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見えない未来。

ちょっとした一言がきっかけで、人生の振れ幅は意外と大きく変わるものだと、つい先日実感した。



意外な一言だった。意外な人からだった。
こんなにあっさりと、赤の他人にポロッと、そんなこと言われると思ってなかった。

「もう3年付き合ってるの?来年くらいにそろそろ結婚した方がいいんじゃない?」

たまたま居合わせたところに、ある人が私たちにそう言った。
彼女は、私たちの親と同世代くらいの人だった。


正直私は〝何も知らないのに勝手なこと言わないで〟と思ってしまった。

「いや、そろそろって考えてたんですよね。」

彼はそう言った。そう言うしかなかったのだろう。


だけど、3年付き合ってる彼の〝結婚〟に対する想いを初めて聞いた気がした。

なんとなく避けていた話題ではあったし、私自身、傷つくのが怖かった。


彼はそのあと、二人になったタイミングで話してくれた。私たちの今後について。
今年か来年、彼が私と結婚したいと思っていたのは事実らしい。

素直に嬉しかった。
そして驚いた。そんなふうに思ってくれていたことの事実に、びっくりした。

それと同時に、大きな不安に襲われた。急に怖くなった。
誰だって、結婚を考えてくれる相手がいるのは、すごく幸せなことのはずなのに。
夢だと思っていた〝結婚〟がリアルになった瞬間、自分の未来が真っ暗で見えなくなった。


そういうものなのだろうか。
別に彼に不満があるとか、経済的な心配があるとか、そういうことではない。

ただ急に、彼との間に新しくできたその先の未来に、戸惑いが隠せないだけなのかもしれない。

結婚を考えていなかったわけではない。もちろん、できるならしたい。
だけど、それを共通認識として彼と話したことがなかったから、混乱したのかもしれない。


プロポーズだってまだされていない。
されるかも分からない。私がするかもしれない。
本当に、まだ何も分からない。


だけど確実に、私たちの未来が具体的になった。

些細なきっかけで、〝いつか〟と思っていた未来がこんな風に近くなるんだと体感した。


いつかその人に「ありがとう」と伝えれる未来が来ると良いなと思う。



〝嬉しい〟と〝不安〟が混在している今の気持ちに、整理がつかない。
そうなってしまっている自分自身に対しても、理解が追いつかない。

こんなんで、私は結婚できるのだろうか。


自分の未来が、正直なにも見えてこない。

彼ともう一度、しっかり話さないといけないことは分かっている。
だけどやっぱり、不安が勝る。変化が怖くて、勇気が出ない。

変わらなきゃいけない自分と、変化していく未来に、まずはしっかり向き合う努力をしなきゃいけないことくらいは、分かる。


ただ、なにもない日の予期せぬ出来事に、柔軟に素早く気持ちの対処ができるほど、私はできた人間ではない。



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