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エモに走る凡人を愛したい

文章的に気になったのは、安易なエモさに流れる作品が散見されたことと、読んでいて「お腹が空く作品」が少なめだったこと。せっかく食事を描くのですから、読者のお腹を鳴らすような文をめざしましょう。

先日審査結果が発表された、「#元気をもらったあの食事」の審査員、古賀史健さんのコメントだ。

安易なエモ。なるほどたしかにとやや反省した。安易なエモ、要は自分に酔っちゃってる、安っぽい感傷的なストーリー。(わたしが応募した作品はこちら。安易なエモだったかなあ)

エモにはまった子ども時代

子どもの頃に流行った本といえば、「ハリー・ポッター」シリーズ。

最初に読んだ時の衝撃は今もほんのり覚えている。魔法使いのための学校、ホグワーツ校で起こるさまざまなことに、ハリー・ポッターとその仲間たちが立ち向かい成長していく物語。ファンタジーの世界ではあれど、学園ものという点で登場人物たちに親近感を感じられることもあり、とにかく面白かった。

しかし、ほぼ同時期に私がさらにハマったファンタジー小説は、「ダレン・シャン」シリーズだった。

ハリー・ポッター少年のように望んで魔法学校に入学した訳ではなく、ある日突然吸血鬼として生きていかなければならなくなったダレン・シャン少年。家を捨て、生きるために嫌でも血を吸い、吸血鬼の師匠を頼りに、過酷な現実と向き合い成長していく一人の少年の話。

今思えば、ハリー・ポッター以上に夢中になったのは、受け入れ難い人生を受容する少年の苦しみ、悲しみが最高にエモかったからだ。

なりたくてなった訳ではない吸血鬼として生きる道。受け入れ難い運命を、そこにある悲しみも含めすべて受容する。暗闇に生きる少年に、不器用ながら温かく手を差し伸べる師匠の存在。そして別れ。そんな強く悲しいストーリーに惹きつけられないわけがない。

物語の主人公はエモくていい

どうか凡人のエモを愛してやってほしい。人生の物語の主人公は、皆自分自身だ。自己満足でいい。最高にエモい物語を描こう。
辛いことや悲しいことがあったときは、過去を振り返って「エモいなあ〜」と思えるぐらい堕ちてみよう。堕ちた後は、悲劇のヒロインが今後どう復活していくのか、思いっきりエモい未来を描こう。


注意喚起:エモを披露するのは書き物ぐらいにしておこう。物語の外、今日の資本主義社会で安易なエモを発揮する人は倦厭される。小説の世界とは異なる、お茶の間で愛されそうなカラッとした主人公をインストールしよう。

最後に…告知です!

7/1(土)〜2(日)、合同展示会に出展させていただけることになりました❗️
(下記URLには出店情報まだ載っていないですが)
これまでにもイベント出店したことはありますが、このような展示会は初めて。他にも素敵なブランドさんがたくさんいらっしゃるので、良かったらぜひ遊びに来てください❣️「noteを見て来たよ〜〜」と言っていただけたら泣いて喜びます。

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