1分で話せ
本日は仕事における話し方に悩める方に向け、伊藤羊一さん・著『1分で話せ』からの学びです。
話が長い、伝わりづらい
まどろこしい話し方にはいくつかパターンがあり、端的に言えば「言いたいことをスッキリ話さない」に集約されます。
・結論に至るまでに頑張って情報収集した過程などプロセスの話が多い
・参加者全員に気を遣った発言が多く、言いたいことが分かりにくい
・マイナス面もわかっていることを伝えたいがために、押したい意見のマイナス面もあれこれ言う
著書にはこれらの話し方の例が載っているのですが、まさに自分だ・・と思いました。
結論、根拠
解決策はズバリこれ。結論と根拠のピラミッドを意識し、なるべくスッキリ伝えます。
×「今年と去年の資料を検討したのですがそれだけでは足りないと思い、10年分の資料を前任の山田さんからもらって調査した結果、全体としてはA案を押していくべきではないかと思いました」
⚪︎「A案を押していくべきだと考えます。」
なんかちゃんと聞いてくれてない感じ
元来、人は話の80%を聞いてないそうです。悪気がなくとも違うことを考えたり気を取られたり。ロジックがスッキリしていれば主張はわかりやすくなりますが、それだけだと想像以上に全く集中して聞いていません。
そこで効果的に入れ込むべきなのが、【ビジュアル的なイメージ】と【具体例】です。
人は言葉だけでなくビジュアルでイメージが見えると一気に話を理解しやすくなります。写真やイラストを活用しましょう。ビジュアルがないような話の場合は、それぞれの根拠について、「たとえば」で具体例を伝えます。
次回のイベントのテーマはA案がいいと考える。理由は、対外的に打ち出したい会社の変化にマッチしている、メディアの関心も集まりやすい、前回とは異なる属性の顧客を呼び込めそうだから。
そんな話の軸に、会場イメージの写真や、メディアの関心が集まった他社例などの話を入れ込んでいく感じでしょうか。
会議では「ポジションをとる」ことが大事
議論を前に進めるためには、まずはあなたが「白かもしれないし黒かもしれない」ではなく、「白」なのか「黒」なのか決めることが大事です。
絶対的な自信、100%正しい選択と言える、といった状態になれることはほとんどありません。ある程度の判断材料を持ったところで自分なりの主張のポジションをとり、根拠をぶつける。そうすることで、反論があれば反論が来て議論になる。誰かが何かのポジションを取らないと、議論は進まないどころか、何となくその場の空気でよくない方向に物事が決まったりもします。異なる意見を聞いて変えるべきと思ったら訂正すればいいという気持ちで、まずは今の自分なりの判断の立ち位置を決めましょう。
上司とのすり合わせでは、鳥の目を持つ
相手が上司であっても、報告を添削してもらう姿勢ではなく、上司の案も引き出して 1+1=3 にするつもりで臨みましょう。それを成功させるためにはここでも、まずは自分の主張をきちんと持つことが重要です。すると対話が始まる。
そこから戦う姿勢になるのではなく、次は上司はなぜそう言うのか、どこをどうすると良い形で合意できるか、自分と上司を客観的に等距離で見つめてみる。
「私はこう思います」
「あなたの気持ちになってみます」
「私たちはこうなのだろう」
著者は、"主観の自分"と"客観の自分"を行き来できるようになると、人との対話は驚くほどスムーズになると指摘します。実際に口に出す言葉としても、著者は「私たちは」を意識的に入れ込むそうです。
なお、何だって否定してくるタイプの上司には、本丸を守れるツッコミどころを作っておくというテクニックも。たとえば主張に対する3つの根拠の1つを敢えておかしな話にしておく。すると必ず食いついてくるので、「おっしゃる通りです!」と入れ替える。
相手も自分のおかげで良い案になりOKしやすくなるし、一緒に作り上げたものとして否定しづらくなる。そうですね!と言いながら華麗に本来の自分の意見を通す。
わかってないやつと思われたくない心理も働く中でここまでいくとなかなか手練れの技ですが、こんなこともサッとやってのけてチームの主張を通してくれる先輩がいたら、ちょっと惚れ惚れするかもしれませんね。
ファシリテーションは、広げて絞る流れを意識
言いたいことを端的にという話とはズレますが、ファシリテーションの基本も押さえましょう。
①まずはゴールを決める
②ゴールを決めたら、前半は出席者の頭の中にあるものをどんどん出してもらう。出すべき結論に直結しない話でも、いいねいいねという雰囲気で何でも出してもらう。
③後半は、どういう軸で何を議論すればいいかを提示する絞っていく。ファシリテーターが持っている結論ありきの誘導が見えると白けることがあるので、「みんなでいいピラミッドを作ろう」としたときの「いい意見」に食いつくことを意識する
ここでも、前述の、結論と根拠の箱を埋めていくことを意識して議論を進めることで、参加者が決定に自信を持って会議を終えられます。
前半でみんなの頭の中を広げて出しておいてもらうことで、最終的に決めたことに対して、他に検討する要素はないよねということが共有できるのです。
まとめとネクストアクション
結論、根拠、具体例(呪文)
白がいいのか黒がいいのかポジションを取って会話する
みんなで決める場では「私たちの合意」の結論と根拠を埋めるイメージで会話を進める
次回も本書から、プレゼンの基本を紹介します。
著書が気になった方はこちら
*本記事の引用は、著書の原文ママではないこともあります
*本記事は著書の要約ではありません
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