死にたくなる会社。もう変えよう。《上司と部下の人間関係》
✳ カリスマリーダーは要らない。
✳ 嫌われるリーダーは無能である。
無能な上司は自分が無能であることを
部下に知られたくないので、
部下を本来の仕事の場である「第一の戦場」ではなく、
「第二の戦場」に連れ出します。
そこで、仕事とは直接関係のないことで
部下を理不尽に叱りつけます。
そうした優越感は
劣等感の裏返しでしかありません。
本当に有能な上司は
自分が優れていることを誇示しません。
これは、あの「嫌われる勇気」の著者である岸見一郎さんの『ほめるのをやめよう』という本の一節です。
あなたが会社員ならば、これを読んで、
ハッとしたのではないでしょうか。
どこの会社でも日常にありふれた光景でしょう。
この記事では、
「会社での人間関係がつらい・・・」
「上司と合わない、だけど仕事は辞めれない・・」
「上司って本当にこれでいいのか・・」
と思い悩んでいるあなたに、サクッと答えをお伝えするものです。
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現在、国内には、
・会社員約5,660万人
・国家公務員約64万人
・地方公務員約275万人
の人々が、上司部下の関係の中で仕事をしており、
サラリーマン人口は労働者の約87%といわれています。
会社での対人関係の悩みは、自殺に追い込まれる可能性のある大変シビアな問題です。
そんな会社、スパッと辞めちゃってパソコン一つを使って個人で稼ごう
という選択ができない人も世の中にはたくさんいるというのが現実です。
また、組織内で自分に与えられた役目に誇りを持って仕事をしている人も少なからずいるのです。
僕は、そんな人たちを支える情報を発信しようと思っています。
なぜなら、僕もその一人だからです。
この記事は、『ほめるのをやめよう』という本を要約したものです。
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この本の目的は、『民主的なリーダーシップ』です。
ポイントは、
■リーダーと部下は対等。
・上司は、単に役割であり、責任の所在である。
・強いリーダー、カリスマリーダーは不要。上司に頼らず自分たちだけで働ける組織にしよう。
■『言葉』によって協力関係を築け。
・嫌われる上司は、無能。
部下の協力を得られない組織は機能しない
ということです。
★上司に必要な3要素
・教育者でなければならない
・部下を一人の人間として尊重し、信頼関係を築くべき
・責任者であるべき
箇条書きで要点を列挙しますね。
●カリスマは不要。あくまで対等。
上司は役割名、職責が違うだけ。
上司は単に、教育者であり責任者である。
だから、人格を否定してもいいわけでなく、人として、社会人として、一人の人間である部下を尊重しないといけない。部下はあなたの奴隷ではない。
上司は、「自分がどう思われるのかではなく、組織にとってプラスになるのかどうか」を考えないといけない。
●尊敬は強制できない。
無能な上司は、仕事の本質とは違うところで部下を人前で叱責し、優越感を得る。
酒の席の行動や、挨拶の仕方で、
「そんな簡単なこともできないのか。そんなやつに大きな仕事はできない」と言って、優越感に浸る。
●上司は嫌われてはいけない
嫌われるのは、力不足だからです。
組織にとって必要であれば、説明すれば理解できるはず。
言葉によって説明できないのは、上司の力不足です。
上司が部下に嫌われているのは、上司の資質、素質、適正、人格に問題があるのではなく、部下への対応に問題があった。つまり、単に下手だった。その方法を知らなかったのです。
●叱るのをやめる
叱ると部下は「自分には価値がない」と思う。
アドラーは、自分に価値があると思えるときだけ、勇気が持てると言っています。
勇気とは、対人関係の中に入って行ける勇気です。
勇気がないと組織でよい仕事はできません。
よって、部下を叱るという行為は組織にマイナスなのです。
●ほめるのをやめる
対等な関係なら、ほめることはできません。
夫が、大人しく家で待っていた妻をほめると、妻はバカにされたと思うでしょう。
なぜなら、妻は夫と対等だと思っているからです。
つまり、ほめられると自分には価値がないと内心で思ってしまうのです。
●叱ったり、ほめたりする弊害
叱ったりほめたりすると、部下は、
ほめられるために仕事をする
叱られないために仕事をする
という行動をとるようになり、本来の仕事の目的がブレてしまいます。
●では上司はどうすればいいのか
評価し、感謝するだけでいいのです。
客観的な評価をして、「ありがとう」と感謝すればいいのです。
「ありがとう。助かった」という言葉で、部下は自分には価値があると思い、
「今はまだ力が足りないけど、がんばろう」と思うのです。
●部下を尊敬し、信頼を築こう
尊敬とは、人のありのままの姿を見て、その人が唯一無二の存在、他の誰かに代えることのできない存在であることを知る能力です。(無条件の信頼)
部下の行動ではなく、存在を承認すること。
若い人の感性、知性は上司よりも間違いなく優れています。
若い才能を使えない組織に未来はないのです。
●上司は、職場での競争関係を根絶すべき
ほめる、叱るは競争を生みます。
部下は、組織の利益ではなく、自分の利害だけを考えて行動するようになります。
競争関係→生産性の向上は、時代遅れな考えです。
●見えないリーダー、存在感のないリーダー
部下の自主性を育てるのは上司の課題です。
部下が上司に頼らず自主的に判断し、自分たちだけで援助しあって働ける環境を作ることが組織にとって有益です。
上司の存在感は、もはや老害です。
●リーダーに向いていないと思うことが、リーダーになるためには必要
ローマ皇帝マルクス・アウレリウス
『かくも多くの優秀な友人の助言に私が従うほうが、諸君がたった一人の意向に従うよりも公正である』
リーダーに向いているからリーダーになりたいと思っているほうが問題である。
そのような人は、自分のリーダーシップに改善の余地があることを認めない。
●人は何ために働くのか
人は働くために生きているのではない。
人は生きるために働いているのでもない。
呼吸をしなければ生きていけないが、
呼吸をするために生きているのではない。
人が働くのは、幸福になるためである。
今、幸福ではない人は、働き方を考え直す必要がある。
そして、幸福とは『貢献』である。
●仕事に取り組む姿勢
一度決めたら最後までやり遂げないといけない、という思い込みから自由になる。
進路変更は決して恥ずかしいことではなく、むしろ勇敢である。
最後に、★アドラーからの大切な考え★
★課題の分離
馬を水辺に連れて行くことはできるが、馬が水を飲むかどうかは馬の課題です。
あなたに対する評価は、上司の課題でありあなたの課題ではない。
あなたが、周りの人からどう思われているかは、周りの人の課題でありあなたの課題ではありません。
人間関係の問題は、すべて人の課題に土足で入っていくことが原因です。
★自分に価値があると思えるときだけ、人は勇気が持てる
勇気とは、対人関係の中に入っていく勇気です。
人は、対人関係の中でしか、生きる喜びや幸せを得ることができません。
自信がある人は、対人関係の中に入っていきます。
〜〜〜
以上です。
サクッと解説しましたが、この中に組織の中で幸せに生きる答えが入っています。
これを理解することにより、上司であるあなた、部下であるあなたは、それぞれの立場、役割に応じて具体的な行動が見えたのではないでしょうか。
僕は、組織で生きる人を応援します。
今、この瞬間も、組織の中で苦しみ抜いて生きている人はいます。
自分に価値を感じず、死んでしまいたいと思いながら会社で働いている人がいます。
僕は、そう感じてこの世を去った人を見てきました。
もう、そんな時代は終わりにしましょう。
僕はたった一人でも立ち向かっていきます。
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昔、関西学院大学のアメフトチームの監督に、心理学の先生が就任しました。
彼は、アメフトのことをまったく知りませんでした。
彼がしたことといえば、選手のプレーに一言、声をかけるだけです。
『今のはよかった』
それだけです。それを三年間続けたら、なんとライスボウルで勝って日本一のチームになりました。
『今のはよかった』は、ほめ言葉ではありません。
選手のプレーそのものを評価する言葉です。
その一言が選手の“励み”になったのです。
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