
真似?リスペクト?アフリカ最大手がユニクロ風衣料小売を開始
アフリカ最大の小売りチェーンといえばショップライト。南アフリカで安売りチェーンから高級スーパーまで展開している、売上1兆円を超える大企業です。

そのショップライトがこの4月に新しく開発した業態が「衣料小売」。その店舗を見て、びっくりしました。


これは、まさにユニクロでは?店舗デザイン、商品や価格の展示方法、ベーシック衣料という商品ラインナップ、色展開。
そして店舗名はその名もUNIQ(どうしてそこまで似せた・・・)
(ユニクロ同様)ダウンをアンカー商品として掲げていますが、南アフリカのヨハネスブルグでは、これから迎える冬にはときには雪が降るくらい冷え込みます。
南アフリカ(ひいてはアフリカ)では、こういうタイプのお店はありません。すごく日本っぽい、ユニクロっぽいのです。
一般的な南アの衣料小売はこういう感じ。

ショップライトいわく、(ユニクロが標榜するのと同様)「プレミアムベーシック衣料」を取り扱うとのことで、価格は若干高め。南アフリカには安価なベーシック衣料チェーンもたくさん存在していてTシャツは300~500円くらいで買えますが、ユニクロ、おっとUNIQでは1000円程度です。
冒頭のサムネイルにある、服についているSとかMの透明シール。見覚えありますね。ここまでマネする?もしや、ユニクロとの合弁事業かと錯覚します。
まず8店舗を開店するとのことですが、大きなモールに出店するというより、住宅地や郊外中心に出店していく様子。昔のユニクロのようです。
セルフレジも導入とのこと。これもとっても見覚えがありますが(ライセンス関係大丈夫??)・・・もっともUNIQが使用しているのはNIPではなく、無印などが使用している米NCR製のレジのようです。
ここまでくると、ユニクロを参考に業態開発をしたことは火を見るより明らかで、もはやリスペクト(もしくは訴訟)の領域です。

ちなみに、ユニクロはすでにUNIQLOを南アで商標登録していると言われています。南アは競争法が厳しく、類似商標の登録は許可されないことが多いですが、今回のUNIQはなんとか登録できたようです。
これまでの南アの判例からすると、ユニクロは早く南アで商売の実態を作らない限り、あとになってUNIQを訴えても敗訴する可能性が高いです。
ショップライトは、コロナのときも、南アフリカ経済が悪化したときも、すぐに戦略を修正し、売上を増やしてきた企業です。アフリカの消費者向け事業を営む企業として、かなりの巧者といえます。
コロナ後は、猛スピードでデジタル化を進め、オンデマンド配送と言われる、スマホで商品を選ぶと近隣の店舗からクイックに届けてくれるサービスを開始。これがとっても使いやすい。アプリのUIも良く、すぐ届く。私もよく使います。
店頭にいくとタブレットを見ながら棚から商品を集めるピッカーさんと、配達のバイクライダーが忙しく仕事をしています。
こういった動きの早い対応により、コロナもウクライナもインフレも攻略してきました。
積極果敢に新規事業に取り組むショップライトも、いつも成功してきたわけではないので、このユニクロ風小売が成功するかどうかは不明ですが、ショップライトは「時間をかけて構築する」としています。
元祖モノマネ小売
日本企業を真似た元祖モノマネ小売としては、MINISO(メイソウ)が有名です。こちらもアフリカで根強く商売しています。
上の記事にあるように、南アでは幹部が逃走してしまいましたが、他のアフリカでは店舗に人が入るようになっています。都市の若い人たちにとっては、やはりこういう店が心地よいのだと思います。
残念ながら、アフリカ54カ国のどこにも、本物のユニクロも、本物の無印商品もまだ進出していませんが、これらモノマネ企業の業績を見て、検討してほしい。情報提供しますので、ぜひご連絡ください。
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弊社アフリカビジネスパートナーズは、南アフリカとケニアという、都市化が進み、小売のモダン化が進む市場において、日本企業が現地に法人や代理店を持つ前に販売を試すことができるように、販売代行を行っています。関心のある方はこちらからお問い合わせください。
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今回紹介したショップライトの新業態UNIQの展開については、週刊アフリカビジネスで紹介しました。週刊アフリカビジネスの有料版は、背景や詳しい解説、データなどもあわせて提供していますので、サンプルをご希望の方はこちらからお問い合わせください。
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