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〝普通〟と戦う。

結婚がしたい。とにかくしたい。
でも、今の彼と結婚したいのかは実際よく分からない。

ただ、私の中で「結婚したい」という事実だけ、願望として大きく膨れ上がっている。

それは、25歳を過ぎたあたりから、明確に私の心を蝕み、私の頭の片隅に、ひとときも忘れることなく存在している。

なにに焦っているのだろうか。私は見えない何かに逃れたいのだろうか。
世間の常識に、当てはまりたいのだろうか。
私の周りの、第一次結婚ラッシュの波に乗りたかったのだろうか。


両親は、私のことを「結婚が遅い人」だと思っているらしい。
実際両親も、当時としては少し遅いと呼ばれる年齢で結婚している。

ただ、これはあくまでも結婚する前提の話。彼らには、結婚を〝しない〟とか〝できない〟という選択がないように思われる。
それは、両親の願いが込められているからだろう。

学生時代に両親から「孫の顔を見るのが楽しみ」と、夢を語られたことがある。さすがに社会人になってからは、デリケートな話だと感じているのか、言われなくなった。
プレッシャーをかけないでくれるのは、とてもありがたいことだ。

私だって〝普通〟に結婚して、〝普通〟の幸せを手に入れて、子供を産み育てることを理想としてきた。
自分と、両親の夢を叶えたいと、常に強く思っているのも事実だ。


現実の私は、その〝普通〟に押し潰されそうになっている。


ライフスタイルがこんなにも多様化してきているこの時代に、ひと昔の〝普通〟や〝当たり前〟を刷り込まれて生きてきた。

たくさんの選択肢が認められつつある中、婚活市場もこのコロナ禍により、より盛んになっていることも知っている。

私はきっと、この矛盾に板挟みになりながら、見えない〝普通〟に心すり減らしているのだと思う。
世の中に踊らされているのだと分かりながら、必死にその〝普通〟にしがみつきたいと願っている。


結婚を「しない」選択は、個人でできるが、
結婚「したい」のに「できない」のは、個人の問題ではなくなってくる。相手ありきでの問題だ。

その壁の厚さや高さがはっきりと見えないのが、本当に苦しい。


結婚に対して焦りがない人を見ると、かっこいいなと感じる。本音を言うと、私もそれくらい潔くなりたい。

自分のペースで、自分の時間軸を持って、世間に左右されない強さが欲しい。

だけど、どうしたって結婚したいという願望だけは消えない。なんて中身のない願望だ。

今、彼氏がいるから焦ってそう考えるのだろうか。もうすぐ付き合って3年経つのに、そういう話をしないからだろうか。
周りは確実に一歩進んでいるのに、自分だけ取り残されている気分になるからだろうか。


結婚で手に入るものってなんだろう。

「人生次のステップに進めた人」というレッテルだろうか?
それとも安定した経済力?それとも安心感?


きっと全部欲しいんだろうな、私。

どす黒い欲望に対して、全く叶わない現実に、自分で自分の首を絞めてる。

10年後のキャリアをふと考えたときに、
〝あれ?私って10年後結婚できてる?子供いる?そしたら話がいろいろと変わってくるよね?〟と気づいて絶望した。むしろ、3年後の自分すら想像できない。

いや、想像はできるが、どこまで実現できるのか見当もつかない、が正解だろう。



人生って、こんなにも生きづらかったっけ。
結婚したいって夢を叶えるのって、なんでこんなに難しいんだろうね。


〝世の中の普通〟の一味になることで満たされる夢なら、こんな夢を追うことをやめたい。
それなのに、心の安定を求めて追いかけてしまう。

矛盾ばっかり。

このよく分からない感情を、早くスッキリさせたい。
でも、出口が分からない。

きっと、結婚しても、次は出産の、よく分からない自分の感情と、世間の〝普通〟という矛盾に悩まされ、その次のステップに進んでも、また同じように悩んで…。そんなことの繰り返しなんだろう。


見えないものにモヤモヤするのをやめて、
自分の好きなものだけを見て、生きていきたいなぁ。



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