海七

ROCKETvo/海七

海七

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最近の記事

呪い

急にポッカリ空いた平日、朝とりあえず洗車に向かった。窓の閉め忘れを確認して洗車機へ。グルグル水をかけてオバケブラシが勢いよく回る。甘い缶コーヒーを飲みながらゆっくり眺めてた。 最近本当にスマホばかり見ている。情報や、何か良いニュースを仕入れるため、貪る様に画面を毎日スライドする。この四角い画面を一晩中見ている時もある。得たい情報に出会えるまでグルグルグルグル。それでもまた画面を見つめる。末期のジャンキー、無限なんとか地獄、終わりの無い何かの呪いだ。わかってても、それでもまた

    • 8/7広島で話した幽霊

      興奮してなかなか寝付けない。もうすぐ、広島に行くからだ。広島の後は松山にも行く。広島conquestと、三津浜とぉから、広島のにっしんと、松山のEKDと弾き語り武者修行。この秋、生涯忘れられない旅に出る。 ここから先は7年前、広島ツアーに出る直前に書いた物です。不思議な体験をしたからこちらにも上げておきます。おっちゃんの話す言葉を完全な広島弁にしたかったけど、広島弁翻訳サイトも見つからないので、どうぞ脳内で広島弁に変えてつかーさい。 広島には忘れられない思い出がある。

      • VOCAL&GUITAR KEN interview

        結成から10年。ついに発売されたROCKET1st ful album「NEW AREA PASSENGERS」ROCKETのフロントマン、東京から松阪からの視点に変わったKENに話を聞いてみた。 ♣︎前作『departure』から三年ぶりの新作音源『NEW AREA PASSENGERS』についてお聞かせ下さい。KENさんにとってどんな作品ですか? KEN(以下K) 結成10年目にやっと出すフルアルバムだけど、ここに至るまで色々あって。EP、シングルや4曲入りCDな

        • BASS EIJI interview

          ♠︎ROCKETに2016年に加入後、即ライブ、台湾ツアーをこなしたベーシストEIJI。そして丸2年間かけ作り上げた1st ful album「NEW AREA PASSENGERS」静岡は沼津からの視点、EIJIに話を聞いてみた。  ♣︎前作『departure』から3年ぶりの音源ですが、今回新作『NEW AREA PASSENGERS』について聞かせてください。ベーシストであり、沼津在住のEIJIさんの視点から見て、どんな作品でしょうか? EIJI(以下E)バンド

          DRUMS INUI interview

          ROCKETは2010年、東京にて結成。2016からメンバー全員が違う場所に住んでいる遠距離パンクバンドだ。その中で作り上げた1st ful album「NEW AREA PASSENGERS」ついに9/16に発売される。東京、町田からの視点、ドラマーINUIに話を聞いてみた。 ♣︎前作『departure』から3年ぶりの音源ですが、今回新作『NEW AREA PASSENGERS』について聞かせてください。 INUI(以下I) こういうの久しぶり(笑)前回のインタビ

          DRUMS INUI interview

          死の人形②

          父が亡くなった連絡を貰ったのは、夕暮れ、世田谷区南烏山の現場だった。 親が死ぬ時は、さすがに何か予兆が起きると思いこんでいた。靴紐が切れたり、皿が割れたり。全くそんなテレビドラマの様な事は起こらず、何げなく取った兄からの電話で知らされた。予知的なものは自分には無いんだなあ、と思い知った。 11月末にはアパートを引き払い、帰郷する段取りで進めていたが、父は11月の頭に他界。あと少し持ってくれたら孫にもっと会わせてやれたと思うけど、限界の限界だったと思う。 家族総移動で

          死の人形②

          死の人形①

          奥さんがリラクゼーションのお店を出しました。少しでも免疫があがったり、疲れが取れたり、笑顔が生まれる場所にしていきたい。 店舗の半分をリラクゼーション、もう半分でギャラリーにして、展示第一弾は死んだ父の写真個展を開催中。ただ撮られた写真を眺めるだけでなく、ー20度極寒の北海道の雪の中で、夢中でシャッターを切った男の生のエピソード、人生、物語を知った方が、良いかと思い今回は父の事、父の臨終から葬儀の事を中心に書きます。 実の親の死に様をネタにするとは、何事か。気色が悪い奴だ

          死の人形①

          神様の水を飲んだ猫-最終話-

          幼い頃、自分の部屋が無くて祖母の部屋に勉強机を置いて過ごしてた。小学生の後半になってくると、マセてきて、部屋を思い通りにしたくなりポスターなど貼り始める。次第に祖母のタンスがどうしても気になってしようがない。THE桐のタンス、まるで時代劇から抜け出したような重厚感満載のドッシリした黒いやつ。そのタンスと、ビーバップハイスクールのポスターや、コカコーラの置物がどうやってもミスマッチだ。ある日思い切って、祖母に願い出た。このタンスを、ペンキで白く塗っていいか?と。この狂った孫は一

          神様の水を飲んだ猫-最終話-

          神様の水を飲んだ猫⑤

          手術後、退院してからはリハビリに歩き続けた。とにかく毎日散歩に出た。朝食時、聞かれてもないのに「今日はあの辺りを攻めてみる」と奥さんに話し、帰ってきてから子供の頃クワガタを取った木が見つからなかったとか、庭が素敵な家があったとか、見た物を話した。平日の午前中などに、住宅地をいい歳したモヒカンが歩いていると、不審者目線も沢山感じた。こちらから挨拶しても返ってこない時もある。全然いい。正解。間違ってない感覚だ。平日の午前中、普通みんな働いている。 「リハビリ中なんですよね!

          神様の水を飲んだ猫⑤

          lukakita 私達の傷

          毎日、運ばれてくる患者さんと懸命に向き合う医療関係者の皆様、ありがとうございます。 外に出たくなくても、家族の為、生活の為に出なければ行けない皆さん、本当にお疲れ様です。 ベッドの上で病と戦う皆さん、あなたが一日も早く治りますように祈ります。 こんな時ですが、自分に起きた不思議な話を書きます。インドネシアパンクバンドMARJINAL(マージナル)のlukakita(ルカキタ)という歌です。 初めてマージナルの名前を知ったのは、2011年9月CHEERIO&ジャバラのイ

          lukakita 私達の傷

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          lukakita ROCKET jakarta

          south east asia tour 2015

          lukakita ROCKET jakarta

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          神様の水を飲んだ猫④

          約二週間の入院で分かった事は、おかしくなる人は夜に動き出す。夜中に叫び出す人、勝手に病室から抜けて違う階に行く人、一度俺がいた部屋を開けて「みよこ、どこだ!」とみよこ探しの人が夜中来た。みよこさんは奥さんなのか、娘さんなのか、架空の人なのか。すぐに看護師さんが走ってくる足音が聞こえる。慣れた対応で連行されながら、名前を呼び続ける。「みよこー!みよこー、みよこ」だんだん遠ざかる声。静まり返った病室で目を瞑り、早くみよこさんに会えますようにと願い、眠った。 一から十まで 馬

          神様の水を飲んだ猫④

          神様の水を飲んだ猫③

          「俺はどうしてこんなところにいるんだろう」 電気を消された夜の病室の天井を見ながら考える。仕事にも穴を開けた。家族にも心配や、負担をかける。直近のライブはキャンセルさせてもらった。ライブを自分都合で断ったのは初めて。全てが最悪だ。肺が破れた時に見た乱れた映像が離れない。でも無事に入院できただけラッキーなんだろうか… グルグル考え続けていると、何か思い出す。あれ、なんかこの景色は、前にも味わった事があるな…そういえば二十歳の時にも一週間前後入院していた。たしか一週間の拘束で

          神様の水を飲んだ猫③

          神様の水を飲んだ猫②

          娘と一緒に家の近くの公園に行く。無邪気に、純粋にブランコや、滑り台を心から楽しんでいる。ここは、自分が育った公園だ。住宅地の真ん中に位置する盆踊り会場でもあった。子供の頃、この公園で近所の人が演奏するベンチャーズを見た。思えばあれが、野外ライブ初体験だった。 砂場にも思い出がある。子供の頃、真ん中の兄貴と二人で砂場の砂を夢中で掘った。ここから地球の裏側に行けるトンネル掘ろうとしていた。どうしてそんな事をしたのか、もう思い出せないけど俺と兄貴は本気だった。結局真っ暗になるまで

          神様の水を飲んだ猫②

          神様の水を飲んだ猫①

          俺は"神様の水を飲んだ猫"と暮らしている。 愛猫マイケルが、子猫のとき、いつも供えた水を飲んでいた。いつも神棚をビシャビシャにするから、最終的にはラップして飲ませない様に対策していた。 "神様の水を飲んだ猫"なんて聞くと、なんか文学的な、絵本とかにありそうでしょ?当時住んでた中野新橋のアパートに遊びに来たタツヤに、調子に乗って話した。 タツヤは、よくおススメ小説を貸してくれたり、あれが良かったとか、あの作家がいいとか、色々教えてくれ、俺たちは本や映画や、物語について

          神様の水を飲んだ猫①