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変わらないもの。

彼の顔は、正直タイプではない。

でも、人間顔じゃないってことはよく分かっている。性格が大事。
顔が良く思えてきたのは、付き合って数ヶ月経った頃からだろう。愛着が湧いたのだ。

彼の笑顔は、出会った時からとても好きだった。
とても眩しく、キラキラしていた。〝爽やか〟と言う言葉がとてもよく似合う。


私たちが出会ったのは、共通の友達の紹介だった。

当時は、お互い恋人を欲していたわけではないが、友人が気を回して紹介してくれた。

そして、いきなり二人で会うことになった。

待ち合わせ場所で、初めて彼を見た瞬間、とてつもなく爽やかな印象を受けた。
お互いの仕事終わりで会ったため、スーツが私に魔法をかけた仕業なのか。もともと持っている彼のポテンシャルなのか。
とにかく「うわぁ、好青年という言葉が似合う人だなぁ」と思った。

食事の時間はとにかく楽しかった。よく笑い、いろんなことを話した。
時間はあっという間に過ぎていった。

その場で、次会う約束をし、解散した。


私はその時点で、彼に恋していただろう。まさに字の如く〝恋に落ちた〟のだ。

私が今まで出会ってきた男性とは、全然違うタイプこ人だった。彼も私に対し、同じように思っていたらしい。
自分の周りにはいないタイプ。
同じ学校だったとしても、たぶんあまり、交わらなかっただろうと推測できる。

彼はずっと、スポーツに打ち込んできた人で、芯がある熱い人だった。頭の回転も良く、向上心があり、目標を立てて行動する人だった。

私にはない行動力と考え方が、すごく惹かれたし、今でも変わらず尊敬している。
彼は人としてすごく立派だと思う。正直、私にとってはスペックが高すぎる人だ。こんな不出来な私に、すごく優しい。
もちろん、お互い未熟だと感じることも、付き合ってからたくさん見えてきた。

それでも、彼の根っからの明るさに、私はたくさん助けられてきた。


私は、彼に何を与えられているだろうか。

最近ふと考える。
そして自信がなくなる。何も与えられてないんじゃないかと。
メンヘラみたいだから、そんなこと彼には言わないが、きっとそう考えてしまっていることを感じ取っているのかもしれない。

彼はよく、私に言ってくれる。〝もっと信頼してくれていいのに〟と。

気を遣いすぎる性格の私は、思ったことをすぐ口に出せない。それを踏まえて、そう伝えてくれているだろう。優しい。

彼と初めて出会ったときに思った、彼の眩しすぎる笑顔は今でも健在だ。

だったらせめて、その眩しい笑顔を私もお返ししよう。
ようやくたどり着いた、今の私の答え。


人は、年齢や環境で変わってしまう生き物だ。
だけど、変わらないものもある。

彼と出会ったときから今を振り返り、たくさんの大きな変化があったことは間違いない。
変化を楽しむことも大事。でも、変わらないものも同じくらい大切にしたい。

私の場合、それは彼の笑顔だ。

彼もそうであってほしいと願う。


春の陽気に誘われて、お散歩した今日。
大切なことを気づかさせてくれた、とても充実した1日。


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