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「悩んだら、心がふるえる方へ行こう」大学生起業家がつくる『外見に悩む学生と美容学生のマッチングサービス』Tasuki 代表 布川舞桜

外見に悩む学生と、美容学生のマッチングサービス Tasuki代表。 北海道教育大学札幌校国語専攻。現在は休学し、サービス開発に注力中。


2023年4月から大学を休学し、自身が手がけるサービスTasuki の代表として日々奮闘する舞桜さん。
“美容のマッチングシステム”という新しいジャンルに注目し、サービスを開発した彼女のこれまでの物語をうかがいました。



「メイク、服が怖い…。」外見で悩んでいた高校生時代

北海道で生まれ育った舞桜さん。中学、高校、そして現在もハンドボールに熱を注いできたスポーツ少女だったと話します。
高校進学の際も、重要だったのは「ハンドボール」。
部活動こそ充実していたものの、彼女にある悩みが生まれたそうです。

「私が通っていた札幌西高校は、私服で登校、メイクも自由な学校でした。周りの友達はみんな可愛い子が多くて、モデルをやっている子がたくさんいるような感じでした。そんな中、ハンドボール一本で来た自分は全然メイクも知らない。みんな一体どこで服を買っているの?と。部活がないオフの日は、練習着ではない私服で学校に来るのですが……。」

周りと比べて、浮かないように必死だったと話す舞桜さん。

“部活がない水曜日、何を着てどんなメイクをすればいいかわからなくて怖くて学校にいけない。”

可愛いあの子は上で、そうじゃない私は下。外見と自分の価値を結びつけてしまっていました。つらかったけど、誰にも相談できなかった。言葉によって傷つく事もたくさんありました。」


美容に悩みを抱える学生達との出会い

外見にコンプレックスをもっていた高校時代。そんな舞桜さんが選んだのは教育大学でした。

「授業に全然身が入らなくてぼーっと将来何になろうか考えていた時、
古典の先生が、源氏物語の壮絶な女のいじめの話をし始めたんですよ。壮絶すぎる下品な話を30分くらい笑いながら話してて。すごい滑ってたけど、こんなに楽しそうに働けるなら教師いいかも、と思って、授業中に教育大に行くことを決めました。」

その後北海道教育大学に入学し、国語を専攻した舞桜さん。

「きっかけは古典でしたが、教科はどれを選んでも良いなと思っていました。
全部の教科が便宜上分けられているだけで、社会や世界は全部繋がっているから。でも、その分けられている教科の中心にいるのが国語のような気がしたんです。
言葉によって傷つく事が多かったからこそ、言葉によって救われることもあるはずだと信じて国語専攻を決めました。」

言葉で自分の世界が作られていると感じていると語ります。

「目の前の出来事をつらいとおもうか。チャンスだと思うかで気持ちが変わってきますよね。言語化すると解像度上がる。言葉で自分の世界をつくれるからこそ、自分が使う言葉で誰かの世界をもつくっていけるんじゃないかと思います。自分が傷ついたからこそ、救われる言葉も届けたい。」

そして、教育実習、教育現場などに行く中で、自分と同じように外見に悩んでいる学生がたくさんいることに気づいたそうです。

「多くの学生が自分の見た目にコンプレックスをもっていました。そんな彼、彼女たちに足りないものは何かと考えた時、その悩みを打ち明けられる、寄り添ってくれる相談相手だろうと思ったんです。
自分自身、メイクや美容は嫌な怖いものとしてみていたけど、やり始めたら実際そんなに大した事なくて。意外と楽しめるじゃん!と思えた。
相談相手と、一緒に悩んで伴走できる仕組みがあったらいいのになって。皆が明日、楽しく学校へ行けるように、美容に焦点をあてようと思いました。」


悩んだら心がふるえる方を選ぶ

教員になる道も考えていたという舞桜さんでしたが、悩んだ末、Tasukiの立ち上げを決意。
2023年4月からは休学し、悩める学生たちが自信をもつきっかけづくりへ走り出しています。

「今はずっと、このサービスを使う上で、どうやったらみんな嬉しいか考えているところです。タメ口で話せた方がいいかな?とか、期間が設定されている方がいいかなとか、探っている段階ですね。核になる部分を探しつつ、誰もが明日学校へスキップしていけるような世界になったらいいな。を考えています。」

現在は、外部の会社や学校、ファッションショーと連携を図り
より自分が見ている世界に近づくためには…を日々試行錯誤していると言います。

「悩むことはたくさんありますが、自分に誠実な自分でいたい。という気持ちがあります。
自分的には気が進まない事も、えぇいと思ってやってしまうところがあって。取りこぼしたくない想いが強くて…。
それによって生まれる出会いもあるけど、嫌な思いをすることもあるんです。
でもきっと、それをやり続けなければ、自分が何が好きで、何が嫌いで、どんな自分になりたいのか出てこない自分の選択に自分で責任をとれるような大人でありたいですね。」

悩んだ時、大切にしているのは「心がふるえそうな方」を選ぶことだと言います。

「言葉ってすごい色んな意味とか雰囲気を含んで、めちゃくちゃ万能なものだと思っているんです。言葉が出来たところから文化がはじまると言うくらい。言葉ってすごい大事だと思う。
そんな中で、『心が震えそう』というのは、そんな言葉が出てこないくらいの、感動とも違う、何か感じる瞬間。例えば、”好きな人が私のことを大切に見ている時”とか……。私も悩める若者ですけど、何か悩んだら、楽しくて心がふるえる方を一緒に選びませんか?と。一緒にどうでしょうか?(笑)」

「私、谷川俊太郎好きで。あと、短歌を読んだり。新しい世界に飛び込んで、何をしてもいい、制限がないところにいくのも好きです。
今の私のわくわく達成率は30%くらいですね。TasukiIは自分の好きなように思うままに、制限がない自由なわくわく、というところでクリアしている気がします。自分のわくわくすることで毎日埋めていきたいです。」

言葉、そして美容によって、明日の自分を好きになる。
そんな世界を目指し、この春から本格化する新たな挑戦に力をいれていきたいとお話してくれました。

編集後記
言葉と美容。舞桜さんが大切にされているものの先には、幸せと愛があるように感じます。自分が”よい”と思う世界を自ら作り出そうとしている舞桜さんの熱い想いが、春の風にのって舞い込む桜の花びらのように、優しく、暖かく届く。その未来を一緒に見たい、そんな気持ちになるインタビューでした。舞桜さんの今後の活躍を心から応援しています!
舞桜さん、貴重なお時間ありがとうございました。
(インタビュー・編集・イラスト By Umi)


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