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2023年8月の記事一覧

記憶を覚えて、思い出を憶えて。

記憶を覚えて、思い出を憶えて。

素晴らしい。

「思い出」と「記憶」の定義にもう一方の単語をそれぞれ使用しているところに美しさすら感じる。

思い出は全部記憶している。
記憶は全部は思い出せない。

うん、美しい。

重要なのは、自身が体験/経験したことを必ずしも全て把握している必要はないということ。

むしろ、そうやって把握しようとすることを人は「記憶」と呼ぶ。学校の勉強を思い浮かべるとイメージしやすいが、かなり作業に近い。

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お前、削り取られたマチズモの気持ち、考えたことあるの?

お前、削り取られたマチズモの気持ち、考えたことあるの?

男性が嫌いです。とても。
自身も男性です。
自分を含む男性が嫌いです。

並大抵のミサンドリーではないことが分かりますか。
攻撃の範囲内に自分自身がいる否定はなかなか見たことがないでしょう。
これは珍しいですよぉ。さぁ、寄った寄った。

大学3年生の冬ごろ、急にフェミニズムの沼にハマり、以来卒業まで学び続けた。

SNSやメディアでご活動されているフェミニストとは違い(と、信じている)、"性"につ

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鳥葬について

鳥葬について

話題に外部性をもたらすために、
過去に保存していた写真から気乗りするものをピックアップして、そこから思いついたものをつらつらと書いてみる。フリースタイル。

今回はこちら。
一つのフレームにこんなに鳥って映るんだ。

群れの横断?
それにしては隊列が組まれていない。

構図がいい。
中央の人物の輪郭をなぞるように鳥が配置されている。

パッと思いついた単語を話題の中心に据えてみようと思った。

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未だ来ないものを、それでもなお明るく見通して

未だ来ないものを、それでもなお明るく見通して

今ここにある かすかな救済者
瓦礫はうずたかく
……
嵐がくる
楽園から吹きつける風に
巻かれ踊る翼
遠のく明かり
嵐がくる
楽園から吹きつける
透明な未来

ceroが今年の5月24日にリリースしたアルバム
『e o』の最終曲「Angelus Novus」より。

アンゲルス・ノーヴス。
意味は、「新しい天使」。

画家のパウル・クレーが1920年に制作した絵画のタイトルである。
これに寄せて、

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あなたの名前で、呼んでもらいたいという願望

あなたの名前で、呼んでもらいたいという願望

『Call me by your name』
(邦題『君の名前で僕を呼んで』)を観た。

本作品は2007年に出版された同題小説を原作に、2017年に映画化された。

なかなか観るのが難しい映画だった。
というのも、映される風景、植物、食べ物、水……、どれもが見入ってしまうほど綺麗に映されているため、意識しないとストーリーへの集中力が削がれてしまうからだ。

避暑地ということもあってか、いい意味で

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