人を傷つけることなく、強い言葉を使える人
強い言葉というのは、人を傷つけやすい。
「絶対に〇〇〇〇だ」
「〇〇〇〇に決まってるだろ」
「〇〇〇〇なんかじゃ、ダメだ」。
こんなことを身近な人から毎日言われたら、ゲンナリしてしまう。
あなたの価値観を押し付けないでくれ、とも思うだろう。
ただし、唯一、めちゃくちゃ強い言葉を使って、日本中の人から愛され、尊敬される人がいる。
”芸術は爆発だ”という言葉でも有名な芸術家・岡本太郎氏である。
同氏がなぜこれほどまでに愛されてきたのか。
「愛しか勝たん」を体現する人でもあると私は思う。
多くの若者が人生で影響を受けた1冊
人生の中で影響を受けた本に、『自分の中に毒を持て』を選ぶ人はとても多い。
私もその一人である。
新卒で苦労の末内定をもらった会社で、システムエンジニアの仕事に就いたものの性に合わず、悶々としていた頃。
会社帰りに立ち寄った渋谷駅のスタバで同氏の本を読み、なんだか胸に熱いものが込み上げて涙した記憶がある。
自分の中で煮え切らなかった思いが、沸々と湧き上がって爆発した。
その後転職活動をし、当時勢いのあったベンチャー企業に入社した。いま思えばその頃から、私の人生は動き始めた。
ワクワクする方向へ向かうことで、自分らしい道を作ってきた。「ワクワク」や「好奇心」は私の人生で欠くことのできないキーワードだ。
愛ある言葉はいまもエネルギーを維持する
自己啓発書など、若い頃に感銘を受けた書の中には、今読むとそれほどでもなかったりするものもある。若く人生経験の少なかった頃と、今の自分とでは違う視野があるからだろう。
だからこそ、久しぶりに『自分の中に毒を持て』を本棚から引っ張り出し、ぱらぱらと眺めてみて、あらためて感動した。
本の中にある言葉のエネルギーは、今なおまったく薄れない。岡本太郎さんの言葉には、人類全般に対する愛がある。
人が強い言葉を使うとき、「自分のいうことを理解してほしい」、ひいては自分の主張を通したいという側面がある。相手を服従させたいという意図もあるかもしれない。そういう言葉は、大抵相手には届かない。
岡本太郎さんの言葉には、自分を理解してほしいなどという気持ちは微塵も感じられない。あれだけ強い言葉を使い、自己主張をしているにも関わらず。
それはつまるところ、やっぱり愛なんじゃないだろうか。
自分の言うことを聞いてくれ、ではなく、自分の話なんてさっさと蹴飛ばして、あなたはあなたを生きてくれ、という最強の人類愛に溢れるメッセージだ。
応援してくれる、背中を押してくれる言葉なんて生温かいものではなく、ばしーんと背中を叩かれて、何だったんだあれは?と振り返ったときにはもう誰もいない。そこにあるのは、自分の道と自分だけ。
芸術を見る感性は人それぞれだが、私は太陽の塔や、岡本太郎氏の絵を「興味深い」とは思えど「美しい」と思ったことはない。ただ、そこに圧倒的な岡本太郎がいたことに、強いエネルギーと勇気をもらえる。
社会一般で大事とされるいろんなことがどうでも良くなるほどの、圧倒的な自我の表現。
それが究極の愛の形なのだということを、これほどに体現してくれる人はいない。
すべての人がそれほどまでの自我を表現して生きられる世の中ではないかもしれないが、願わくばそういう愛のあふれる人でありたいと思わさせてくれる。
あなたにとって、「愛」とはどんな形をしているだろうか。
ありがとうございます。下着作りに活用させていただきます🎀✨