ぎりぎりの抵抗

「こんな無念な状態で、彼に会うことはできないんです」

 私は連続二週間が昨日の日付で終わっている画面を睨みつけて言った。時刻は零時の二分前を指している。
 耳もとで、軽やかな声が笑みを含んだ。

「在原さん、それなりマジメなのにねぇ」

 けらけらと、悪意をちらとも含まずに笑われる。嫌味なわけではないのはわかっている。

「ま、しょうがないですね。いまからじゃあ、間に合わないですし」
「間に合わせますよ。どんなに短文でも」
「あ~、それで後から付け足すんですか? 外道っぽい」
「……勝てばよかろう、間に合えばよかろうですよ」
「アッハハ、外道! さっきわたしマジメって言ったけど!」
「うるさいですよ。というか『外道』の使い方それであってます? 言いたいことはわかりますけど」

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