リーダー育成を行う著者によるプレゼンの基本
プレゼン機会は多くないが、コツを知っておきたい。
社内報告やセミナーで話が上手いと思われたい。
そんな方に向け、50万部以上売れている伊藤羊一さん・著『1分で話せ』より、プレゼン(相手の心を動かしたい時)に役立つ基本のハウツーをコンパクトにご紹介します。
◇著者紹介:
東京大学経済学部卒、1990年日本興業銀行入行、現在Zアカデミア学長、Yahoo!アカデミア学長としてZホールディングス、ヤフーの次世代リーダー開発を行う。グロービス経営大学院客員教授、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部学部長。
言葉もスライドも「スッキリ」が鉄則
・使う文字、言葉は少なく。
・文章をややこしくしない。
・言葉は短く、「言い切る」。
著者の原則としては、発表対象が50人なら32pt、100人以上なら54ptが最低フォントサイズ。
プレゼンする部屋の最後尾に実際に座ってみて、そこからでも読まずにスッと言葉が入ってくるかを確認しましょう。
話し言葉は、中学生でもわかる言葉遣いを徹底すること。特に社内用語、業界用語、略語、聞き手によりパッと想起するものが異なる言葉(例えばPVなど)には注意しましょう。
外資系企業やIT企業、広告業あたりに染まっているとカタカナ言葉や英語を使いがちですが、「え?どういう意味?」「なんとなく見下されている感」など余計なことに聞き手の思考が持っていかれている時点で、日頃から真に顧客思いで仕事をしている人ではないことが透けて見えてしまうので注意したいですね。
伝え方のフレームを知る
「伝わる」伝え方のパターンは、既に先人によるフレームが存在します。検索すれば他にもあります。
・SDS(Summary-Detail-Summary)
詳細を結論で挟む
・PREP(Point-Reason-Example-Point)
主張を根拠と例示で挟む
・PCFC(Protection-Change-Solution-Future)
こんな問題があり、そこにこんな変化が起きており、我々はこんな解決策を生み出しました。この展開でこんな未来を作りたい。
基本は、まず今日はこれが言いたいです、を示す。そしてその根拠や具体例を伝え、ということで改めて私としてはこれを推します。といった流れです。
「想像してみてください」は効く
商品やサービスのプレゼンテーションでも、営業や社内の説得でも、ただの「説明」ではなく、通したい話の世界観に入り込んでもらえるかどうかが聞き手の心を動かすポイントとなります。
×:「これがAIによる新機能です」
○:「想像してみてください。AIによる新機能で面白いように苦手だった雑務が進む毎日を」
×:「これが老化を防ぐ肌テクノロジーです」
○:「これが老化を防ぐ肌テクノロジーです。あなたがもしこの世界を経験するとしたらどうでしょう」
やってみると、確かにと思いますよね!
練習する
本気のプレゼンの場なら、練習、録音、改善は必須です。
素人がぶっつけ本番でいきなり喋って上手くいかないのは当たり前。プロでも何十回も練習するんです。
空中に向かって話さない
緊張して何もない空間に向かって話していませんか?
人は、自分のことを恐れず懐に飛び込んでくれる人につい聞き入ってしまうのです。立って話すなら物理的に歩いて聞き手に近づくのも効果的です。話し方のテクニックより、まずは精神的にも聞き手の懐に飛び込む気持ちを持つことで、自ずと話し方が変わります。
”懐に飛び込む”勇気に、人は好意を持ってしまう!
声は大きく
著者が多くのプレゼン指導をしていて、話を聞いてくれている気がしないと言う人の7割は「声が小さい、ただそれだけ」なんだそうです。
おまけ:キャッチーな単語でネーミングする
説得力がありイメージも伝わることを意識して伝えた。その場では「いいね!」とまで言われた。でも次に話す時にはすっかり忘れられている。
これを回避して記憶に残してもらうために、著者は印象的な「超一言」を勧めます。プレゼンするビジネスプランについて「ズバリ、⚪︎⚪︎モデルです!」と小林製薬さん的な造語でまとめたことで、孫正義さんへのプレゼン競争でも覚えてもらえて、声をかけられたそうです。
ネクストアクション
・まずはチャットの文章をシンプルにしてみる
・「想像してみてください」を口に出してみる。フィットしなければ自分なりに言いやすい言い回しを考えてみる
プレゼンではなく普段の仕事で「話が長い、伝わりづらい」と自覚する方に向けた同書の学びはこちらにまとめています
本日の参考図書はこちら
*本記事の引用は、著書の原文ママではないこともあります
*本記事は著書の要約ではありません
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