冬村窓果

なにか文章を書くのが好き。オチなどない。過去作とか、その場の思いつきとか。概ねしり切れ…

冬村窓果

なにか文章を書くのが好き。オチなどない。過去作とか、その場の思いつきとか。概ねしり切れとんぼ。

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【短編小説】タブラ・ラサには戻れない

「波の向こうにはねこの国があるんだって」 「どこで聞いたんだそんな眉唾」 わりとマジな顔…

冬村窓果
8か月前
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三題噺 「しもやけ」「薔薇」「雪」

 薔薇にはとげがある。  それは我々に、きれいなものにはとげがあるという言説を抱かせる代…

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ヤギがこちらを見ている|雑談

 ヤギがこちらを見ている。  ただ、この一言に尽きる、そんな現在である。  書いていてな…

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5か月前
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カットレモンのような昨日の月

 ああ、空にまします月よ、夜天をあまねく照らす月よ!  ということで今回ご紹介しますのは…

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7か月前
2

このごろ、どうも堕落に堕落を極めています。人間は堕落する生き物といっても、これは度を超えている。劣化の一方で、ふと立ち止まるたびにその情けなさに眉が下がります。

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十二月前半集/短歌二十九首

早まるなそこにわたしはいないしさ竜宮なんてものもないから   /拙作『タブラ・ラサには戻…

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読書好きというには違和感のある人生

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かなしい0時1分過ぎ

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7か月前

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7か月前
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わたしにとっての神社を改めて考えてみた

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7か月前
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紙炉(SSS15篇)

四、五年前にぽつぽつ呟いていたポエム擬きです。140字あるかないかなのでとても短い。 読み返…

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7か月前
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ぎりぎりの抵抗

「こんな無念な状態で、彼に会うことはできないんです」  私は連続二週間が昨日の日付で終わ…

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夏、あるいは(書き止し)

 もうすぐ夏が来る。来てしまう。  そうやってなんだか今から憂鬱になってしまうのは、まあ…

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【掌編小説】魔性/祈りという愛

 朝焼けをのぞむとき、私たちは。 *  苦しまないように、と祈るのが愛だった。  少なく…

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