海月たう

詩のような、哲学のような、エッセイのような言葉の作品を書いています。別に難しい物ではな…

海月たう

詩のような、哲学のような、エッセイのような言葉の作品を書いています。別に難しい物ではなく、伝えたいことを捉えたり、言葉遊びを楽しんでますので、皆様も気楽に受け取ってもらえると嬉しいです。

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最近の記事

誰かに盗まれることを期待して

常に何か足りない日常にも慣れてきてしまったので、新しい自分の一部を探してみることにしよう。僕の心を奪い去ってしまうのを期待して、SNSの波に乗ったのはいいけれど、僕の心は頑なに僕の中だけに留まっていた。今流行りの曲でも、全米が泣いた映画でも、オリンピック決勝の舞台でも、全く響かない。ちっともワクワクしないんだ。そりゃあそうだ。この世の全てを見たとして、どこに欠片があるものか。僕は欠けてなどいないのだ。歪んで元の形を忘れてしまっただけでした。足りないモノは僕の中に埋まっていて、

    • 二月十日の雪の日に

      二月の雪の日なんて珍しくもなんともないけど、また今年もニュースは騒ぎ切っているのを見て、なんだか恥ずかしくなってしまう。非日常な日常に、僕たちはいつまでも適応することなんかできやしないと突き立てられてるようで、無関係とは言い切れないけど、そこはかとなく染まっているニュースキャスターの好感度が少し下がっていくんだ。

      • 退屈は炭酸の泡とはじけて飛んだ

        熱くも冷たくもない人生を歩き続けるのは、とてつもない苦痛を感じることでしょう。まるで流れを失った水溜りのように、自ら変化することを諦めてしまって、錆びた鉄棒の味がするの。かといってエアコンに支配された部屋の中で生き続けるのも大して変わらないわけです。それなら僕は、氷点下の中で微かに見える光に向かって進み続けることを選びます。死ぬ寸前まではたどり着くかもしれないけれど、終わる前にしっかりと休むから、本当に終わることはないのだから。それに、ぬるま湯を飲み続けるのはもう飽きたんだ。

        • 双子の詩

          君と私はいつも一緒。私から生まれ落ちたかのように、容姿もぴったり似ているあなた。見分けがつかないと周りが言うのが、なんだか誇らしくて嬉しくて、敢えてだったのがいつの間にか自然となったの。お陰様で余計に一緒。抱き合った時の心音も、心臓が一つなんじゃないかと疑うくらいに呼吸を合わせて、子守唄代わりにして二人で眠るの。このまま一緒にいられたら、どんなに幸せなのでしょう。だから、恋する相手もきっと一緒。私が想うなら君も想うの。証拠は同じ数の心拍数。

        誰かに盗まれることを期待して

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        • 28本
        • 詩以外
          2本

        記事

          日常の詩

          目が覚めたら君がいて、君の声で始まる一日。朝日を背負って揺れるカーテンと、一人暮らしの跡がついた観葉植物がキスをしてる。君の為にと自分の中では背伸びをしている服を着て、洗面所では昨日の自分を洗い流す。鏡に映る僕の姿は、どうにか君の隣を担える姿。これを言ったらきっと君は怒るだろうね。世間の音を流しながら、君と一緒に食事を作って、君と一緒に同じものを食べる幸せ。ありえない日常の喜びと共に、ゆっくりゆっくり噛み締めるよ。

          日常の詩

          傷痕の詩

          私はいつも傷だらけ。心ない言葉が痕を作るの。私に向けたモノだけではなく、誰かに向けたモノでも私は痛む。きっとその人は痛がっているから、私も一緒に痛がるの。2人なら少しは和らいでくれると信じてさ。 色んな人の言葉が刺さるよ。無意識に投げた薄情な言葉から、わざわざ研いでおいた鋭い言葉も。 だから私は傷だらけ。だけど、色んな痛みを知っている。どうすれば傷つくのかを知っているよ。どれだけ痛いか知っているから、私は誰も傷つけない。どんなに傷をつけられても、私は誰も傷つけない。 これを優

          傷痕の詩

          白日夢の詩

          内側の世界に浸り、沈み、同化する時、本質の剥き出しの色に染まっていく。淡く、薄く、見せかけだった鎧の色が剥がれ落ち、本来の僕に近づいていくのです。他人の意思や、世界の我儘など関係なく、真っ新な場所に立ち、生まれ落ちたばかりの赤子のように、繊細ながらも一貫した考えを持つ生き物になる。思考を飲み込み、想いを吐き出し、誰にも止められず、ただひたすらに理想像を描き続けた。やっと、高純度の僕が生まれた時、無惨にも雑音だらけの空気に引き戻されてしまい、最も僕に近い僕は消え去ってしまうのだ

          白日夢の詩

          立春の詩

          切手を買った。君に手紙を出そうと思ったから。今の世界では、前時代的かもしれないけど、どうにも電子に嫉妬してしまいそうだから、僕の言葉をインクに乗せて、春の始まりも滲ませて送るのです。

          立春の詩

          頑張りたいと思ってる人へ

          世間では、頑張ることに疑問を持ってる人も多いと思う。 頑張ることで不幸になってしまった人が多いからかな。その弊害なのかもしれない。 でもね。頑張ることが悪いわけじゃないんだよ。 ただ、頑張る意味を間違えちゃってるだけなんだ。 あのね、 0を1にするのはとても大変なことなんだよ。 初めて何かに触れる時、人は好奇心と共に不安も抱えているから。 責任感があれば、尚更に不安は大きくなるよ。 だから、とても疲れるんだ。 でも、早く上手くなろうと思ってしまう。 周りは自分より進んでいる

          頑張りたいと思ってる人へ

          愛するよりも恋する君へ

          君を想うことに名前をつけたよ。 それは愛って言うんだって。 でもね、誰かが言ってたの。 愛はね、犠牲なんだって。 愛って、痛くて、怖くて、嬉しくないね。 それじゃあ、これは愛じゃない。 じゃあさ、僕らの気持ちはなんだろう? じゃあさ、勝手に名前をつけよう。 それを恋って呼んでみよう。 見返りなんていらないよ。 言葉だっていらないよ。 隣にいるだけで満足なの。 それが僕らの「恋」って感情。

          愛するよりも恋する君へ

          好きなことを諦めてしまった人へ

          好きなことにかける情熱を笑われるのはとても辛い。 嘲笑によって、何か大切なモノを奪われた気にもなって、情熱に羞恥すら感じてしまう。 こんな気持ちになるから、僕たちは逃げてしまうんだ。 そして、周りは言うだろう 「それくらいでやめるならそれほど好きじゃなかったんだろ」って。 違うんだよ。全く違うんだ。 好きだから辛いんだ。 好きだから、この気持ちをこれ以上傷つけたくなくて逃げたんだ。 情熱は確かにあった。誰にも負けたくない気概もあった。 でも、嫌だったんだ。 好きなモノを

          好きなことを諦めてしまった人へ

          決意の詩

          誰かの心を明るくできる言葉をたくさん作ろう。 誰かの不安を包み込める言葉をたくさん作ろう。 誰かの優しい思い出を蘇らせる言葉をたくさん作ろう。 僕にできる恩返し。初めて見つけた生きる意味。 ただ楽しめ。ひたすら進め。それが誰かの糧になれ。 想いが繋がり大きくなれば、見える景色も変わるかな。 誘惑に負けず、卑屈に負けず、自分に負けず。 誇りで照らせよ、進む道。 今、僕は決めました。 言葉で照らす詩人になると。

          決意の詩

          朝活の詩

          曖昧な意識が、少しづつ輪郭を保ち始めている。まだ街は寝ている。僕はこの時間が好きなんだ。ヒンヤリとした温度を身体に取り込み、細胞にアラームを聴かせていく。お気に入りのフード付きジャケットを羽織り、気分を上げる為に派手目なウォーキングシューズを履いた。今日はどこまで行こう。昨日の自分に宣戦布告をしながら、寝ぼけた街の雰囲気に、今日も溶けていった。

          朝活の詩

          強がりを溶かす雪の粒

          雪が混じる空気の粒が、少しづつ僕の中に浸透していく。果てしない時間を感じた。それと同時にどうしようもない不安も。 街明かりの街灯が息を吹き返した頃、スマホが無機質な声を上げました。誰が見てるわけでもないのに、激しく高鳴る胸の鼓動を悟らせないように、震える手で画面を撫でた。 「もしもし?うん、今着いたところ」 君の聞き慣れた声を思い出しながら、ここまで声帯に集中したのは初めてだったよ。 肺に溜まった熱い空気と共にポツリと吐き出す。 「あと5分か…」 待ち遠しさと居た堪れなさが喧

          強がりを溶かす雪の粒

          【日記】詩人になったら叶えたい夢の話

          こんばんは、海月たうです。 今日はなんだかのんびりしたい気分だったので、詩を書くのはおやすみして日記です。 さて何を書こう。 前回は詩人を目指したキッカケとかでしたね… それじゃあ今回は“詩人になって何をしたいのか”についてでも書きましょうか。 まず、一つは作品集を作ること。 これが今の目標ですね。 どんな作品集になるかはわかりませんが、 『海月たうらしいモノ』を作りたいものですね。 一目で“海月たう”だとわかるような、そんな色のある作品集にしたいな。 今の時代な

          【日記】詩人になったら叶えたい夢の話

          インフルエンスの詩

          交通事故のようだった 誰かの熱が伝染した 僕の心が火花で満ちる 捨てた気持ちが溢れ出た 驚いた まだ私の中に残ってる 懐かしくも苦くもあって 酷く喉が渇いてくるけど 見ないフリは出来なくなった もうチャンスはないと思うから 今を逃せば終わってしまう 分岐の先の望まない終着 この先何度も後悔する人生 そんな夜道に幸せがあるか 誰かの熱を自分の熱へ 心に小さな火を灯そう 次の誰かに渡るまで

          インフルエンスの詩