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海街移住 in 逗子

小さい頃からずっと海が好きで。

海を見ている時、海で泳いでいる時、海に浮かんで空を見ている時、変な言い方だけれどその時だけは「絶対的に正しい」という奇妙な実感が必ずあった。進むべき道は右なのか左なのか、望んでいるものは黒なのか白なのか、自分はいったい何者なのか…なんて自我形成もまだでジタバタと足掻いている頃も唯一「海にいる自分は正しい」と思うことが出来た。違和感が多かった若い頃、それに大分救われた。

原風景は、父親の会社の従業員とその家族みんなで毎年夏休みに行った千葉や茨城の海水浴。九十九里や大洗海水浴場。前日の夜に会社に集まってみんなで1台の大きなバンやバスに乗って、ワクワクとドキドキで息がつまる深夜に出発。朝から晩まで大人達に遊んでもらった。数人の屈強なおっさん達がガードするボートに乗りこみ沖まで行くも大波にのまれてひっくり返り大泣きし、宇宙戦艦ヤマトを砂で作り、蟹をつかまえて、でっかい鉄板で作った砂混じりの焼きそばをみんなで食べ、スイカ割りをして、昼寝をして、帰る頃には信じられないくらい真っ黒に日焼けをした、あの最強の時間。

旅をする時も、必ず海沿いにルートをとった。バイクで東日本一周をした時は、真っ先に新潟まで行って日本海に出て左手に海を見ながら北上。秋田の竿灯まつりと青森のねぶた祭りを見て、大間のフェリーで北海道に渡ってからも宗谷岬まで同様に海沿いを走り、帰りも紋別、羅臼、釧路と、沢山の高級昆布が打ちあげられた圧巻の海岸線を走り、本州と異なる海の表情を楽しんだ。

バックパッカーとしてアジア横断や中東縦断した時も、やはりルートは海沿いで、港街や海街をまわった。インドの三角半島の海沿いも、時には40時間という気の遠くなる長時間の寝台列車を乗り継ぎながら、チェンナイから最南端のカンニャクマリを経てムンバイまで制覇した。インド人は服を着たまま海水浴をするということに驚き、ゴアでは人生で初めて溺れる(インド)人を救助するという体験もした(笑)。そうだ、そのカップルがたまたま宿の部屋が隣で、命の恩人だと言われてウォッカをもらった。懐かしい。

印象に残っているのがトルコの「黒海」に面したトラブゾンという港町。元々こじんまりして歩いて回れる規模感が好きだけれど、トラブゾンはまさにで、何があるというわけでもないのだがアジフライとか道端で売っていたりして雰囲気がとても好きだった。そして、圧倒的なのが「紅海」のダハブ。ここの透明度は40mという驚異的な綺麗さと、サンゴや魚たちの美しさは尋常ではなく、おまけにその綺麗な海の目の前に柵も壁もなくレストランが面していてビールが飲めて、そのまま海にダイブができるという。海外の海街としては今でも圧倒的No.1の楽園。ダイビングのライセンスもここで取ったが本当に楽しかった。

さてなんの話か。そうそう、海が好きという話。
そして社会人になってまず選んだのが「パソコンひとつあれば海街で暮らせる」ということからWebの世界だった。それから約15年、Twitterのプロフィールには「いつか海街暮らし」と書いてある。

そして、その「いつか」。

きっかけのひとつは、嫁。偶然知り合って結婚する事になった彼女が偶然にも、逗子という海街生まれの海街育ち。僕からしたら海のスーパーサラブレット!なんてことだ。初めてのデートはいわずもがな。逗子マリーナの防波堤に登って歩く景色が最高。小坪漁港そばの「めしやっちゃん」で飲むビールも最高。披露山公園からの眺めなんてただもう絶景でしかなく、何より逗子海岸で泳いだ帰り道に聞く「ひぐらしの声」。心を抉られるし、あやうく涙が出てきそう。

徐々に逗子を知るにつれ、逗子という町の規模感好きだし、おだやかな雰囲気も心地よく、「いつか」住めればいいな、10年後か15年後か20年後か、そう、いつか住めればいいな。

ん?その「いつか」っていつだ?
おや?ずっと夢だった海街に住むのっていつのことだっけ?あれ、叶えたい夢なのに10年後って言ってるのって何故だっけ?
おやおや?自分の本音はどこだ?自分のインサイトはなんだっけ?僕たちが幸せを感じる価値ってなんだっけ?そもそもこれから生きていく上で大切にしたいことって、、、、、なんだ?

そして、、、

逗子の海沿いに建つ古いマンションを購入し、リノベーションをして、2021年の夏から逗子に移住することにしました。また、まもなく子供が生まれます。夢だった海街暮らしを始めます。逗子の皆さん、どうぞよろしくお願いいたします。

風の時代と言われる新しい世界の到来と共に、移住や海街暮らし、逗子生活やアウトドア、本質的な価値、またマーケターとしての生き方についても、ゆるゆると、このnoteで書いていければと思います。ぜひ少しでも気に入っていただけたらスキと、また読んでいただければ嬉しいです。こちらもどうぞよろしくお願いします。

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