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アフリカ最大の小売、ショップライト(アフリカ売上高トップ500企業リストから)

アフリカを代表する主要な企業を紹介する目的で、「アフリカ売上高トップ500企業リスト」を作成しています。

「アフリカに大企業ってあるの?」「売上規模だと10億円くらいあれば大企業?」「株式市場って存在しているの?」というようなことを、よく聞かれるたび、「あるある、あるしー。財閥だって100年続く老舗企業だってたくさんあるしー」「株式市場ってたいていどの国にもあるし、大企業って資源ビジネスだけじゃないしー」と身悶えしていたので、満を持しての作成です。

アフリカの現地企業については、断片的なものや目的別のリストはあるものの、売上という指標に沿って国をまたいで有力企業をずらりと整備したリストはほぼありません。

そもそも企業情報については、帝国データバンク的なものがあるにはあるものの役に立たず、現地で実際に調査をして確かめることがまだ必要な市場です。

当社が作成・ご提供するトップ500企業リストでは、アフリカ大陸全体で売上が上位である有力500企業についてぴしっとピックアップし、それぞれの売上高、純利益、過去4年のランキングの推移、設立年、従業員数、上場/非上場の別、上場している市場名、主要な株主に関する情報をずらっと網羅しました。

唯一無二のリストです!

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こんな感じになっています。

アフリカのビジネスに関わる人ならば、このリストを眺めたり、国別や業種別に並び替えたりするだけで、楽しくて1日が終わること請け合いです。

トップ500企業リストは、週刊アフリカビジネスを購読している企業に対しアカウントを発行し、Web上でデータベースとして提供しています。なので、社内で共有してもらって、企画書を書く時や出張の計画を立てるときに役立ててもらったり、現地企業について説明を求められたとき、事例研究をするときなどに、使うことができます。

週刊アフリカビジネスでは、もともと毎週、アフリカの企業をたくさん紹介しています。業界紙のようなもので、毎週読んで情報を仕入れている企業が多くいらっしゃいます。現地の業界や市場について、勘所を掴みいち早く動くには必要なことです。

以下から申し込みいただければ、すぐにトップ500企業リストのデータベースにアクセスするアカウントとパスワードをお送りします

そして、500社のうち100社までについては、こちらのGoogleドライブからダウンロードできるようになっています。アフリカを代表する100社のリストです。お手元においてご活用ください。


この記事では、トップ500企業リストの上位にある企業について、紹介していこうと思います。

今回紹介するのはShoprite(ショップライト)。日本企業ではアフリカを消費の市場としてみている企業が多いので、アフリカ最大の小売である同社を取り上げます。

アフリカの多くの国ではまだ、マーケットや小売店が日用品の購入場所です。いわゆる青空マーケットやパパママショップというものです。ただ、南アは違いますね。全国に舗装道路が張り巡らされている南アでは、すでにスーパーが中心です。どこの都市にいっても、車で移動し、モールがあり、大規模店があり、マクドナルドがあり、そしてショップライトがあります。南アはアメリカのようです。

南ア最大のタウンシップである、ソウェトにもあります。アパルトヘイトと戦ったソウェトにあるこのMaponya Mallは、ネルソン・マンデラ氏がテープカットを行ったことでも有名です。

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ショプライトは南アが拠点で、ヨハネスブルグ証券取引所に上場しています。トップ500企業リストのランキングでは、売上高6位。100億ドル超なので、だいたい1兆円ですね。日本でいうと、イオンとセブンよりは小さいものの、他のスーパーやコンビニよりは大きい売上規模です。純利益率も4%で、小売としては悪くありません。

同社は1979年、青果店として始まりました。1986年に上場し、80年代は南ア国内で店舗を増やし、90年代以降「アフリカ進出」を開始します。

まずは、ナミビア、ザンビア、エスワティニ、ボツワナといった南部アフリカで店舗を拡大します。

南部アフリカという地域には、スーパーに限らず、南アからどんどん物資が流れ込んでいます。南ア企業が牛耳る市場となっていて、南部アフリカ9カ国は実質的に「南ア経済圏」と呼べるでしょう。どの国にいっても、南アのショップ、南アのブランド、南アで作った製品で溢れます。それもこれも、物流が可能な道路があるからです。

ザンビアのショップライト

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2000年以降は、南部以外のアフリカに進出していきます。2018年時点で店舗があるのはアフリカ16カ国。店舗数だと2,800店舗になります。傘下に16のスーパーマーケット、家具チェーン、リカーショップブランドを持つ、アフリカ最大の総合小売・流通会社です。

ショップライトの進出国(同社アニュアルレポートより)

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各国のショップライト店舗数とその拡大ペース(フランチャイズ除く)

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店舗の内部はこんな感じです。安さを訴求しているため、ナイジェリアやガーナなどでも、富裕層だけでなく一般の人が週に1度や2週間に1度、買いだめをしにいきます。

ガーナのショップライト

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南アの店舗の場合は、売っている商品がビックです。コカ・コーラ、こんなに並べる必要ありますかね?容器も2.25リットル。ステーキ肉は1kg、2kgだしなんでも大きい(そして太っている人も多い)。こういうところもちょっとアメリカっぽいですね。

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同社は毎年売上を伸ばしています。これは実は、すごいことなのです。というのは、ショップライトはアフリカ中に店舗を広げているとはいえ、店舗数も、売上も、8割は南アのスーパーによるものです。その南アフリカはここ何年かずっと、不況で可処分所得は増えていません。

ショップライトの売上高推移(単位:百万ランド)

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それどころか、失業率も上がり、消費者マインドは落ち込んでいます。このような中ショップライトは、低価格品や価格を抑えたプライベートブランドの展開、調理済み食品の充実といったマーチャンダイジング上の工夫や、顧客の絞り込みやプロモーションといったマーケティング手法の洗練、富裕層向けの設置を含めた店舗ブランドの見直しなど、戦略を磨き競争力を高めてきました。

オンライン配達など、オムニチャネル化も進めています。金融事業にも進出しています。

今回のコロナは、さすがに、影響はでるでしょう。南アフリカは長期に渡るロックダウンを行い、スーパーは開店できたものの食料品など必須品以外は売ることもできず、酒類の販売も禁止でしたから、6月期末の決算は注目です。

ケニアには2019年以降に4店舗を開設しましたが、1店舗はもう閉鎖が決まっています。ケニアはもともと地場のスーパーが強く難しい市場ですが。。

店舗数が拡大しても、税引後利益率はを常に4%で推移させており、総資産回転率も2.5回転前後で安定的に保っているなど、店舗マネジメントの巧みさもうかがわれます。

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出店を積極化し、その中には事業リスクが高い国(原油価格が消費者購買に大きく影響を与えるアンゴラやナイジェリアなど)や、スーパーマーケットという業態が浸透していない国、南アとは大きくカルチャーが違う西アフリカの国々が含まれているにも関わらずです。

同社は撤退も早いです。前述のケニアもそうですが、業績が悪かったエジプトやジンバブエもすぐに撤退しました。

最後に、競合をみておきましょう。スーパーが普及している南アでは、もちろん他にスーパーマーケットも存在しています。

ショップライトの競合となる南アフリカの小売りチェーン(クリックで拡大します)

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この中で、戦略や顧客が直接かぶるのはPick n Pay(ピッキンペイ)でしょうか。ともに、総合スーパーを目指していますし、オンラインへの取り組みもほぼ同時期です。

Sparは住宅街の中規模店舗が多いです。Massmartは、米ウォルマートの子会社で、南アで盛んなDIYショップなど含め複数持つブランドを持ちます。モールの大型店が多く、業績はここ何年か苦戦しています。


写真はすべてアフリカビジネスパートナーズ撮影です。引用されたり図表を使われるときは、「出所:アフリカビジネスパートナーズ」との表記をお願いします。

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