【能登半島地震を乗り越えた女性防災士が語る】「災害高血圧」って知ってますか?医師が警告を鳴らす「生活不活発病」のリスク
災害が発生した直後から、私たちは多くの健康リスクに直面します。今回は、災害時に特に注意が必要な「災害高血圧」と「生活不活発病」についてお話ししたいと思います。
災害高血圧とは?
災害高血圧とは、災害後のストレスや環境の変化によって血圧が上昇する現象を指します。日本心臓病学会によると、不眠や脱水、精神的ストレスが原因で、被災直後から発生し、発災後2~4週間で収縮期血圧(最高血圧)が平均5~25mmHg上昇することが報告されています。震災前には130mmHg程度と良好な血圧コントロールができていた高血圧患者が、震災後には200mmHg以上にまで上昇することもあるのです。
災害時の生活環境が健康に与える影響
災害が発生すると、避難所での生活を余儀なくされ、日常の活動が制限されることが多くなります。避難所では、「眠れない」「生活のリズムやパターンが崩れる」「日常と異なる食生活」が続くことが多く、これが血圧の変動を引き起こしやすくなります。また、避難所生活では体を動かす機会が減少し、身体活動の低下によって血栓ができやすくなります。
継続的な運動の重要性
長引く避難生活の中で健康を維持するためには、継続的な運動が重要です。しかし、避難所では運動の機会が限られており、多くの高齢者が日々の活動や交流の減少を訴えています。テレビを見る以外に活動がない、周囲に知らない人ばかりで交流ができないといった状況が、さらに健康リスクを高めています。
対策と予防
災害高血圧や生活不活発病を予防するためには、以下の点に注意することが重要です。
・定期的な運動: 避難所でもできる簡単な体操やウォーキングを取り入れる。
・十分な水分補給: 脱水を防ぎ、血栓のリスクを減少させる。
・ストレス管理: 心理的サポートを受け、ストレスを軽減する方法を見つける。
・食生活の工夫: 可能な範囲でバランスの取れた食事を心掛ける。
災害時には、身体だけでなく心の健康も守ることが重要です。災害高血圧や生活不活発病のリスクを理解し、適切な対策を講じることで、被災後の健康を維持する手助けとなります。私たち防災士は、被災者の皆さんが少しでも安心して生活を送れるよう、支援を続けていきたいと思います。
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