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【能登半島地震を乗り越えた女性防災士が語る】床擦れは1日でできる!専門ケアの重要性と福祉避難所の課題を検証する

能登半島地震は多くの被害をもたらしましたが、その影響で特に高齢者の避難所生活には大きな負担がかかりました。避難所では、床擦れ(褥瘡・じょくそう)が発生しやすく、特に自力で寝返りをうつことができない高齢者にとっては重大な問題となります。今回は、石川県立看護大学が果たした役割と専門ケアの重要性についてお伝えします。

床擦れのリスクと影響
床擦れは、体の一部が長時間圧迫されることで皮膚の血行が悪くなり、最終的には皮膚が壊死し、細菌感染のリスクが高まります。これは、自力で動けない避難所生活のお年寄りにとって非常に危険な状態です。

石川県立看護大学の支援活動
地震発生直後、石川県立看護大学は、床擦れケアの第一人者である真田弘美学長(東大名誉教授)を本部長とする支援チームを編成しました。停電によってエアマットレスが使用できず、介護スタッフも被災したことから、多くの高齢者が床擦れの症状を訴える事態となったことがきっかけです。

専門家の迅速な対応
真田学長を含む「皮膚・排泄ケア認定看護師」の資格を持つ専門家3人が中心となり、県からの要請を受けて現地に派遣されました。支援チームは、日本創傷・オストミー・失禁管理学会の紺家千津子教授の指導のもと、1チーム3人、3日で1クールの態勢で毎日通いでケアを行いました。結果として、一時は20人いた褥瘡患者が、3月中旬までに3人に減少しました。

ケアの広がりと今後の展望
支援活動は、金沢市の1.5次避難所であるスポーツクラブにも広がり、避難所に常駐する看護師に対する褥瘡ケアの指導も行われました。真田学長は「専門家が入ると安心感も生まれる。褥瘡の災害関連死を食い止めるのが私たちの役目」と話しています。

石川県立看護大学の支援チームによる迅速かつ専門的なケアは、多くの高齢者の命を守り、避難所生活の質を向上させました。今回の経験を通じて、さらに充実した災害時のケア体制が整えられることが期待されます。

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