閑話 さざなみの徒然/会話文

2020年以前既出短文。

「バレンタインだって」
「なんだってそんなことを」
「ね」
「そもそも……」
「だよねえ。なんだってね、そんなことをねー」
「ねが多い」
「いじわる」
「どうとでも?」
「いじわる!」
「ハイハイ。じゃあなに、これはいらないわけだ」
「エッ?! ズルい! ██ちゃんずーっとズルしてた!」
「何のネタだっけそれ」
「えー、しらない。聞きかじりだもん」
「わからんのに使うなよ。あたまのわるさがバレるぞ」
「いいよどうせわたしはあたまがわるいですぅ。わかってるし」
「拗ねるなよ。事実しか言ってないだろ?」
「慰めてくれると思ったのに!」
「いっつもそうだからって? んなわけないだろ」
「でもやさしいよね?」
「そりゃあな」
「自分で言うんだ」
「事実だろ? それをいちばんわかってるのはおまえだろーが」
「そうだけど……そうだけど!」
「ハイハイ」
「流されたぁ〜」
「流されてるおまえがよく言うよ」
「流した本人が言うことじゃないでしょ、それ」
「「お互い様だ」」


「チョコレートってなんだっけ?」
「アレでしょ、アレ」
「あー、アレか。あの」

「「毒にも薬にもならないやつ」」

「毒にはなるんじゃない?」
「薬にはならないよな、でも」
「倒置法!」
「ほっとけ」

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