実際のところ腰痛にはどんな治療がいいの?
こんにちは、totoritoです。
今年のGWも緊急事態宣言が出ているため、家かカフェに引きこもっています。
今年は昨年と比べて旅行客がとても多いみたいですね。
2週間後に爆発的に増えないことを祈ります。
さて、今日は実際のところ腰痛にどんな運動がいいのか?ということを書いていきたいと思います。
とりとめのない文章になりますが、よろしくお願いいたします。
現在、腰痛とひとまとめにすると運動が害になることもありえます。
腰痛を発症して1か月以内であれば、特別激しめの運動を行うよりも日常生活や仕事に徐々に復帰することが、将来的な腰痛再発を予防し、早期に改善させます。
かえって、1週間安静にしたり、取り組んでいた趣味や仕事を辞めるといった行動は推奨されません。
慢性腰痛(3ヶ月以上続いている腰痛)であれば、有酸素運動(ウォーキング、水中歩行、エアロビクス)、ヨガ、太極拳、ラジオ体操、体幹安定化トレーニング、体についての学習(Back school program)、手術、などなど様々な治療方法が良いとされています。
結論を申し上げますと、
運動自体は慢性的な痛みに対してどれも効果的です。
しかし、慢性的な痛みを持っている方は、背筋力が低下していたり、会社や家庭でのストレス、体の使い方を忘れてしまっている、など様々な要因が絡み合っています。
疲れすぎるような運動は逆効果を生むことにもなりかねません。
Wang XQ, Zheng JJ, Yu ZW, Bi X, Lou SJ, Liu J, Cai B, Hua YH, Wu M, Wei ML, Shen HM, Chen Y, Pan YJ, Xu GH, Chen PJ. A meta-analysis of core stability exercise versus general exercise for chronic low back pain. PLoS One. 2012;7(12):e52082.
doi: 10.1371/journal.pone.0052082. Epub 2012 Dec 17.
これは4つの研究をまとめて解釈したものです。
対象はおおよそ50代があたりが多いようにみえます。
3ヶ月後までは体幹安定化が一般的な運動に比べて有効とされていますが、6か月後、12か月後は両群で痛みの程度に差はないとしています。
Coulombe BJ, Games KE, Neil ER, Eberman LE. Core Stability Exercise Versus General Exercise for Chronic Low Back Pain. J Athl Train. 2017 Jan;52(1):71-72.
doi: 10.4085/1062-6050-51.11.16. Epub 2016 Nov 16.
これは慢性的な腰痛もちの人に対して体幹安定化運動と一般的な運動のどちらがより良いかを比較した研究です。
結果は、3ヶ月後までは体幹安定化運動の方がより痛みを減らしましたが、6ヶ月後や12か月後は両群で差はなかったということでした。
Long A, Donelson R, Fung T. Does it matter which exercise? A randomized control trial of exercise for low back pain. Spine (Phila Pa 1976). 2004 Dec 1;29(23):2593-602.
doi: 10.1097/01.brs.0000146464.23007.2a.
自分が動かして楽になる方向への運動を繰り返して実施した方が、痛みを出す方向への運動や体幹のインナーマッスルトレーニングよりも痛みをより減らした。
例:体をそらした方が痛みが減る人はうつ伏せや立っている状態で体を反らす運動をする
例:体を丸めた方が痛みが減る人は腹筋運動をする
Browder DA, Childs JD, Cleland JA, Fritz JM. Effectiveness of an extension-oriented treatment approach in a subgroup of subjects with low back pain: a randomized clinical trial. Phys Ther. 2007 Dec;87(12):1608-18; discussion 1577-9.
doi: 10.2522/ptj.20060297. Epub 2007 Sep 25.
体を反らした方が痛いが少ないと感じた人に対して積極的に体をそらす運動を実施した群と体幹安定化運動を比較した研究です。
頻度は、最初の2週間は週2回、次の2週間は週1回の計6回の運動量でした。
結果は、1週間後は安定化運動よりも有意に痛みを軽減したが、4週間後、6ヶ月後は両群での差はなかった。
しかし、アンケート(修正Oswestry Low Back Pain Disability Questionnaire)による腰部の障害についての結果は、4週間後、6ヶ月後まで体幹安定化運動よりも有意に良好であった。
しかし、この上2つの研究はMDT(Mechanical Diagnostic Treatment)、いわゆるマッケンジー理論で実施されていますが、MDTがその他の運動療法、受動的治療より優れていませんよ、という報告もあります。
Sanchis-Sánchez E, Lluch-Girbés E, Guillart-Castells P, Georgieva S, García-Molina P, Blasco JM. Effectiveness of mechanical diagnosis and therapy in patients with non-specific chronic low back pain: a literature review with meta-analysis. Braz J Phys Ther. 2021; 5(2):117-134.
doi: 10.1016/j.bjpt.2020.07.007. Epub 2020 Aug 4.
Suh JH, Kim H, Jung GP, Ko JY, Ryu JS. The effect of lumbar stabilization and walking exercises on chronic low back pain: A randomized controlled trial. Medicine (Baltimore). 2019 Jun;98(26):e16173.
doi: 10.1186/s40798-021-00306-w.
これは、10が1番つらい痛みとした場合、4/10以上の痛みを3ヶ月以上かかえている慢性腰痛者(20歳以上)に対して、どの運動がより効果的かをみた研究です。
運動の種類
・ストレッチ
・ウォーキング
・体幹安定化運動
・お腹を意識したウォーキング
の4種類で比べていました。
実際に行われていたストレッチの内容です。
これは段階的に実施された体幹安定化運動です。
左側の方が難易度が低くなっています。
頻度は週5回、30分の運動を6週間です。
結果は、6週間後はどの運動群も運動中の腰の痛みを減らしていました。
さらに4種類の運動による効果の違いはありませんでした。
Tataryn N, Simas V, Catterall T, Furness J, Keogh JWL. Posterior-Chain Resistance Training Compared to General Exercise and Walking Programmes for the Treatment of Chronic Low Back Pain in the General Population: A Systematic Review and Meta-Analysis. Sports Med Open. 2021 Mar 8;7(1):17.
doi: 10.1186/s40798-021-00306-w.
これはウォーキングや一般的な抵抗運動を行った人たちと肩甲骨周りや背中、お尻などの主に体の後ろ側をトレーニングした人たちを比べた研究です。
対象者は、活動的な人もいれば、座りがちな生活を送っている人も含まれていました。
結果は、12-16週間運動を行うとより痛みが改善したという結果でした。頻度は週1~5回の範囲でした。
6-8週でも効果はありますが、12-16週実施するとより強い効果が出るというものでした。
いかがでしたでしょうか?
いくつか研究報告をあげましたが、山のように報告があるため、まだまだこれも一部でしかありません。
まだこれが一番いい!という結論はでていないみたいですね。
でも、逆にいえばどれをやっても少なからずやらないよりは効果があるみたいです。
有酸素運動であれば、週2回を最低でも6週間続けるとより良いよなどの提案もされています。
GW期間中でなかなか外出もしにくいですが、朝、昼、夜のどこかでも外をお散歩してみてください。
朝起きたら一度伸びをするやお風呂入る前にスクワットを10回やつま先立ちを10回など、何かタイミングと結びつけて取り組んでみると、いいかもしれませんね。
では、今日はこれで終わりにしたいと思います。
最後までご覧くださり、ありがとうございました。
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