨑完太投手(滋賀学園③)を挙げたいです。
左の速球派で、1年生の頃は昔の高橋奎二投手のように高く足を上げるライアンフォームでしたが、昨年はややオーソドックスな投げ方に変わりました。フォームが綺麗な投手で、14イニング24三振と驚異的な奪三振能力を誇ります。四死球の多ささえ改善できれば来年のドラフト会議でかかる可能性の高い投手です。
中継ぎでは右サイドスローの石田旭昇投手(東筑④)、社会人対抗戦の先発を託された右腕の扇谷莉投手(東邦④)、昨年リーグ戦を経験した左腕の武冨陸投手(日大藤沢③)らが回す形となります。扇谷投手は球速こそ140km/h前半ですが、カーブ・スライダー含めたコンビネーションで試合を作っていきます。リーグ戦でも先発で見る機会もありそうです。
法政大学はオープン戦の結果をInstagram上で一部公開してくれていますが、フレッシュリーグで活躍していた塙雄裕投手(常総学院③)、一栁大地投手(星槎国際湘南③)らも登板機会を得ているようです。
高校時代に名を馳せた選手が各世代に多く居るので、育成力が問われるチームです。昨年も投手は良かったので、今年も継続して強みにできるか手腕を注視したいですね。
5-2.法政大学野手陣
昨年は課題の多かった野手陣、今年の布陣予想はこちら。
捕手争いをリードしているのは村上喬一朗選手(東福岡④)です。
昨秋にレギュラーを掴むと全10試合に出場、打率.333でフィニッシュし、東大戦では初ホームランを満塁弾で飾りました。盗塁のケアなども試合経験が増すごとに成長していっているなと感じた選手です。
同学年の大柿廉太郎選手(健大高崎④)が対抗馬で、2年生~3年生の頭にかけてはほぼレギュラーとして試合に出ていました。通算の出場試合数は村上選手より多く、攻守両面で正捕手争いを繰り広げていることでしょう。
二遊間に関しては、セカンドに主将の齊藤大輝選手が入ることは確定、遊撃手は競争になります。昨年多くの試合で出場したのは海﨑雄太選手(埼玉栄④)ですが、59打席で打率2割を切っており打てる遊撃手が出てくると危うい位置になっています。候補としては今泉颯太選手(中京大中京③)と高原侑希選手(福井工大福井③)の3年生コンビで、遊撃手争いは注目ポイントです。
主将の齊藤大輝選手はインコースを得意とし、引っ張り方向に打球を上げることに秀でた山田哲人的な選手。守備面での危うさはありますが、打撃に関しては天才的なものがある選手で、チームをその打棒で牽引します。
一塁にはフレッシュリーグで活躍した浦和博選手(鳴門③)が昨秋からリーグ戦でも結果を残し、今年は背番号9を背負う4番打者として打力を磨くことになりそうです。打球速度は速く、ライナー性の打球が特徴的な選手で、齊藤選手との並びは脅威になるでしょう。
三塁はレギュラー不在で、遊撃のポジション含めた選手間競争になります。松田憲之朗選手(龍谷大平安④)は昨年時点で背番号5を背負い期待されている選手ですが、リーグ戦では結果を残せていません。
社会人対抗戦でサードのスタメンを掴んだのは内海貴斗選手(横浜③)。逆方向への長打含む3安打を放つなど猛アピールに成功しました。フレッシュリーグでは背番号1も背負いチームのリーダー格だったので、このまま内海選手がレギュラーを奪う可能性も見えています。
外野は副将の宮﨑秀太選手(天理④)、一年生ながら秋にレギュラーを獲得した西村友哉選手(中京大中京②)の二人の俊足左バッターが昨秋はレフトとセンターを守りました。今年も継続して上位打線を引っ張る役割を担うことになるはずです。
ライトに入ってくるのは野尻幸輝選手(木更津総合④)です。パンチ力のある大柄な左バッターで、東京六大学で投手としても登板経験のある自慢の肩も活かせるポジションです。
外野のレギュラー争いに食い込んできそうな選手の一人が高田桐利選手(広陵④)です。広陵高校時代は二遊間を担い、法政大学でも二塁・三塁などを下級生で守った経験もありますが、OP戦での起用などを鑑みると外野にコンバートの運びになりそうです。
5-3.法政大学 予想スタメン&予想投手起用
最後に開幕戦の予想スタメンと、春のリーグ戦での投手起用です。
1番(中)宮﨑秀太
2番(左)西村友哉
3番(二)齊藤大輝
4番(一)浦和博
5番(三)内海貴斗
6番(右)野尻幸輝
7番(遊)今泉颯太
8番(捕)村上喬一朗
9番(投)篠木健太郎
先発:①篠木健太郎 ②尾﨑完太 ③扇谷莉
中継ぎ:扇谷莉、武冨陸、塙雄裕、一栁大地
抑え:石田旭昇
社会人対抗戦に近しいラインナップですが、4番までの上位打線以降は状態を見つつ流動的になるのではないかと予想しています。昨秋から下級生にかなりシフトしたメンバーで構成しているので、新1年生含め抜擢もありそうです。投手に関しては篠木投手を軸に先発を組み、抑えは1イニング複数人使う試合も出てきそうです。
6.東京大学
春秋ともに最下位に沈んだものの、1勝ずつをあげチームの連敗も64で止めた2021シーズン。その戦いぶりをまとめると次のようになります。
投手は3年生二人が中心に回りましたが、秋は全体的に自滅+打ち込まれてチーム防御率2ケタ台という惨状でした。今年に向けての最大の改善ポイントでしょう。打線は盗塁・走塁を徹底的に磨き、他大学との差を縮めました。法政大学、立教大学から勝ち星をあげる快挙を成し遂げました。
実は昨年の4年生・3年生は2019年春にフレッシュリーグでも法政大学を相手に勝利をあげており、ここ数年の東京大学野球部の中でも強いチームを構成できていました。
主な卒業生はこちら。
新チームのキャプテンは昨年から正捕手になった松岡泰希選手(東京都市大付④)。スローガンは「躍進」。
春季オープン戦は4月2日現在、社会人対抗戦を含め12試合実施。戦績は4勝8敗で勝率.333となっています。平均得点3.8点、平均失点5.9点で、やはり投手が課題となっていますが、打線に関しては4年生の卒業後も活発に機能しているようです。社会人対抗戦のSUBARU、白鴎大学、獨協大学の3チームには完封負けをしており、アマチュア野球の中でも上位チームとの対戦にはさすがに苦戦を強いられています。
今年は最下位脱出を目指す1年です。
6-1.東京大学投手陣
エースは2020シーズンから主戦投手となった井澤駿介投手(札幌南④)。
22年度の現役プレイヤーで最多の通算98イニングに登板している東大のエース投手です。年々身体が大きくなり、出力も上がって昨秋は140km/hを計測。もともと変化球はレベルの高いスライダーを投げられるので、球速UPでさらに打ちづらい投手になっていくでしょう。
昨年は二番手投手が定まらなかったですが、最も期待されるのは副将のひとりでもある西山慧選手(土浦一④)です。
井澤投手と同学年で、やはり2020シーズンから登板を重ねてきました。通算48イニングで36三振と、東大の中で三振を多くとれるピッチャーで、ツーシーム系のボールを得意としています。昨年秋はリリーフに回るも多くの安打を打たれてしまうシーンが目立ちましたが、最終学年で期する思いは強い選手です。
2戦目の先発の座を争う選手として、3年生右腕の松岡由機投手(駒場東邦③)、左腕の鈴木健投手(仙台一③)が挙げられます。松岡投手は昨秋140km/hを計測、1試合の先発を含む6試合登板しました。鈴木投手は左で130km/h中盤を常時計測、春・秋で1先発含む8試合に登板しています。
ともに筑波大附出身で社会人対抗戦に登板した齊藤祐太郎投手(筑波大附④)と小髙峯頌大投手(筑波大附④)は、リーグ戦未登板ながら面白いと感じました。齊藤投手はややアームアングルが低くサイドに近い右腕で、小髙峯投手はテイクバックが非常に短いオーバーハンドの右腕です。こうした変則投手は対戦回数の少ないリーグ戦でジョーカーになる可能性を秘めています。
昨年勝ち星をあげた2試合とも、井澤投手が中継ぎで登板し試合の流れを決定づける好投を見せたことから考えると、今年も勝機があるのは2戦目になり日曜日の先発投手が担う役割は大きくなります。昨年は四死球から崩れていく先発投手が多かったので、まず立ち上がりを0に抑えチームの士気を上げるピッチングが出来る投手の台頭を待ちたいところでしょう。
6-2.東京大学野手陣
機動力で勝ちを掴んだ野手陣、昨年の全43盗塁中20盗塁は3年生以下の選手が記録しており、今年もその方針は一層の躍進を遂げることでしょう。各ポジション予想はこちら。
各ポジションごとにみていきましょう。
捕手にはキャプテンの松岡泰希選手がフルでマスクを被ることになるでしょう。
キャッチャーとして「松岡キャノン」と言われるほど肩が強く、社会人対抗戦ではさらに送球の精度が上がっていました。課題の打撃面でも昨秋は二塁打を2本放っており進化の途上にある選手です。リザーバーにはフレッシュリーグで1年生からマスクを被った内田開智選手(開成②)が控えています。
内野の要である二遊間には中井徹哉選手(土浦一④)・林遼平選手(甲陽学院④)の4年生コンビが中心になります。
中井選手は2020シーズンからリーグ戦出場を果たし、デビュー戦で慶應大学投手陣から2安打を放つなど非凡な打撃を見せました。東大の野手の中ではトップクラスに四球を選べる選手で、出塁→盗塁をワンセットで作戦立てできる器用なプレイヤーです。
林遼平選手はリーグ戦で結果を残すことはまだ出来ていませんが、フレッシュリーグでは逆方向に強い当たりも打てています。
いずれの選手も二遊間を担うからには守備のレベルアップは必要で、このオフの取組の成果が出るといいなと思っています。
井上選手・大音選手という3・4番を担った主力野手のあとを受け継ぐ一三塁には、甲子園出場経験のある梅林浩大選手(静岡③)がファーストに入り、浦田晃佑選手(金沢泉丘④)と赤井東選手(浅野④)が主にサードの座を争う形になるでしょう。
梅林選手は静岡高校時代に神宮大会にもセンバツ甲子園にも出場した経験のある実力者で、社会人対抗戦では4番を担っています。昨年からリーグ戦に出場し、ヒットこそないものの鋭い当たりを何本か放っているので期待をしています。
最後に外野の3ポジションです。
新チームの背番号1を背負う副将の宮﨑湧選手(開成④)は攻守に欠かせないプレイヤーで、1年生の時からリーグ戦に出場し通算打率もしっかり2割を超えています。魅力的なスイングの鋭さと、俊足を活かした盗塁、そしてアグレッシブな走塁で相手投手にプレッシャーをかけられる選手です。昨年まではセンターが定位置でしたが、社会人対抗戦ではレフトにつきました。
昨年からライトを守るのはアメフト部からの転部という異色の経歴を持つ阿久津怜生選手(宇都宮④)です。昨年は春・秋共に上位打線を担うも打率1割台でしたが、年間で8盗塁を決めている俊足の持ち主で、守っても強肩を見せてくれます。身体能力の高さを感じる選手で、社会人対抗戦ではスイングスピードが上がったように感じましたし、実際に2本の二塁打をマークして存在感を放ちました。
外野最後の1枠に入るのは別府洸太朗選手(東筑③)です。東筑高校時代の2017年夏に甲子園出場経験があり、二浪の末に東大に入学、昨年リーグ戦初出場すると秋は7打数3安打。レギュラーもつかみかけましたが、守備中の怪我で離脱し今シーズン再起を懸けます。新体制では3年生ですが一桁背番号9を背負います。
昨年、東大の機動力の中心には走塁長だった隈部敢選手がいて代走のスペシャリストの役割を果たしました。昨年中からやはり守備・代走から出場し3盗塁を決めている選手が伊藤翔吾選手(開成④)です。センターにも入れますし、足の速さは確かなものが有るので出場機会は今年増えていくでしょう。
6-3.東京大学 予想スタメン&予想投手起用
最後に開幕戦の予想スタメンと、春のリーグ戦での投手起用です。
1番(右)阿久津怜生
2番(遊)中井徹哉
3番(左)宮﨑湧
4番(一)梅林浩大
5番(捕)松岡泰希
6番(中)別府洸太朗
7番(三)浦田晃佑
8番(二)林遼平
9番(投)井澤駿介
先発:①井澤駿介 ②松岡由機 ③鈴木健
中継ぎ:西山慧、鈴木健、古賀拓矢、齊藤祐太郎、小髙峯頌大
抑え:(井澤駿介)
打線に関しては社会人対抗戦と同じメンバーで臨むと予想しています。1番~4番まで左打者が並びますがいずれも足の有るバッターなので、左打者が打席に立つことによる走りやすさも多少上がるかもしれません。1~3番で出塁し、4~6番で返すという攻撃が理想形です。
投手に関してはやはり井澤投手がフル稼働すると思っていて、初戦の先発+2戦目以降のリード時にロングクローザーという運用ではないでしょうか。実際、東大の個々の能力は確実に他チームに劣るので、負け試合の継投も大事になってくるかもしれません。経験のある西山投手は勝ち試合でも負け試合でもリリーフで試合を引き締める・立て直す役割を担いそうな気がします。(普通に先発するかもしれませんがあくまで予想ということで)。
7.さいごに:2万字になった謝罪
シンプルに書きすぎました。すみません。ベースボールマガジン社発行の大学野球号に負けないつもりで書きました。OP戦含め各チームの新体制の試合を観られていないので、あくまで昨年+フレッシュリーグやらだけで書いています。いろいろ違う所もあるかと思いますがご容赦ください…。誤謬があればご指摘いただけますと幸いです。
とりあえず、東京六大学野球開幕が楽しみすぎます。どのチームも見たい、毎試合見たい。各チーム・選手・スタッフ・応援団のみなさまが無事に開幕を迎え、最終戦を終えられるよう祈念しています。
みなさん、がんばってください!!
■出典
https://baseball.sfc.keio.ac.jp/
写真はすべて筆者撮影のもの。無断転載はご遠慮ください。
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