見出し画像

旅の詩

青い電車で旅がしたい。できれば海を通る列車がいい。カモメが飛んでいて、空は雲が少しあるくらいの青空。周りには誰もいないのが嬉しい。これは僕の為の旅だから。エキストラは必要ないのだ。どこに行くのかも知らずに行きたい。何があるのか、どんな景色なのか、お土産は何が売っているのか、何も知らないのが旅ってもんだからね。それを想像しながら、進む旅路というのも乙なものさ。目印はあって良い。ゴールがないのは旅ではないのだから。それではただの放浪になってしまう。それは許せない。僕は旅がしたいのだ。おかかのおにぎりと、自販機で買ったペットボトルのお茶と、いつ買ったかわからないカメラを持って行くのがいいな。スマホは海に投げ捨ててしまおう。もう必要ないのだから。僕を縛るものは全て置いていってしまうのだ。せめてもの、旅のお気に入りの景色の中に置いていこう。それが旅のチックポイントにもなるし、思い出す布石にもなる。最後にさ、出会うんだ。麦わら帽子をかぶった、白いワンピースを着た君に。ナン万回見たかもわからない、夏のコスプレだけど、きっと僕のゴールに相応しいから。僕はそこで旅を終えるだろう。

この記事が参加している募集

#スキしてみて

528,758件

#私の作品紹介

97,568件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?