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#ショートショート

夜ふかしの詩

夜ふかしの詩

目をつむれば、いつでも夜がやってくる。だからいつも夜更かしだ。寝ても覚めても夜が来る。朝から晩まで夜が来る。いつでも逃げ込める世界は、とても便利なんだよ。大切なものを失った時にも、お世話になった。
卒業写真には興味はないけれど、明日からの君の人生は、透けた水の入った水槽を見るように眺め続けたい。桜の花が好きなのは、君が写った写真がいつまでも脳裏に保存されているからかも。だから僕は目をつむる。したら

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泣きそうな詩

泣きそうな詩

きっと世界を見る僕は泣きそうな顔をしている。別に悲しいわけじゃない。だからと言って嬉しいわけでもない。ただただ泣きそうなんだ。世界が泣いているから、きっとこれはもらい泣き。
君には見せたくないなぁ。カッコ悪いから。でも君はきっと励ましてくれるから、その優しさと温かさを感じたいとも思ってる。あぁ、僕は自分勝手な我儘ヤロウだ。こんなに貰っておいて、まだ足りないんだから。僕の人生じゃきっと返しきれないだ

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旅の詩

旅の詩

青い電車で旅がしたい。できれば海を通る列車がいい。カモメが飛んでいて、空は雲が少しあるくらいの青空。周りには誰もいないのが嬉しい。これは僕の為の旅だから。エキストラは必要ないのだ。どこに行くのかも知らずに行きたい。何があるのか、どんな景色なのか、お土産は何が売っているのか、何も知らないのが旅ってもんだからね。それを想像しながら、進む旅路というのも乙なものさ。目印はあって良い。ゴールがないのは旅では

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