見出し画像

「幸せの連鎖を起こしたい」―農業×教育で人と人とが繋がるコミュニティ作りを。伊藤@はたけのせんせい―


伊藤先生
不動産会社員から小学校教員へ転職。子どもたちはもちろん、先生同士の関係も良くなるような働きかけを軸としている。次は農業×教育で「人と人とが繋がる場」をつくろうと奮闘中。


売上のため?自分のため?人の幸せを本気で考える仕事

小学校教員として来年で10年目を迎える伊藤先生。
教員になる前は不動産会社で働いていたと話します。

祖父が大工だった事から建築関係の道に進み
その後、不動産会社に入り土地や建物を売る仕事をしていたとの事。

しかし、その働き方と心にズレを感じ始めたそうです。

「不動産の販売は、家を買ってもらう仕事なのですが、僕は『人を買ってもらう仕事』だと思って働いていました。その物件を”どんな人から買いたいか”が大切なんです。」

一つの物件に対して、それを販売できる会社がいくつもある。
その中で、どの会社の誰から買いたいと思わせるかがカギになってくるのだと言います。

「営業では自分のキャラクターや個性が大事でした。キャッチコピーを考えろと言われていたので、『不動産の営業に見えない伊藤』でやっていました(笑)本当に全く売れませんでした。」

物件を販売する気持ちが前面に出たギラギラとした感じではなく、本当にお客さんの幸せになるかを一番に考えて仕事をしていたとの事。

自分の根本的な心の部分に、人に幸せになってほしい。後ろめたいと感じる事をしたくない。という想いが在ることに気が付いたそうです。

「働く中でどうしても、売上を気にしたり、会社都合で営業したりする事がありました。何か自分の中で引っかかるな、と。これは、誰のための仕事なのかなって考えたんです。」

会社の利益のため?自分の出世のため?
どうしても拭いきれない心の葛藤があったと語ります。

「このモヤモヤを抱えながら仕事を続けるのは難しいなと思いました。きっと私には向いていないなぁと。次の仕事はどうしようか考えた時、どうせなら”クリエイティブでおもしろい仕事”をしてみたいと思ったんですよ」

両親が教員だった事もあり、学校の先生になる道を選択した伊藤先生。
不動産会社を退職した後、教員免許を取得。
講師期間を経て、現在も小学校で働いているとの事。


農業×教育!人が集まり、楽しい事が起こる場所づくり

小学校で働く中で、改めて人の幸せについて考える事が多くなったと言います。

「子どもの幸せを考えるならまず、大人がそれをやらないといけないと思います。職員室の空気が悪いのに、学級の雰囲気を良くすることはできない。働きやすい職場づくりを心がけてきましたね。」

何よりも人との繋がりを重視する。

この考えから、次は農業×教育でコミュニティづくりをしていきたいと語ります。
小学校教員の経験も活かし、学校と農業をかけ合わせた事業をつくりたいと考えているそうです。

「ずっと自分で事業をしてみたいという気持ちがありました。どこかで独立したいなぁって。宮沢賢治のような晴耕雨読のライフスタイルで、人の繋がりを生み出す事が出来たら最高なのでは?と思いました。さらに学校とかけ合わせる事が出来れば、教育的にも深いものになるのではないかと思い計画中です。」

そんな伊藤先生を突き動かす一番の気持ちは「おもしろい」だと話します。

「ある人に、農業×教育の話をした事がありました。その時の僕はまだ、『方法』とか『生計』とか、いろいろなものに縛られていて。でもその人に話していく中で、『本当にそれっておもしろいと思ってるんですか?』と聞かれて、気づきました。人生おもしろい方にいけばいいだけなんだって。」


トライ&エラーを繰り返しておもしろい方へ

今まで実践した経験が無い事にも、どんどんチャレンジしていく伊藤先生。
子どものころから工作が好きで、何度もトライ&エラーを繰り返し、自分の思う通りの作品になるように思考錯誤していたそうです。

やってみないと分からない。おもしろいと思った方へ進む。
積極的にいった人間の方が得するように世界は出来ているのだと続けます。

「僕が学生の時、学校で一番可愛い女の子と付き合っていた時期がありました(笑)多分みんな、初めから諦めて声をかけられなかったのかな。そんな事より、自分の気持ちを積極的に伝えた結果、好きになってもらえたんです。まぁ短い夢でしたが…。」

チャレンジすることが怖いという人は多い。でも、それはやってないから怖いのだと言います。

「挑戦しまくってる人は、挑戦する事に耐性がついてくるんですよ。それに、自分からしかけていく方が、上手くいかない時のダメージも少ないです。僕が好きな言葉で『人はみんな間違っている。みんな間違っているなら、間違いを恐れる事はない。』というものがあります。これに気づかせてくれたのはなぞの100円たこやき屋さんでした。」


幸せの連鎖をつくりたい

SNSでの発信を始めてから、想いに共感する仲間に出会ったと話す伊藤先生。

「現実世界じゃなくても、これだけ自分の事を分かってくれる人がいるんだと。嬉しくなりました。」

夢や目標に向かって共に頑張る仲間がいるから頑張れる。SNSを始めて良かったと思う理由の一つだと言います。

「僕と出会ってくれた、そんな素敵な彼らにできる事は一つしかない。僕が出来るのは、『愛をもって接する』事だけです。そして、自分と関わった人は幸せになってほしい。」

自分がきっかけになって、周りの人達が出会う事にも嬉しさを感じているとの事。

「僕が幸せを伝えられる範囲は限られています。でも、その幸せを受け取った人はきっと別の場所で、また幸せを繋げていくことができる。自分の身近な人に幸せを伝えていけば、自分では手の届かない人にまでそれを繋いでいけると思うんです。」

そのためにまずは自分が幸せになることが大切だと言います。

農業×教育という夢を叶えて、幸せの連鎖どんどん広げていきたいと語ってくれました。

編集後記
伊藤先生の、アクティブな心。そしてそれを支える揺るがない「幸せ」の軸を感じました。人と人とが繋がり、幸せの連鎖を起こしたいという伊藤先生の願いに私も乗りたい!という気持ちが溢れています。その幸せが次の世代の子どもたちまで、繋がっていく未来が楽しみです。
伊藤先生貴重なお時間ありがとうございました!

(インタビュー・編集・イラスト By Umi)


この記事が参加している募集

忘れられない先生

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?