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【禁煙小説】離煙生活の真髄vol.4【宇宙の命令ーSDGs】
【離煙生活ー1日目ー】
俺の名は山口裕介、しがないコンビニの店員さ。最近俺は、働く意欲の強い東南アジア人達の影響で、夜勤に回されちまった。
このコンビニに働き始めてから、早8年。大学生時代から続いちまってるこのバイト、居心地もいいし、都合もよくて、やめる理由が見つからないんだよね。
そう、このポケットに入っているマルボロライトのように…。
A 「山口さーん、一服どうぞ〜」
山口「あきゃんきゃん!あぁ、もうそんな時間か。」
時計を見るともう夜中の3時になるところだった。俺達は店長がいなくなると、一時間交代で仕事をしている。ほとんど客もいないし、品出しとかやることさえ終われば一時間ごとに各々好きに時間を使えて、しかも給料もゲットって訳だ。そして、この交代のときに吸う一服が格別なんだ。
バックヤードに無造作に置いてあるジャンパーを着て店を出る。出てすぐの所に、大きな筒状の灰皿が置いてあり、この町の簡易的な喫煙所になっている。
この時間帯によくいる黒いパーカーを来た無精髭の男が先に一服していた。いつも別段買い物もせず、二本のタバコを吸って帰るこの男に一応会釈して、タバコに火を点けた。
山口「フゥ〜」
寒い季節、吐いた息と煙が混ざって夜の空気を白く暈す。
パーカーの男「もう最近、この辺でタバコ吸えるのもここくらいになっちゃいましたね」
山口「あきゃんきゃん!!あぁ、言われてみれば、あそこのセブンも灰皿がなくなっちゃったし、駅チカだと堂々と吸えるのはここくらいですかね。」
パーカー男「うん、それでも、昼間はここでも露骨に嫌な顔されるようになったよ。」
山口「どんどん肩身が狭くなりましたね」
パーカー男「そろそろやめどきかな、あはは」
そういうと男は夜の暗がりに消えていった。
〜つづく〜
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