【短編小説】信号の色が変わるまで
ただ、信号機の信号が青だから歩いて来た。歩いて、いた。不意に信号が黄色になった。私はそれを見上げ、信号が青になるのを待った。だが、いつまで待っても信号は青にならなかった。その間、私の目の前を自動車が何台も何台も走って行く。別の横断歩道の所の信号機は青になっており、何人もの人が横断歩道を渡っていた。私は再び自分の前にある信号機を見上げてみた。まだ、黄色のままだった。
その内にやがて私は信号機を見上げることに疲れて来てしまった。心なし俯いていた顔は本当に俯き、私は私のつま先